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ジャイロX後期のレストア&チューニング part3

2021年 10月13日 18:04 (水)

現在レストア&チューニングしているジャイロX。
セッティングはまだなのですが、始動確認したのでついでにマフラーからの
白煙を私のジャイロXと比べてみました。
前記事で撮りたいと言っていた「オイルポンプ仕様の排ガスと比較動画」に成ります。
*音量注意



初めの車両が今回レストア中の物でオイルポンプでワコーズ2CTを入れたもの。
次が私のジャイロでヒロコーのVeLoCe-Ⅱを80:1で混合した時の白煙です。
どちらも暖気を5分ほど行った後に撮ったものです。

2CTも純正より白煙少ないと思います。
マフラーが新品なのも多少あると思いますが、アイドリングでは殆ど
煙りが確認できないです。
使うオイルによってニオイの好みもありますよね。
白煙ならまだ良いのですが、走行中にオイルを吹くようだと後ろの車に
煽られる原因にも成りますからオイルはポンプ増量よりもグレードUPをお勧めします。

次は社外のセカンダリーについてです。
少し前のブログでセカンダリーのOHをやりましたね。
価格の問題から社外のセカンダリーを使う方も増えています。
それと同時にセカンダリーが原因の不具合も多くなっているんです。
YouTubeでこんな動画を見つけました。
使用許可を取っていないのでリンクを貼りますね。
クラッチ一式購入したら、KN企画    割れました

社外のクラッチアッセンブリーは純正部品とは違います。
あの「ウイングオ〇タ〇」の動画でもバラしてグリスアップしてから着けています。
じゃ~何が悪かったのか?私も久しぶりに購入してみました。



*動画撮影の為、グリスは除去してあります。
途中までしか変速しない。
これじゃ~セカンダリーが割れるのも納得ですよね。
社外パーツはあくまでもレース用部品です。
必ず分解し、確認とメンテナンスしてから組み上げて使用しないと
エンジンを壊しかねません。

じゃ~何で途中までしか変速しないのか?
原因はこれです。

1633424959552.jpg
1633424974221.jpg

トルクカムの溝にバリがあるのが判りますか?
このバリにトルクカムピンが引っかかって変速しなかった訳です。
でも車両に組付ける前にバリ取りを行っておけば問題無いことです。
前々回のブログでトルクカムのバリ取りと面取りを行いましたが、
そんなの必要無いのでは?と言うメールを頂きましたが
これを観れば納得して頂けると思います。

バリ取りの道具を持っていない人は、この時点で返品交換してもらえばOK。
でも購入したまま使った人はOUTです。
社外パーツは全て自己責任ですからね。
つまり、バラしてメンテ出来ない人は純正部品を使ってくださいね。

それでは本題です。

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テーマ : バイクの修理・整備
ジャンル : 車・バイク

ジャイロX後期のレストア&チューニング part2

2021年 09月13日 20:38 (月)

前回のブログで取り上げた初代JOG、通称ペリカンジョグですが
現行の水冷4stJOGとカタログ値で比べてみました。

jogスペック

左がペリカンジョグ、右が2021年モデルのJOGです。
ペリカンジョグは1983年発売ですから40年近く昔のモデルです。
馬力は同じですが、30km/hの定速走行時の燃費はペリカンジョグが上ですね。
2stは燃費が悪いなんて言われますが、全くのデタラメ。嘘です。
現在の技術を使えばもっと燃費は伸びるはずです。

2stが無くなった直接の要因は厳しくなる排ガス規制に対応出来なくなった為です。
実はこれも状況が変わってきています。
バイクメーカーは排ガス規制に適合させるため、2stエンジンの燃焼システムの
改良に取り組んできました。
それでも年々、厳しくなる基準に追い付かないということで生産中止に成った訳ですが、
これがそもそも間違い。
というか、観点が違うんです。

