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ジャイロX後期のレストア&チューニング part4

2021年 10月21日 16:53 (木)

え~今回はジャイロXにリード足の装着と各部のセッティングについて
書く予定ですが、セッティングは個人の好みで全然異なることが多いんです。
駆動系のセッティングは加速や最高速などタイムを計ってセッティングする人も
多いと思います。

ところが、キャブレターのセッティングは薄ければ焼き付きのリスクがありますし、
濃ければ走らないので、そんなに個人差は無いのでは?と思っていたのですが
調べてみるとそうでも無いらしい。

詳細は伏せますが、自分がベストと思われるキャブセッティングを行い試走。
焼き付きました。
私的には、焼き付いたんだからセッティングが合っていない。
悪く言えばセッティング出来ていないから焼き付いたって感じですが、
その人は違いました。

燃調がベストなのだから、圧縮が高すぎたと言って二次圧縮を落とす。
シリンダーの温度を下げるために、さらに工夫を加えるといった感じで
自分のベストと思われるキャブセッティングに合わせて他の改良を考えて
試行錯誤していました。

なるほどな~
私ならジェットの番手を上げて対応するけど、その人曰く
「ちょっと濃くするより、どんぴしゃのセッティングでパワーを出したい」
とのことでした。
焼き付いた状況を聞くと、ちょっとその辺を複数回、加速テストしただけで
抱き着きが発生したようなので、全然薄いと私は思うのですが、
彼にはそれが「どんぴしゃ」なのでしょう。
私的には状況を考えると10~15番は大きくしないといけないと感じます。

当店に来るお客様の車両や、入庫してきた他店でセッティングされた車両も
私のセッティングより薄い物が殆どです。
私的にはキャブセッティングは数値よりも体感が大事だと思っています。
読者の皆さんも過去に乗ってきた車両のフィーリングなどの体感で濃い薄いを
判断している方もいると思います。
私の場合は、ブログにも書いた通り83年式のペリカンJOGのフィーリングです。

原付スクーターは3つの規制を受けてきました。
60km/hまでの速度規制、7.2馬力のパワー規制、そして排ガス規制です。
この規制が無かった最後の年が1983年なのです。
それ以降は国からの洗脳が始まって事実と違うことが刷り込まれました。
例えば、「空気とガソリンの比率は14:1ぐらいが完全燃焼して、それより
ほんの少し濃いぐらいがパワーが出る。エネルギー効率も良い」
こんなの真っ赤なウソ!です。
未だに騙されている人も多いんですよ。

じゃ~昔からエンジンの基本設計が変わっていない日本が誇る名車
スーパーカブ50を見てみましょう。
こちらのデータが規制が入っていない83年のスーパーカブです。
キャブ車で5馬力、燃費は180km/ℓと素晴らしいですね。
次は最新のスーパーカブ
インジェクションで完全燃焼させて、一番効率の良いと謳っていますが、
3.7馬力に落ちてますよね。
燃費に至っては105km/ℓと、1ℓ辺り75kmも落ちているんです。
タンク容量は4ℓ強ですので、満タンで300kmも差が出てしまうんですよ。

80年代中盤以降のスクーターに乗ってきた人の感覚は、私のベストだと
思うセッティングより薄くなる傾向があるのは当然です。
でも、パワーも燃費もそれよりも濃いセッティングに成ることが判りますか?

