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GT50 ミニトレシリンダーのポート加工

2019年 12月19日 17:07 (木)

前記事でコンプレッサーが故障して作業がストップしていると書きましたが
無事に解決しました。

新しいコンプレッサーを購入して2回目の作業を開始したら10分ほどで液晶が消えて
うんともすんとも言わなくなってしまいました。
壊れたのはあいにく日曜日。
メーカーが休みの為、電話をいただけるようメールを送っておきました。

連絡が来たのは翌月曜日の18時過ぎ。
状況を説明すると「明日、新品を送ります」とのこと。
火曜日発送の届いたのが水曜日の夕方です。
木曜日(本日)から作業開始しています。
日・月・火・水の4日間作業が出来なかったわけです。

ハイガー産業ですが、初期不良は使用に関わらず7日間と成っています。
今回は故障発生が10日ほどでしたが、初期不良と同等の扱いで
新品交換していただけました。
これは好感が持てますが、初期不良期間は15日なら良いと思いました。
なぜならエアコンプレッサーは単品では使用できません。
エアホースやエアツールを別途購入しなければいけない。
そして、DIYで使うなら次の仕事休みの日ですよね。
家の中で使うものでは無いので、雨が降ったら次の休みに使用する。
ってことは、2週間ぐらいみてもらわないと初期不良が判断できない。
ですので、購入してすぐに使用出来ない商品は2週間ぐらいの初期不良期間なら
より良心的だと感じました。

そして、もう一つ感じたことはサポートの対応のスピードです。
電話が翌午前中に来れば早い対応、午後ならサポートが込み合ってる?
それ以降なら遅い対応と考えていました。
午前中に対応していただければ、その日の発送に間に合いますから
1日早く作業に入れます。
混んでいるってことは、初期不良や故障が多いと思われてしまいますから
メーカーのイメージは良くならないと思います。
それ以上に対応が遅れるならサポートの人員を増やすべきですね。
大企業で無いから、なかなか難しいとは思いますが、これから伸びる中小企業と
伸びない企業の差はこんなところに出るのでは?

以上、今回の「ハイガー産業」の商品についてでした。
それでは本題です。

私の所に補修やポート加工で入ってくる原付のシリンダーは殆どが空冷です。
空冷のシリンダーには放熱フィンが着いているのですが、8割以上錆びています。
この冷却フィンが錆びると極端に放熱効果が弱く成ります。
恐らく錆の熱伝導率が低いからでしょう。

そこで、今まではリューターを使って錆を軽く落としていました。

P_20191214_151541.jpg

これは後半に紹介するミニトレシリンダーですが、こんな感じですね。
カバーが着いている強制空冷なら良いのですが、自然空冷のシリンダーは
見た目が悪く成ってしまいます。

そこで、ブラストを試してみよう!とシンコーメタル代理店では考えているんです。
私の所では簡易ブラストガンを購入して100円ショップの重曹で試してみました。
結果は体中が重曹の煙だらけに成って、シリンダーも全然綺麗に成らない。
大失敗でした。

失敗の原因は重曹の粒子が細かすぎること。
小麦粉や片栗粉レベルの細かさですから、シリンダーは綺麗に成らないわ、
吹いた重曹が巻き上げられてしまうわ大変でした。
そこで。今回購入したのがこれ!

荒い重曹

見た目はグラニュー糖って感じで研磨効果がありそうです。
そこそこの値段なので、使い捨てには勿体ない。
そこでレジャーシートを敷いて使い、8割ぐらいメディアとして再利用出来ないかな?
って考えています。
取れた錆は磁石を使って出来るだけ排除すれば良いし、レジャーシート外に出た
重曹は雨で流れてしまうので問題無いかな?

そして放熱塗料での塗装も実験予定。
購入予定の放熱塗料はこれ!
GUN-KOTO」です。

gunkoto.jpg

塗膜が強靭で放熱性はアルミよりも高いとのこと。
ブラストと、このガンコートで空冷シリンダーでも今まで以上のハイチューニングに
対応する冷却を実現できます。

これをミニトレシリンダーに試してみたいと思っているのですが、
コンプレッサーの故障で作業が遅れているんですよね。
待って頂けるでしょうか?

後半へ続く
GT50ミニトレは1972年に発売された空冷の原付バイクです。
50年近く前のバイクってパワーもイマイチで速くないイメージがあると思います。
実際にスペックを観ても大したことは無い。

GT50スペック

8000rpmで5馬力、ピークトルクが7000rpmですから、ジャイロよりも高回転型にして無理やり
5馬力を絞り出していてトルクも小さく、パワーバンドも狭い。
カタログ上はこんな感じです。

ところが、そんな印象は腰上を診て全く変わりました。

P_20191214_151410.jpg

排気ポートが1、掃気ポートが5の6ポートです。
90年代の原付シリンダーは6ポートって当たり前でしたが、70年代では
直径40mmのシリンダーを6ポートにするのは大変な技術だったはずです。

まず、この時代のシリンダーは材質が違います。
ポート加工をしたことがある人なら解るんですが、同じ鉄でも柔らかい。
その弊害は熱が上がったり下がったりすると出て来ます。
歪みが大きく成ったり、クラックが入ったりします。
GT50の場合、右側のポート間の支柱にクラックが入ります。

