FC2ブログ

02月 « 2021年03月 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31  » 04月

ノーメンテ松山キャノピー

2019年 02月26日 04:37 (火)

F1のマシーンテストが始まりました。
毎年これが始まると、春に成った気がしますw
ホンダはトロロッソに加えてレッドブルにもエンジン供給するので今年が正念場でしょう。
テストでは調子が良いみたいですが・・・・・
「エンジンレギュレーションのグレーゾーン廃止を望む」なんて言っているようでは
まだまだメルセデスやフェラーリには追い付いていないのでは?って思ってます。

というのも、このグレーゾーンとはパワーを得るためにオイルを燃焼させることなのです。
これって2stバイクの技術で過去にホンダが世界中で一番だったはずですよね。
2st開発を20世紀でスッパリ止めてしまったことが原因です。
最先端の技術も15年経てば通用しないのが今の時代です。

以前、オイルポンプの引きしろ拡大のことを少し書きましたが、ブログで詳細を
書いて欲しいとの要望がありました。
私も出来れば詳しく書きたいところですが、車種や年式によってオイルポンプの構造が
異なり、引きしろ拡大が出来ないポンプもあるので書きませんでした。

今回ジャイロXの中期エンジンのオイルポンプがOHで入ってきたので少し取り上げます。
中期のオイルポンプの特徴はオイルシール装着部に脱落防止の蓋が着いたことです。
前期のオイルポンプはこの蓋が無く、オイルシールが脱落してクランクケースが
オイルまみれに成ることが多発したんです。
そこで蓋が着くように成って、後期では蓋の代わりに脱落防止のCリングが装着されています。

そして、前期・中期と後期では互換性が無いんです。
ポンプ装着部の径が違うんです。
形も違います。

オイルポンプには噴出量を調整するための合わせマークが入っています。
今回の中期ポンプは凄く分かりづらいので写真で説明しますね。

SnapShot.jpg

この+ネジの所にある印とレバーの印が直線に成るようにするとオイルが最大に
成るように出来ています。
ですので、アクセル全開にした時にこの位置に引けるようポンプワイヤーを
調節する訳ですが、実際は見えづらい。

そしてレバーの可動域が大きいので間違った調整に成り易いんです。
レバーの可動域ですが、このぐらいあります。

[広告]


こんなに引きしろは大きいんです。
じゃ~合わせマークより少し大きめに引くようにすればオイルが多く出るのでは?
って思うでしょ。
でも実際は違うんですよ。
大きく引くほどオイルの出る量は減ってしまいます。
それは内部の構造によるものです。

オイルポンプの可動部はカムに繋がっていて、そのカムでオイルの出る量を
調整しています。

SnapShot1.jpg

この中期ポンプの場合は、合わせマークの位置でカムが平面に成るように出来ています。
それでは実際に大きく引いた場合はどうなるのか?観てみましょう。

[広告]


観て解る通り、ワイヤを引き過ぎるとカムで内部を押してしまいオイルが出る量が
減ってしまいます。
引きしろを拡大するには、このカムを削るわけですが、カムの強度を考えると
これ以上削るわけにはいかない。
つまり、中期は多少の増量加工は出来ても、引きしろ拡大は出来ないんです。

このカムの形状などが年式や車種で異なりますので、車種と年式を調べてから
相談してくださいね。
そして、取り付け時にはエア抜きを忘れないように。

それでは本題です。
私の専門はエンジンのレストアです。
今流行の素人レストアで不動車を動くようにするのでは無く、新車同様のパワーが
出せるようにするのが目的ですが、ジャイロのエンジンは本当に難しいんです。
もちろん良いエンジンもありますが、傷んでいるエンジンも多い。

特に普通の原付の約2倍車重のあるジャイロキャノピーのエンジンは
ピザの配達で若い人にブン回されて、格安整備会社でいい加減な整備がされている
車両も少なくない。
今回、紹介するキャノピーもそんな車両の一つだと思います。

そのキャノピーが入庫してきたのは去年の10月。
3年ほど前に中古で購入した後期のキャノピーで、それまでノーメンテで乗っていて
スピードが出なくなってきたということでの入庫です。
最初はエンジン音を聞いただけでマフラー詰まりが判り、試乗してみると
パワーは無くクランクも振れているようでした。
人間で言うと、寝たきり状態の老人って感じです。

オーナーさんの予算が少ないとのことでしたので、3か月づつ3回に分けて
OHすることを提案して了承して頂きました。
まず1回目のOHはとりあえず走るようにするために吸気・排気・腰上でした。
崩れる一歩手前のエアクリスポンジを交換、キャブレターOH、ピストンリング交換に
プラグ交換、KN触媒有りマフラーって感じですね。

