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ジャイロエンジン制作 序章part2

2021年 03月07日 22:59 (日)

無段階変速のスクーターでみんなが初めに考えるのがプーリー交換などの
駆動系チューニングです。
その中でも現在はハイギア化が行える大口径のプーリーが
世界中の流行りですね。
正しいパーツのチョイスと、上手くセッティングすれば他がノーマルでも
ライブディオなら80km/h、ジャイロなら70km/hをオーバーするのは
意外と簡単です。

ところが、エンジンチューニングまで行っても、この辺りが壁に成るようで
ジャイロだと70~80km/hの壁がなかなか突破出来ないなんて話を
よく耳にします。

大きいプーリーを端まで使えていないんですね。
私の場合、エンジンを作る前に加速や最高速などはギア比で
予め予想してパーツの選択を行います。
エンジンの回転数とギア比、タイヤの外径で最高速はどのぐらいか?
簡単な計算で割り出せるんです。
計算通りに速度が出ない時は大きいプーリーを外側まで使いきれていない。
単純です。

よく行うのはプーリーにマジックで印を付けてどこまで変速しているか?
確かめる方法です。

pu-ri-sirusi.jpg

この方法が間違っている訳ではありませんが、最高速が出ている時に
最大変速していることが条件に成ります。
実は結構これが曲者なんですよ。
通常はアクセル全開でこれ以上エンジンが回らないという時に
最高速、最大変速していると思いがちです。
これが理想なんですが・・・・・

実際の走行時の変速は通常見ることが出来ませんよね。
YouTubeで探してきました!



これは海外のほぼ上級者かな?
どうですか?思っていた変速と違った人も多いのではないでしょうか?
アクセルを緩めた時に最大変速していますよね。
こんな変速に成る原因はいろいろありますが、今回は割愛します。
上級者の方はこの人の過去動画を観て原因を探すのも面白いでしょう。

動画は平地ですが、峠の登りや、このエンジンにパワーが無ければ
アクセルを緩めた後の再加速が鈍いなんて症状も出るでしょう。
私も走行時の駆動系の変速動画をそのうち撮ってみたいと思っています。

駆動系って奥が深いですね。
シンコーメタルでは新しいステージ7プーリーを開発・準備中です。
私の所もプーリーだけで無く、綺麗に最後まで変速出来る
パーツの組み合わせを探して駆動系セットでの販売を検討中です。

それでは本題です。
私のジャイロはこれまでに、たびたび仕様変更を行ってきました。
フルノーマル状態から始めてステップを追ってきました。
最初の目標は四国愛媛県の松山から関東までのロングツーリングを
楽に快適に走行出来るマシーンにするのを目標にしていました。
その完成形が2018年にスリーターミーティング参加のために作った75マロを
積んだエンジンです。
今でもこれ以上のバランスが良いエンジンは思いつかないですね。
シンコーメタルの笹野氏も「これは一つの完成だね」って評価でした。

そのスリーターミーティングで走った1/32mileのタイムがジャスト5秒です。
じゃ~次は快適さを犠牲にしても、速くてロングツーリングもこなせる
マシーンを作ろうって、68マロをフルポート加工して持ち込んだのが
2019年のスリーターミーティングに持ち込んだマシーンです。
体感的には前年よりかなり速く感じたのですが、タイムを計ると4.9秒。
4秒7~8ぐらいは行けるんじゃないかな?って思っていたのが
0.1秒しか変わらない。
つまり、体感でちょっと速く成った程度じゃタイムは縮まらないんです。

このままこのエンジンをチューニングしても来年はタイムを
短縮できないなぁ~って感じたんです。
もちろん、サーキット専用ならまだタイムを縮めることは可能です。
でも、ロングツーリングの耐久性を保持したままだと難しい。
新しく何か他に技術を取り入れるとか、
新たなことにチャレンジしないといけない。
そこで作ったのがこの50ccエンジンです。

エンジン制作の時のブログはこちら。
この時は社外クランクを組む時に注意しないといけない駆動系を
考えたクランクインストールを中心に記事を書きました。
でも本当の目的は50ccで68マロと同じぐらいのパワーを出すことでした。
これが達成出来れば68ccなら90ccに負けないパワーが出せますからね。

パワーを出すには、より多くの混合気を燃焼室内で爆発させることです。
ターボやスーパーチャージャーのような過給機を使ったエンジンは
これを行っているからパワーがあるんですね。
じゃ~これに変わる2stでの方法はって言うと、チャンバーからの反転波です。
反転波が強いほど多くの混合気を燃焼室内に入れることが出来ます。

