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ライブディオZXエンジンチューニング

2018年 12月17日 23:49 (月)

お待たせしました。
欠品に成っていたマロッシデジタルメーターとピストンリング入荷しました。

このピストンリングについて少し書きますね。
マロッシのボアアップシリンダーとピストンは大きく分けて6種類あります。
知っているとは思いますがシリンダーは下部にピストンはトップ部に刻印があります。
1/100mm単位で0、A、B、C、D、Eの6種類です。(00やAAのぞろ目は除く)
ところが、ピストンリングは1種類だけしか販売されていません。(オーバーサイズを除く)

つまり汎用品なんですね。
リングを装着する時にはギャップ調整をしてあげた方が焼き付きづらく成ります。
もちろん、調整しないで取り付けてもそれなりに走ります。
前に焼き付きテストを行ったマロッシシリンダーは全て0刻印の物でした。
テストから0刻印のマロッシに未調整のリングを装着した場合
ヘッド温度200℃を超えた程度で焼付きます。
2stオイルの性能にもよりますが、リングギャップを調整した場合は
220℃でも焼付きませんでした。

マロッシシリンダーのピストンクリアランスは純正よりも大きく設計されています。
だから、本来なら焼き付きづらいはずなんです。
でも、みんな簡単に焼付かせてしまいます。
この焼き付きの原因の一つがリングギャップが狭いからです。
ピストンが膨張して焼付く前に、リングが膨張してクリアランスが無くなる方が早い場合が多い。

ということで、マロッシのピストンリングのギャップ調整の方法を書きますね。
上記で説明した通り、0からEまでピストンとシリンダーの組み合わせが有る中で
CとDあたりは、まず調整無しでも焼けません。
ということは、CとD辺りが丁度良いギャップなんです。
きっとEなら気持ちギャップが大きいのでは?って思っています。

0刻印とD刻印ではシリンダーの内径は4/100mm違います。
内周の違いは0.04×3.14=0.125mm
つまり、0刻印のシリンダーにピストンリングを入れる時には0.1~0.12mmほど
ギャップを広げてから組めば良いってことです。
簡単でしょ?

では実際にやってみましょう。

P_20181215_192339.jpg

シリンダーにリングだけを挿入して壁面に垂直に成るようにします。
リングを後ろ側からピストンで押してあげれば垂直に成りますね。
そしてシックネスゲージで隙間を計測します。

P_20181215_192406.jpg

今回の0刻印シリンダーでの隙間は0.18mmでした。
これを0.3mmのギャップに成るようにダイヤモンドヤスリで削ってあげればOK。

P_20181215_194950.jpg

上下2本とも調整してくださいね。
それでは本題です。
前回はライブディオZXエンジンのSP仕様として紹介しましたが、
今回は2~3年ほど前に販売したSPエンジンのオーナーさんより
写真が届きましたので紹介したいと思います。

オーナーさんは鹿児島の「ハミングZXさん」です。
ZXエンジンの欠点であるインマニの長さを出来るだけ短くするために
A-TOPの台座にヨシムラのマニーホールドを組み合わせたそうです。

IMG00714.jpg
IMG00718.jpg

これだけ短いとかなりレスポンスが良く成ると思います。
ただし、キャブの取り付けが斜めに成るので普通のキャブレターは着きません。
そこで合わせたキャブがこれです。

IMG00721.jpg

ヨシムラのダウンドラフトキャブレターです。
本体は斜めに取り付けてもフロート室は地面に対して水平を保てます。
横型エンジンの為に開発されたキャブレターです。

ヨシムラと言えば、鈴鹿の4耐、8耐には必ず出てくる中大型のバイクチューニングを
イメージしていましたが、最近はモンキーをはじめとする原付バイク向けの
チューニングパーツも販売しています。
私もヨシムラのキャブレターは使ったことが無いので、一度試してみたいですね。

記事前半でマロッシのリングギャップ調整を写真で紹介しましたが、
実はこの車両に載せる新しいシリンダーです。
今まではデイトナのボアアップキットが載っていましたが、吸気系のチューニングを行ったので
腰上もステップアップをお勧めしました。