燃焼させても基準に合うようにガソリンやオイルを改良するべきだったんです。
現在はF1で燃料とオイル(80:1程度)を燃やして走るエンジンにハイブリッドを
組み合わせた物を使っています。
F1の基準は一般の乗用車よりも厳しい基準ですから、燃料とオイルの燃焼効率を
上げて低公害の物を作ることが可能なんです。
2026年からのF1エンジンの候補に2stエンジンが挙がっているぐらいですから
2stイコール排気ガスが・・・・・っていう公式は現在では成り立たないんです。

私が使っているオイルはヒロコーのVeloce-Ⅱです。
混合仕様で街乗りは100:1、エンジンを回す時やツーリング時は
80:1混合で使ってテストしています。
価格は1ℓ税込みで4400円。

こんな高いオイル使えないという声もあると思いますので、
比較してみたいと思います。
私のエンジンは68マロッシ、ビッグキャブ、ハイパーリバイブという組み合わせなので
同じような組み合わせの「YouTubeのくめけんさん」のキャノピーと比べてみます。


良かったらチャンネル登録してあげてください。

走行距離から計算すると、大体40:1程度の混合比でワコーズの2CTを使っています。
2CTの価格は1ℓ約2500円ですから、80~100:1で使っている私よりも
コストが掛かっている計算に成るんです。

オイルポンプを外した最大のメリットは混合比を自由に変えられて、場合によっては
コストを削減することが出来るんです。
混合比率を抑えれば排気ガスもクリアに成りますし、
シリンダーの排気ポートやチャンバーにもカーボンが殆ど着きません。
機会があれば、オイルポンプ仕様の排ガスと比較動画も撮ってみたいと思います。

ちょっと脱線しましたが、現在の技術を使えば2stは排ガス規制もクリアできる。
2stイコール燃費が悪い、排ガス汚いは成り立たないってことです。

それでは本題です。

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ジャイロX後期のレストア&チューニング

2021年 08月29日 02:35 (日)

スクーターの駆動系に対しての考え方は様々で、
いろいろな社外メーカーからたくさんのパーツが出ています。
私自身の駆動系の考え方は、いかにエンジンのパワーを落とさずに
後輪に伝えることが出来るか!この一点です。

例えば普通のチェーン駆動のバイクは前後のスプロケットとチェーンで
約2~3割のパワーをロスしてしまいます。
ところがスクーターに成るとパワーロスが5割前後、
3輪のジャイロに至っては7割弱のパワーロスがあります。

ジャイロのエンジンは5馬力ですが、6~7割ロスすると後輪は1.5~2馬力
ぐらいしか出ていません。
だから、ノーマルでは60km/h出ていれば当たりエンジンと言われるほどです。

エンジンチューニングで68ccで8馬力のパワーが出ても7割駆動系で食われれば
2.4馬力ですよね。
これをパワーロスを減らして5割まで持っていければ
4馬力で走ることが出来る訳です。

パワーロスが少ないパーツとは?
より小さい力で動かすことが出来るパーツです。
スクーターが駆動系でパワーロスが大きいのは
変速でパワー(力)を使ってしまっているからです。

ですので、純正よりパワーロスが少ないパーツを選べば良い訳ですが、
体感に頼るとパワーロスが多いパーツを選んでしまいます。
それは何故か?

今までよりパワーを使わないパーツは、より早く変速してしまう。
パーツを交換する前よりも低い回転数で変速するので、パワーバンドに
入らずマッタリしてしまいます。
逆によりパワーが必要なパーツは変速が遅く成るので、今までより
高回転で変速するように成ります。

ですので、このパーツを着けたら速くなった!加速が良く成った!
って言うのは実は今までよりもパワーを変速に使ってしまっているので
加速は良く成るが、最高速が落ちるなんてことに成ります。