ここからは余談に成りますが、上記の理由から私より濃いセッティングする人って
今まで1人しか会ったことがありません。
それが、シンコーメタルの笹野さんです。
今でも、会って私の車両を乗っていただくたびに言われます。
「片桐さん、大丈夫、薄くない?」ってw
もちろん、遠方から自走で行く私のジャイロは焼き付かないで
帰ってきていますので大丈夫ですが、笹野さんのセッティングは
私のより明らかに濃いセッティングです。
それでもたまにトラブるんですから、一体どんなエンジン作ってるんだ!って
思いますよねぇ~。

話しは元に戻りますが、セッティングは感覚で丁度良いと思った時は
少し薄いかも?って疑った方が良いかも知れません。

それでは本題です。
今回の後期ジャイロXですが、部品取りのリード110も持ち込んでいて
当初はこのリード110のフロントを移植予定でした。
ところが、ジャイロのフロントと比べてみると・・・・

P_20210915_135053.jpg

この部分がジャイロよりも12~3cm長い。
ステムを打ち換えて着けたとしてもフロントが上がります。

P_20210915_135126.jpg

こんな感じに成っちゃいます。
これじゃ~・・・・
止めた方が良いですよね。
ってことで、ヤフオクで程度の良さそうなリード90のフロントを入札しました。
こんな時に限ってタイミングが悪いんですよ。
入札締め切りまで4日、届いたのは1週間後です。

P_20210925_102920.jpg

各部のチェックは後にしてとりあえず着けてみることに。
外したジャイロのステムベアリングは全く痛んで無かったので、
部品も要らずにポン付け出来ました。

さて、各部のチェックです。

P_20211002_175128.jpg

タイヤの山は十分残ってましたが、サイドウォールに亀裂が有ったので要交換。

P_20211002_175145.jpg

ブレーキパッドは十分残っています。
完成して利きが悪かったら変えますが、とりあえずは使えます。

P_20211005_141936.jpg

サスペンション周りはバラしてグリスアップで行けそうですが、
アーム部の錆は落として塗装したいですね。

P_20211005_141923.jpg
P_20211005_141912.jpg

ホイールも良く診ると錆びて塗装が浮いてきています。
タイヤも交換するし、外したついでに錆を落として塗ることにしました。

後はマスターシリンダーとキャリパーはOHして組めばOKです。
マスターのオーバーホールキットは純正で2500円ぐらい。
キャリパーのオイルシールは500円程度なのでやった方が良いですね。

P_20211010_225325.jpg

まずはマスターシリンダー。
Cクリップ外して、バラして、清掃して元の通りに組むだけ。
初めてでも出来る作業なので詳しく書きません。

次にキャリパー

P_20211010_144204.jpg

バラして掃除して、オイルシール交換すればOKと思っていたところで
オーナーさんからガンコートしたいって言っていたのを思い出しました。

P_20211010_230952.jpg

カッコ良いですね。

そうそう!ディスクブレーキのOHで必ず必要に成るのは
ブレーキフルードとクラッシュワッシャーです。

今回はエンジンのパワーも上がるので、タイヤは保険のつもりで
少し良い物を選びました。
ブリジストンのHOOPです。
アマゾンで4,000円弱です。

P_20211006_125826.jpg
P_20211006_114254.jpg


ホイールの錆落としですが、塗装の下なのでやっかいです。
剥離剤で塗装を剥がしてからサンドブラストを掛けて綺麗にします。
アームの錆はブラストで簡単に落とせそうですね。

P_20211007_114128.jpg

ハイ!塗りました。
ブログだと時間の感覚が無いので早いですね~、でも1日掛かりですw
後はホイールベアリングを交換してタイヤを入れれば完成です。

ここまで終わればもう少しです。
次はジャイロのハンドルにリードのブレーキレバーを着けないといけません。
ここはポン付け不可です。

P_20211005_151539.jpg

純正のステーを切除して取り付けます。
メーターカウルも組み立てながら当たる部分をカットしていきます。
詳しく言うと、スピードメーターを少し削って、ビスを取り付ける部分を切除。
この辺はやれば分かりますが、ブログで説明するのは難しいですね。

P_20211013_162318.jpg

う~ん、良いっす!

ここで残念なお知らせです。
長くなってしまったのでセッティングは次回ですね。
次のブログは早く書きますね。

テーマ : バイクの修理・整備
ジャンル : 車・バイク

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