これで取りあえず寝たきりから日常生活が送れる程度の状態にしたのですが
状態から次は3か月後では状態を維持するのが難しいと考え
「出来れば2カ月後に来てほしい」とお願いして車両をお返ししました。
ところが、2か月どころか3か月経っても連絡無し。
4か月目にやっと「スピードが出なくなった」との連絡が入って入庫しました。

アイドリング音は良い感じでしたので前回のレストアが
上手く機能していることが判ります。
これでスピードが出なくなったってことはヤバい状態ってことですね。
早速、駆動系を開けてみました。

P_20190214_110405.jpg

中はベルト粕とオイルで、てんこ盛りです。
そしてファイナルシャフトのオイルシールが外れているのが判りますか?
ギアケースの中は圧力が溜まる所では無いので
通常は外れるオイルシールではありません。

P_20190214_112936.jpg

ギアオイルを抜いてみると40ccあるかどうかのドロドロ状態のオイルしか無い。
ジャイロのギアオイルは400cc入っているのが普通の状態ですからね。
ギアケースの中は素人さんでも想像つくのでは?
ケースのギアシャフトの受け部は摩耗が激しく、ギアは減って尖っています。
ベアリングは回らない箇所もありました。
これをレストアするにはケースとギアを交換しなければ良い状態には成りません。
そして、3回目の入庫では腰下OHと共にクランク交換をする予定でしたので
内容的には主要部を全部交換しないといけません。
つまりこのエンジンは終了です。
ここまでやるなら中古エンジンをレストアして載せ替えた方が安上がりです。

オーナーさんは通勤に使用しているとのことでしたのでギアボックス内の
全てのベアリングを交換してOHしました。
ジャイロは通常、デフ両サイドのベアリングは殆ど傷まないので交換しないんです。
ハイギアを入れる時でも交換しないこともあるぐらいですからね。
そしてファイナルシャフトのベアリングも駄目でした。
駆動系はKOSOプーリーにWR,新品の純正ベルトぐらいです。

話しを聞くとアクセル全開で走っていたようです。
せっかく日常生活が送れるレベルまで成った老人を全速力で走らせて
意識不明の重体にしてしまったわけですね。

前に戻って、何故ファイナルシャフトのオイルシールが外れたか?です。
これはすり抜け時に歩道の縁石にタイヤを擦ったりヒットしたりしたのが原因です。
2輪の原付ではありえないことなのですが、3輪のジャイロで同じことをすると
ギアボックスが傷みます。
特にミニカー登録で幅を広げていますから縁石にぶつけやすいんですよ。
コツンと当てた程度でも、てこの原理で掛かる力は何倍にも成ります。
毎日の積み重ねでオイルシールが外れるのは当たり前です。
そしてオイルシールが外れるほどの衝撃ですからギア部は終了してます。

そうそう!中古のジャイロを購入する時に一番に診るのがリアタイヤです。
サイドがすり減っていたり、ホイールが縁石に擦って凸凹の車両は
ギアケースが歪んでいる可能性が高いです。
ホイールの色を塗り直してある車両も怪しいですよね。

今回は何とか通勤できる程度にはしましたが、乗れても1~1年半でしょう。
ギア鳴りも酷いし、腰下も不安がありますからね。
キャノピーはノーメンテで何年も乗れる車両じゃありません。
少なくても1年に1度ぐらいは診てあげないといけません。

話しは逆上ってしまいますが、マフラーが詰まり易いオイルがあります。
ホンダ純正のオイルで「GR2」ってやつです。
2種類あるホンダのオイルで高い方なのですが、性能は変わらないのですが
燃焼温度が高いんです。
街乗りではオイルの燃焼温度に達せずに排出されるのでマフラーが詰まるんですね。

テーマ : バイクの修理・整備
ジャンル : 車・バイク

コメントの投稿

非公開コメント

2019年04月17日 08:56

大変ご無沙汰しております。
ブログの方は時々拝見しております。
先月までバタバタでして、今月からやっと落ち着きました。
今朝は今年初めてディオで通勤しようと思い、エンジンだけかかるのを確認したのですが、エアフィルターの詰まりか、全く走らず、急遽車に乗り換えて仕事に向かいました。
帰ってからキャブのOHとフィルターの掃除を行おうと思います。
やはり、動く前にしっかり点検、確認しないとダメですね。
今年もこの相棒を大事にしてまいります。

Re: タイトルなし

2019年04月19日 01:30

ウルトラマンボーイさん

旧車は、ちょっとメンテを怠るとヘソを曲げますからね~
大事に乗ってあげてください。