本当は変速が早く成ったら、WRを軽くして変速回転数を調整してあげる。
こうすればパワーロスが減るので最高速が落ちるなんて現象は出ないんです。

バイク屋さんは「純正が一番良い」なんて言いますが、高出力化した
2stスクーターが速度が出ないように、わざと変速抵抗を増やしているんですよ。
そして、駆動系のロスを減らせば燃費が急激に良く成ります。
つまり、燃費が悪くなる駆動系パーツは駆動系ロスも大きいってことです。

昔は駆動系ロスの少ないスクーターもメーカーから出ていましたよ。
それが1983年に発売されたペリカンジョグです。
4.5馬力ですが、メーター読みで70km/h以上、発進は気を付けないと
後ろにひっくり返るほどの加速です。
そして燃費は100km/ℓです。
6馬力以上あるDIOじゃどれも勝てません。

探したら動画がありました。
ペリカンジョグ

次回は具体的な例を挙げて説明したいと思います。

それでは本題です。

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セカンダリーのOH

2021年 08月28日 00:55 (土)

更新の期間が空いてしまいました。
というのも、私のジャイロXの駆動系OHの記事を5月の
ゴールデンウィークには書き始めていたのですが・・・・・
まだ実験中の部分もあるし、細かく書いても理解が難しい所がある。
YouTubeを観ても大したことはやっていないのでレベルにも差があると思い
この記事はお蔵入りにしようと思います。

丁度、神奈川のOさんからセカンダリーガンコートの依頼がありましたので
それを後半に書いていきます。

そんなこんなで、もう8月下旬です。
唐突ですが、皆さんは好きなアニメってありますか?
最近の若い人ならエバンゲリオンやポケモン、ドラゴンボール辺りかな?
私の時代はガンダムやルパンⅢ世、北斗の拳?
私が小学生から好きだったのは宇宙戦艦ヤマトでした。

中学2年生の時に夏休みの自由研究に選んだのが
「宇宙戦艦ヤマトの波動エンジンについて」です。
初めてエンジンに興味を持ったのがこの波動エンジンでした。
今のロケットエンジンでは有人飛行で太陽系を脱出出来ない。
この波動エンジンなら太陽系外に有人でいくことが出来る。
こんなことをテーマに池袋の宇宙戦艦ヤマト展などに足を運んだものです。
出版社に松本零士宛で手紙を出したこともありました。

秋に成って三者面談で親の前で担任に言われましたよ。
「片桐くんは非現実的な部分がある。皆は恐竜や歴史など過去に有った
事実を研究課題にしているのに、ありえないことを課題にすることは・・・・」って。
ショックでしたね~。今と成ってはかなり幼稚な内容ですが、
一生懸命やったことを全く評価されなかった悔しい思い出があります。
しかも親がいる前で・・・・・

実はこのエンジン、60年代から世界中で研究されていて
今年、このエンジンの試作機が鹿児島から打ち上げられました。
オリンピックと重なった為、大きく記事には成りませんでしたが、
発表ではデトネーションエンジンという名称でした。
今までのエンジンは燃焼で推力を得るものでしたが、デトネーションエンジンは
爆発(爆轟)の衝撃波を利用して推力を得る。
まさに波動エンジンです。



これでやっと40年前のモヤモヤがスッキリしました。
ついでですからデトネーションについて少し書きますね。

よく私たちの2stエンジンもピストンに穴が空いたり、
ピストンやシリンダーヘッドの一部が溶けるとデトネと言う表現をしますが
これはデトネーションでは無いんです。
ヒートスポットが出来たり、燃焼室の温度が上がり過ぎて溶けただけです。
本当のデトネーションが燃焼室で発生するとコンロッドが折れたり、
穴が空いたりして一瞬でエンジンがおしゃかに成ります。
秒速2kmの衝撃波ですからね。

バイクのエンジンにデトネーションが利用できれば50ccで500ccのレーサーを
ブッチギルぐらいのパワーがあるんです。
残念ながら、このデトネーションの衝撃に耐えられる物質が無いのが現状です。

それでは本題です。

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AF35 ライブディオZXエンジンのOH

2021年 05月14日 19:30 (金)

