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キャブレターの仕組みとエアクリBOX

2019年 05月14日 00:37 (火)

予定通りスリーターミーティング参加してきました!
前夜祭から参加して楽しい時間はアッと言う間に過ぎてしまいました。
そして今回は改めてジャイロチューニングの難しさを実感しました。

よく言われるのが「ジャイロは特別」ということです。
二輪スクーターをそこそこ速く出来ても、ジャイロを速くするのって難しいんです。
どのくらいのスキルが必要なのか?今回は直接old_kpさんに聞いてきました。
即答で「ss1/32mileでJOGをチューニングして3秒台前半。
3秒台中半だと話に成らない」とのことです。
つまり日本のトップレベルのチューニング技術じゃないとジャイロを速く出来ないってことです。
私のブログはよく難しいって言われますが、スキルを上げるにはもっと難しくしないと
ジャイロを速くすることは出来ないんじゃないかな?

今までジャイロに乗ったことが無い人も多いと思いますので少し説明しましょう。
ジャイロはホンダの3輪ビジネススクーターです。
スクーターとしては最遅!2馬力のチョイノリにも勝てません。
それが、簡単に改造申請して軽二輪ナンバーまで取れてしまいます。
2st原付スクーターで唯一、高速道路をノーヘルで走行可能なとんでもない車両です。
ところが、チューニングすればすぐに焼付くし、60km/h以上で巡航すれば
すぐに駆動系は熱ダレで走れなくなる。
そして車幅があるので車に煽られっぱなしです。
2輪スクーターのチューニングで少しばかり自信があっても
ジャイロをチューニングするのは難しい。
登山に例えると富士山とエベレストぐらい難しさが違うんです。

今回の私のジャイロの仕様ですが、いつもの75マロでは無く
68ccの普通のマロッシをチョイスしました。
75マロは過去2回のデータが有り完成度も高いのですが、使っている人が少ない。
そこで1500kmという長距離で多くが使っている68マロでデータを取りたかったのです。

今回のエンジンは以下を想定して部品チョイスを行いました。
・行きの250kmは新しい吸気システムを試す。
・スリミではss1/32mileで5秒を切るタイムで走りたい。
・帰りの走行では自動車専用道路と高速道路合わせて10時間は走行する。
・1500kmをノーメンテで走りきる。

つまりスタートダッシュが良くて、高速で巡航出来て、耐久性に優れたエンジンです。
レースで言うとゼロヨンと耐久レースを1台でこなすマシーンです。
それをジャイロでやるんですから大変です。
通常、ゼロヨンと耐久レースではギア比やバルブタイミング、パワー特性など全て違います。
しかも出先でエンジンの仕様を変えるのも限度があります。
そこで今回は駆動系はもちろん、エンジンにも手を加えず、吸気系の変更のみで
全てをこなすエンジンに仕上げました。

シリンダーはマロッシ68ccフルポート加工、マフラーはハイパーリバイブ、オイルポンプレス
シンコーメタルブレンドオイルを混合、フライプレート2枚175g+350g、2丁UPハイギア、
ステージⅤプーリー、DLCコーティングロングボス、KNセカンダリー、NCYトルクカム直線溝、
シンコーメタル柔センターSP、ステージ6クラッチ、ビッグカーボンリードバルブ、
ビッグキャブ用インテークマニーホールド改。
基本のベースはこんなもんかな?

それでは本題です。
本当は今回のロングツーリングの吸気について書きたいのですが、
初心者や中級者までの人には何をしているのか?理解出来ないと思うので
キャブレターの仕組みから説明しますね。

一般に説明されているキャブレターの仕組みはここでは割愛します。
この辺を観ていただければ良いでしょう。
キャブレター内を通る空気の流速でガソリンを吸い上げるといった説明が多いのですが、
純正の車両には必ずエアクリーナーBOXが装着されています。
BOXの中にはスポンジフィルターが入っていてエアクリは空気中のゴミや埃を除去するのが
目的と考えている人が多いのですが、それならパワフィルでも良いわけですよね。
このBOXはもう一つの役割りがあります。

吸気に使われる空気を大気圧よりも低い気圧に維持するという役割です。
キャブレター内のガソリンを吸い上げるには内部を通る空気の流速だけでは不十分なんです。
ガソリンは気体より重い液体ですから、吸い上げ式のキャブレターは大気圧とエアクリBOXの
気圧差を同時に利用しないと高回転域でのガソリンの濃さを保ちづらく成るんです。

キャブ&エアクリ

下手くそな絵で済みません。
キャブレターのフロート室内の空気()の圧力は大気圧と同じです。
オーバーフロー用のニップルが着いているので圧力は常に大気圧とイコールの状態です。
それと比べてエアクリ内の空気()は常にクランクケース方向からの負圧で
大気圧よりも低い気圧に成っています。
この2つの気圧差でガソリンを吸い上げやすくするのがエアクリBOXのもう一つの役割りです。