制作時のブログにも書きましたが、数種類のチャンバーを用意して
反転波が大きいチャンバーをテストしたんです。
でも、結局は50cc用のチャンバーじゃ、それなりの反転波しか無かった。
だからチャンバー比較のブログはボツに成ったんですね。
結局、75マロと68マロで使っていたハイパーリバイブを使うことに成りました。

ここからの話しは初心者には難しいかも知れませんが、
よく考えれば理解出来ると思います。
中・上級者の方にはもっと難しく、一部の人にしか
理解出来ないと思います。

ハイパーリバイブは68cc以上の排気量対応のマフラーで
通常では50ccでは使えません。
排気の量が少なすぎて排圧が掛からないからです。
排圧が掛からなければ反転波は弱く成り効果が
少なくなるので性能が発揮できません。
排気量じゃないですよ。
排気量とはシリンダー容量であり、間違った日本語では?って私は思います。
私の説明している排気の量とは燃焼済みの気体の量です。

排気の量を多くするにはどうしたら良いのか?
これは簡単ですよね。
燃やす混合気の量、つまり吸気量を増やせば良いだけです。
クランクケースリードバルブ方式の2stエンジンの吸気量は決まっています。
リードバルブから先のクランクケース容量です。
一時圧縮が掛かる部分ですね。
このクランクケース容量を増やしてあげれば良いってことです。

問題はどのくらいクランクケース容量を増やせば良いのか?
容量を大きくするほど一時圧縮は低く成り、
混合気を押し出す圧力は弱く成ります。
ジャイロはビッグマニを取り付けるとリードバルブの取り付け位置が
変わるため30cc程度クランク容量を増やすことが出来ます。
私の体感ですが68ccだと丁度良い感じです。
ところが、ピストンが小さい50ccだと一時圧縮はもっと低くなって
押し出す混合気は増やすことが出来ません。

逆にメリットもあります。
一時圧縮が低いとポンピングロスが減って爆発力を回転力に変える
ロスが減少するんです。
デメリットは混合気を押し出す力が弱いことですから
これを補うチューニングが出来れば良いってことです。

混合気を押し出せないなら、チャンバーの能力で吸気を引っ張れば良い。
チャンバーから吸気を引っ張るにはもう少しシリンダー容量を増やして
あげたり、途中の抵抗を無くしてあげる必要があるので、クランクシャフトの
バランス取りで穴あけをして更に約15ccの容量アップを行ったり、
スムースに吸排気が出来るよう吸排気のポート加工を行いました。
また、燃焼温度を上げるため二次圧縮も高く設定したわけです。
チャンバー内の温度と燃焼室内の温度の差が大きいほど
チャンバー側から引っ張る力が強く成ります。

昔のチューニングでは二次圧縮を高くするのが一般的でした。
当時はチャンバーも今ほど性能も良くなかったし
ダイレクトポートを備えたピストンリードバルブ方式の
エンジンが主流でしたからね。
一時圧縮は高い方がパワーが出るって習った人も多いと思います。

結果はリードバルブが働いて、排圧が掛からない6000rpmまでの
低回転ではトルクが落ちました。
そこから上は予想通り、68マロに負けないパワーを出すことが出来ました。
クラッチのセッティングで何とか成るので不便は感じなかったですね。

今回のブログは前半、後半共に少し難しかったかも知れません。

テーマ : カスタム
ジャンル : 車・バイク

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No title

2021年03月08日 14:12

おやじ様

おおお久しぶりです。我がUP号は相変わらず元気であります。カタギリプーリーの効果&ご教示により加速、最高速ともに満足しております。(WRが減らな過ぎてびっくりです)

先月よりUPの生地が上がってきたので今後に期待したいです。チューンは現状維持ですが内容によっては再燃するかも!


Re: No title

2021年03月14日 01:07

7UPさん

本当に久しぶりですね。
元気そうで何よりです。

当店のプーリーご利用ありがとうございます。
WRですが、うちのプーリーは転がって変速するので上手く使えていると片減りしないのです。
でも、直径は徐々に小さく成りますから、1mm程度小さく成ったら変えてあげてください。
実際は2mmぐらい減っても使えますが、重量が軽くなりますw
ちなみに新品WRの直径は16mmです。