そして、シンコーメタルの高圧縮ヘッドと組み合わせるそうです。
最近は高圧縮ヘッドやロングクランクを導入して高圧縮に挑戦する人が増えてきました。
ところが調整が難しく下手をするとクランク終了なんて事態も有りえます。
高圧縮ヘッドだから何処までも大丈夫って訳では無いんです。
そこで、高圧縮ヘッドを使っての腰上の組み方です。

まず、卓上でピストンの上にシリンダーヘッドを載せます。
この時に実際に装着した時と同じ位置にピストンが来るようにしてください。
つまり4本のボルト穴の中央に正確に載せることです。
次にプラグ装着の穴からピストントップまでの長さをノギスを使って計測します。

この数字プラス0.8~1.0mmが圧縮の限界値に成ります。
エンジンを掛けてクランクを実働すると計測値より0.5mmほどピストンはせり上がります。
これはクランクベアリング、ビッグエンド、スモールエンドの各ベアリングに遊びが有るためです。
ベアリングが傷んでくると、このガタ(遊び)も大きく成ります。
ですので、この分も余裕を見てノギスで計った数値プラス0.8~1.0mmが限界値に成ります。
つまり、この限界値はエンジンを実働してピストンがシリンダーヘッドにぶつからない数値です。

(分かりづらいので後日写真をアップしますね。)

組み上げてノギスを入れる時には、フライホイールを回してピストンを上死点にしてくださいね。
この限界値に成るようにヘッドガスケットで調整して組み上げて圧縮圧力を計ります。
この時に12kg/㎠だったとすると、この状態で12kg/㎠以上の圧縮では組めません。
ガスケットを増やして圧縮を落とすことは出来ても上げることは出来ないんです。

じゃ~この腰上で13kg/㎠では組めないの?ってことですが、実は組めます。
シリンダーの二次圧縮は排気ポートが閉ってから始まります。
だから早く排気ポートが閉るようにすれば良い。
方法はシリンダーベースガスケットを薄い物に変えれば良いわけです。
私の場合、0.1mmのガスケットを2~3枚で組むこともあります。
47mmボアの場合、0.3mmポートが下がれば圧縮圧力は約1kg/㎠上がります。
この場合でも必ず計り直してピストンとヘッドのクリアランスが限界値に成るようくださいね。

なお、ポートを下げるとエンジン特性はトルク型に成ります。
ハイギア車両には有効ですが、ノーマルギアなら下げない方が良いかも知れません。
ポートが開閉するクランク角がチューニングの際には重要になるわけですが、
これについてはそのうちブログでやりましょう。

そしてロングクランク仕様の場合、他にも注意する点があります。
エンジン実働時にピストンリングがシリンダー側面を超えないようにすること。
ピストンが上死点の時に第一リングがシリンダー上部より0.8~1mm余裕が出来るように
ベースガスケットを調整しなくてはいけません。
これを確認してから組み付けないと、走行中にエンジンが急停止。
リングが折れるだけでは無く、クランクも終了します。

寒くなってきたので、記事の内容も中・上級者向けに移行しています。
初心者には少し難しいかも知れませんね。

テーマ : カスタム
ジャンル : 車・バイク

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No title

2018年12月18日 10:28

御指導、ありがとうございます。
これまでも、親父様が記事で教えて下さった様々なことを実践する毎に、効果を実感しながらスキルアップさせて頂きました。 
今回は、記事で度々書かれている横ディオの吸気経路の問題に取り組んでみましたところ、現シリンダーでも効果は絶大で凄いことになっています。 
私的には、充分過ぎるくらい大満足な走りなのですが、このスペシャルエンジンは「もっと活かし切ってよ!」と誘ってきます。触れば触るほど、ポテンシャルの高さを感じてしまいます。悪魔です。でも、マロッシシリンダーで更にどうなるのか、とても楽しみです。アドバイスを心掛けて、丁寧に組みます。 

Re: No title

2018年12月18日 14:13

ハミングZXさん、こんにちは。

マロッシシリンダー届いた頃だと思います。
ポート加工していないマロッシは今のシリンダーと同程度じゃないかな?って思っています。
レポート送ってくださいね。

ZXは高速走れないのが残念です。
ポテンシャルを発揮するには一般道じゃ難しいですからね。