鹿児島はゴールデンウィークが終わったと思ったら、もう梅雨入りしました。
今年は豪雨災害が無ければ良いですね。
前回のブログで書いたガンコートの施工方法ですが、翌日からガンコート施工の
シリンダーヘッドがヤフオクで販売されるなどかなりの反響がありました。
今後もこんな記事が書けるといいのですが・・・・

さて、前回どうしようか?と考えていた駆動系のガンコートですが、
プライマリー側は純正新品のプーリーフェイスをガンコート施工して
すでに当店のショッピングサイトで販売を開始しました。
それとプーリーですが、次回ロッドからプーリーのサイドにガンコート施工
した物を用意してあります。
こちらはマスキングを簡易化することで、今までと同じ価格での販売です。

P_20210507_135021.jpg

サイドの黒い部分がガンコートです。
簡易マスキングでフェイス面にはみ出している所もありますが、
使用上問題はありません。
逆にベルトが当たる部分にもガンコート施工してテストしてみようか?
と考えてます。

次にセカンダリーですが、KNセカンダリーアッセンブリーのガンコート施工で
販売することにしました。
オプションで柔バネや変速拡大、セカンダリーフェイス強化などを
用意する予定です。
準備が出来次第、ショッピングサイトにUPします。

純正施工も考えましたが、自分でチューニングしてやっと決まったセッティングでの
施工をお願いしたいと言う声が多いので、腰上と同様に
こちらに送って頂いて施工する方法を取ろうと思っています。
セカンダリーをアッセンブリーで送っていただくか、
トルクカムとセカンダリーフェイスを送っていただいて、料金にはトルクカムの
オイルシールとセカンダリーフェイスの2つのベアリング交換料金が含まれた
形にしようと思います。
特にセカンダリーのベアリング交換はあまりやる人が居ないですからね。

ノーマル車両ではセカンダリーのベアリングが痛む前に
ピン穴が広がったり、段付き摩耗したり寿命を迎えてしまいます。
ところがセンタースプリングに柔バネが使われるように成ったことで
ピン穴やフェイス面の傷みが減ったのでベアリングの交換が先に成りました。
特にKNセカンダリーに使われているベアリングは台湾製ですから
純正のセカンダリーよりも痛みは早いです。

私のセカンダリーもそろそろOH時期なので次回はセカンダリーのメンテ
&ベアリング交換でも記事で書きましょうかね。

そしてジャイロの駆動系の冷却について少し書きますね。
とりあえず後期型のジャイロで説明します。
ジャイロの駆動カバーには後方に1つ、クラッチベルの部分に1つ
穴が空いています。
後方の穴はエアクリーナーBOXに繋がっていて空気を取り込むように
成っています。
そしてクラッチベル部分の穴はワンウェイバルブを通してエキパイ部に
繋がっていて駆動系の空気を利用して未燃焼の排気ガスを再燃焼させています。
つまり、駆動系に入った空気の出口です。
そして、もう一つ!
エンジン本体のクラッチ前方に穴が空いていて、パイプがファンカバーに
繋がっています。
これは結構間違えやすいのですが、駆動系側から空気を引っ張って来る
構造に成っています。

話しを整理すると、空気の流れは、駆動カバー後方から入って
クラッチベル側とクラッチ前方から出て行くって感じに成ります。
つまり、ジャイロの駆動系はクラッチ付近は空気の流れが有り
冷却しやすい構造に成っているんです。

でも、プーリーがあるプライマリー側は空気の動きが無いので
ガンコートを施工しても冷えづらく成ることが予想されます。
ですので、私が駆動カバーに穴あけする場合、プライマリー側を中心に
穴を空けています。

もちろん、私の車両はファンネル仕様でエアクリは着いていません。
それでも、車両の仕組みを理解して、空気の流れを利用できれば
最小限の穴あけで、十分な冷却効果を得ることは出来ます。

それでは本題です。

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