P_20191216_152548.jpg
1576478189815.jpg

上が今回入ってきたシリンダー、下は過去に補修で入ってきたミニトレシリンダーです。
GT50はこのクラックが原因でピストンリングがよく折れるんです。
クラックの入る確率ですが、かなり高いと思います。
今まで3回ほど入庫しましたが、全てのシリンダーにクラックが入っていました。
もちろん今回もクラックの段差を無くしてから補修しなければいけません。

でも、この6ポートはヤマハのやる気を感じさせます。

P_20191214_150354.jpg

そしてこれがGT50のピストンですが、12mmピンにロングニードルベアリングが
使われています。
ちなみに7.2馬力のライブディオZXでもロングニードルベアリングは必要無い。
ミニトレはGT80もありますが、クランクは50と別物です。
この時代はオイルの性能も今ほど良くなかったとはいえ、10馬力を意識しない限り
12mmピン&ロングニードルベアリングは不要と思われます。
ってことは、ヤマハはこのシリンダーで10馬力オーバーを狙っていた可能性がある
と私は考えています。

つまり、ポート加工次第ではとんでもないパワーが出るのでは?って考えていたのですが
今までGT50をポート加工する機会がありませんでした。(過去2回はコーティング補修)
ってことで、オーナーさんからの依頼は排気ポート加工と掃気ポート形状修正でしたが
意向は無視してフルポートとGUN-KOTEまでやってしまおう!って企画です。
実はここまでやることはオーナーさんは知りません。
ブログに書きますとだけ伝えたのでビックリするんじゃないかな?

ってことで、このシリンダーの長所と短所を理解して、当時ヤマハがやろうと
思っていたことを実行し、さらにチューニングします。

まず、排気ポートです。

P_20191216_161604.jpg
P_20191216_161545.jpg

この年代の排気ポートってかなり大きいんです。
ジャイロ用の68マロッシより大きいので、排気能力は十分なので広げる必要はありません。
弄らなくても問題ありませんが、今回はチャンバー用に形状を変更して
排気フランジ内部を拡大してよりスムーズなチャンバー効果が得られるようにします。

余談ですが、よくポート加工について「上から何mmなのですが」って言われるんです。
特に昔のシリンダーやボアの大きなシリンダーは二次圧縮が高く成らないよう
ピストンがシリンダー上部目一杯まで上がらないように成っています。
ですので、ポートの高さを計る時にはピストンが下死点の時にピストントップから
ポート上部までの長さを計ってください。

具体的に説明すると、純正のシリンダーではポート下限が下死点に成ります。

P_20191216_183143.jpg

これなら解るかな?
上のスペック表を見るとストロークが39.7mmです。
つまり、赤の長さが39.7mmの所が上死点に成ります。
排気ポートはこの半分の19.85mmより下に位置します。
19.85mmに近ければ高回転型、数値が小さければトルク型です。
掃気ポートは大体1/4の10mmぐらいに成るはずです。(1/4で9.925mm)

話しを戻しますね。
10馬力オーバーを目指して作られたのに何故5馬力しか出ないのか?
これは掃気ポートに問題がありました。

P_20191216_152548.jpg

もう一度、先ほどの掃気ポートの画像ですが、よく観てください。
ポート内部が出口より狭いのが分かりますか?
入り口と出口は広いのに途中が絞られてしまっているので
予想していた混合気量が入っていない。
途中の通路を広げてあげれば、もっと吸気量を増やせるはずです。

そして、吹き出しの角度が悪い。

GT50.png
P_20191219_154032.jpg

3Dで書ければ良いのですが、見づらくてすみません。
純正シリンダーは掃気が斜め上方向に吹き出していて、ピストン中央方向に向かって
の吹き出しに成っています。
これだとせっかくの燃焼前の混合気が大きな排気ポートから出て行きやすく成ります。
これをピストントップに吹き付けるように水平に出すようにして、
排気ポートから遠い位置に出るよう角度を変えてあげれば、新気の充満率が
良くなるはずです。

GT50改
P_20191219_154047.jpg

こんな感じです。
第二掃気ポートや背面のジェットポートも考え方は同じで、どうすれば新気を逃がさないで
充満させられるか?考えながら加工していきます。

そうそう!GT50はピストンリードバルブ方式です。
クランクケースリードバルブ方式のDIOやジャイロと少し違います。

P_20191219_161833.jpg

こんな作りに成ってます。
ジェットポートへの吸気が少なそうでしょ。
他のポートと同じで内部がくびれているんです。

加工後はこんな感じ。

P_20191219_162735.jpg
P_20191219_162925.jpg
P_20191219_163016.jpg

クラックが入った部分。

P_20191219_162950.jpg

写真はリューターで凹ませたところ。
この後、ペーパーで慣らしてからコーティングします。

これで18~20Φのキャブレターと高性能チャンバーで10馬力行けるはず?
ギア比の関係でトップスピードはNSR50に負けるかもしれませんが、
加速なら勝てるはず!

そんなの無理だと思ってるでしょう~
私のジャイロやシゲさんがK-3に持ち込んだジャイロXは素マロよりも全然速い。
ジャイロは素マロでも8馬力以上出ますからね。
50ccも高性能チャンバーとポート加工で10馬力は出ちゃうんです。

テーマ : カスタム
ジャンル : 車・バイク

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楽しみです!

2019年12月22日 23:40

お疲れ様です。
試行錯誤やっていただいてるようで楽しみ度が増しました!
いじり壊さないように大事にしたいと思います!

Re: 楽しみです!

2020年01月01日 17:33

篠田さん

実車合わせでないと、どうしても完璧にはできませんのでどこまでパワーが出るか?です。