ボアアップしてエアクリの吸気パイプを増やしたりしますよね。
増やし過ぎると負圧が足りなくなってガソリンを吸い上げる力が弱くなってしまう。
高回転で焼き付き易く成りそうですね。
また、小さすぎると空気の量が足りなく成ってしまう。
きっと高回転は伸びないんじゃない?って想像出来ますよね。

次にエアクリBOXの大きさ(質量)はどうでしょう?
大きいと負圧に成るレスポンスが悪く成るが、安定した負圧が得られます。
小さいとレスポンスよくエンジン回転に応じた負圧に成りますが、負圧が不安定に成り易い。

このエアクリBOXの大きさと吸気口の大きさをベストな状態にすることで低回転から
高回転まで綺麗に回るエンジンに成るし、燃費も良く成るんです。
去年、タクトZXさんと行ったツーリングでは75マロ&PE24という組み合わせで
40km/Lという燃費を記録しました。
ジャイロの主要諸元を見ると30km/h定速走行時で44.6km/Lと成っていますから
仕様を考えると驚異的な燃費です。
エアクリBOXを最適化することで吹き返しなどの無駄な燃料が減ったのでは?

キャブレターの仕組みを考えるとエアクリBOXは重要な役割を果たしています。
パワフィルやファンネル仕様と比べて、エアクリBOXを使った方が燃費が良く成るし
高速域や定速走行時の安定性も良い。
そして峠道などの気圧差にも強いんです。
ですので、今回の長距離ツーリングではエアクリのデータ取りや検証を行ったのですが、
長く成ったので次回に書きたいと思います。

テーマ : バイクの修理・整備
ジャンル : 車・バイク

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No title

2019年05月14日 03:00

おかえりなさい
また一つ高見に登られたようで羨ましい限りですw
もどきPWK24のセッティングはやる事が多くて面白いですw
エアーフィルターの負圧があってこその流速 勉強になります。今年こそそちらまで走りたいと思っています。

No title

2019年05月15日 12:46

スリミ参加、お疲れ様でした。

ハミングは68マロ組んで1000キロの慣らしも終えて、親父様のアドバイスも頂きながら更なる韋駄天になりつつありますが、重量級で抵抗の大きなジャイロで高速道路の巡航等々、凄い!
パワー、耐久性、燃費、安全性等々、様々な課題をクリアしバランスさせないと出来ないことですね。

実証に基づいたアドバイス、いつも有り難うございます。







2019年05月16日 23:29

40km/L記録時の巡航回転数はどのくらいだったのでしょうか?読者さんにはフルポートシリンダーやオイルポンプレスは難しいでしょう。以前に試していたPE20.PWKタイプ24.の続編を期待していたのですがどうなりましたか?

2019年05月17日 09:26

過去の記事で流速が上がれば番手は小さくなると書いてあったのを覚えています。http://blog.livedoor.jp/linescope/archives/51312235.htmlこの方は流速が上がれば番手は上げるとあります。どちらですか?

燃費

2019年05月17日 19:43

ジャイロでリッター40kmは凄いですね。
自分はディオでリッター28で目標は30でしたがこれを見たら目標はリッター50kmなりました。

Re: No title

2019年05月18日 00:18

じゅんさん

ただいまです~
PWKタイプは面白いですか!
楽しみながら愛車を弄るとストレスも無くなりますからね。

キャブレターですが、流速(負圧)と気圧差は別に考えてみてください。


ハミングZXさん

慣らし終わりましたか~
これからが本番です。
ヨシムラのMJNは4st用のキャブレターなのでMJNをどう加工して2stのエンジン特性に合わせるか?
楽しみにしています。


774レーシングさん

平地での巡航テストでは無いので回転数は一定ではありません。
一般国道中心で峠の登り下り、信号での停止、ペースの速いバイパス有りの複合コースで
一般の自動車と同じペースで走行したデータです。

フルポートシリンダーは販売していますし、ポンプレスは駆動系をメンテ出来る程度の技術があれば問題ありませんから難しくは無いでしょう。

スリミの吸気系の記事ですよね?
今書いているのが続編ですよ。

他の方が書いているブログのことは判りません。
でも、このブログを書いているキューピーさんはジャイロエキスパートの一人です。
「流速が上がれば番手は上げる」なんて書いていないと思いますよ。
よく読んでみてください。


けんさん

ディオで燃費を良くするのは思ったよりも難しいですよ。
頑張ってください。
私の場合、吸気系の他に駆動系、ギア、タイヤ・ホイールからシリンダーのポートタイミングまで
全てを見直してロスを減らし、パワーを効率よく使うためのチューニングを行った結果です。