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ライブディオZXエンジンのOHとチューニングpart2

2018年 09月14日 19:27 (金)

前回、ZXのオーバーホール時にクランクシャフトが駆動系だけ長く
振動対策で紙ガスケットでは無くゴムガスケットを使用していることを書きました。
他車種との比較をしないと見えてこない部分です。
ジャイロエンジンも他車種と比較することで見えて来る特徴があります。
それはケースを留めるアルミボルトの数が多いことです。

通常、ケースボルトは5~6本平均ですが、ジャイロはエアクリやエンジンカバーのステーなど
共締めするボルトを入れると12~13本も使われています。
以前、ブログでも書きましたが、ジャイロのLカバーは左のファイナルシャフトの受けにも
使われているので他のエンジンよりもボルトの本数が多いんです。

そして、もう一つの理由がエンジンの強度不足を補うためです。
3輪のジャイロは路面からの振動も他車種の2倍に成ります。
エンジンは125ccと同等の肉厚が必要なはずです。
ところが、それでなくても車重のあるジャイロですから車重を少しでも減らす為に
エンジンケースの肉厚を削ってある。

ケースボルトを増やすことで最低限の強度を保つことが出来ているですが、
道路わきの縁石にホイールやタイヤをヒットするとアルミのエンジンは簡単に割れてしまいます。
エンジンが無事に見えても、ギアボックスが歪んでダメージがあるエンジンも多いんです。
車両を購入する時はその辺りのチャックが必要です。
エンジンカバーが割れていたり、ホイールにガリ傷がある車両は駄目ですね。
ジャイロはエンジンの為にも、すり抜け禁止ですよ。

ギアケースが歪んだエンジンはギア鳴りします。
そのギア鳴りは速度を上げていくほど音が大きく成ります。
残念ながらこれを直す方法はありません。
私の所で唯一、保障対象外なのがギア鳴りなんです。

実は今、私の車両に載っているエンジンがギアボックスが歪んでギア鳴りしている物です。
販売用として購入したエンジンですが、オーバーホール中に歪みに気が付いて
販売しなかった物です。
テスト用として使ってきて、どうにか歪みを修正できないか?ギア鳴りを押さえられないか?
時間とお金を使って約2年試行錯誤してみましたが駄目なようです。
たぶん今回の焼き付きテストが終われば廃棄でしょう。
皆さんには廃棄前にギアがどんな状態に成っているか?ブログでお見せしますね。

え~駆動系のメンテナンスですが、社外のハイスピードプーリーと大径プーリーでは
メンテナンスの方法が違います。
社外のハイスピードプーリーはWRに専用のグリスを塗ります。
大径プーリーは少しでもベルトに油分が着くとベルトが滑って最後まで変速出来ません。
ですので、競技等を除くとグリスは使用しません。
これが一番の違いに成ります。

まずWRにグリスを塗るタイプのプーリーですが、プーリーの遠心力で
グリスは跳んでしまいます。
走り方にもよりますが、大体100kmも走るとグリスは無い状態です。
グリスが切れるとどうなるのか?
WRは転がらずに滑って移動するように成ります。

P_20180911_002504.jpg

これはブログ後半のZXに着いていたキタコのハイスピードプーリーです。
WRはこんな感じ。

P_20180911_002547.jpg

グリスが切れて滑って移動しているWRは、このように片減りします。
これが普通の状態です。
滑って移動するためにWRの重量も重くないと変速出来ません。
このエンジンには9g×6=54gが入っていました。

WRが転がって移動する良い状態を保つには100kmごとにグリスアップする必要があります。
そんな頻度で駆動系のメンテナンスが出来ない人はグリスを塗らずに組み付けることです。
そうすればメンテナンスは300~500kmに一度で大丈夫です。
ただし、WRは片減りしていますのでWRを新品にしてください。
材質の硬いWRを使うほど減りが遅くメンテナンス期間は長く成ります。

次に大径プーリーですが、グリスの代わりに乾性モリブデンを使用してあります。
軽いのでプーリーの遠心力でも、なかなか飛ばないのです。

P_20180914_001453.jpg

これは私のメインエンジンのプーリーで約200km走行した物です。
モリブデンの皮膜が残っているのが判ります。
それでもメンテナンスは500kmに一度がベストです。
モリブデンの皮膜は残っていても、ベルトカスが入り込んでWRに付着して
変速しづらく成ってくるからです。
次回はこのベルトカスを除去して転がりを良くするメンテナンスを書きますね。

それでは本題です。
前回はギアケースを開けたところまででしたね。
オイルは完全に腐ってましたが、ギアは思ったよりいい状態でした。
全てのベアリングとオイルシールを交換してOKですね。

腰下もクランクを芯出し&ネジ山再生して組み付けました。
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針の振れは4~5/100mmぐらいですね。
10000rpmまでなら問題無い精度です。

腰上はボアアップの予定もあるとのことなのでファインポートのみです。

P_20180907_151413.jpg
P_20180908_220558.jpg

ファインポートはカーボン落としだけですが、腰下OHのエンジンはサービスです。
ただ、シリンダーベースガスケットやピストンリングなど消耗品は別途部品代が掛かります。

次はオイルポンプ。
でも、今回はポンプレスをお勧めしたのでOHして、いつでも使えるようにしました。
オイルポンプの取付け穴は専用の栓をします。

P_20180910_163536.jpg

通常は上部にボルト&ナットで高さ調整するのですが、私のジャイロに着いていた
ミラーアダプタを着けたらピッタリでした。

P_20180910_164035.jpg

純正の浮き止めステーがピッタリ当たってるでしょう。
この押さえが無いと一時圧縮が漏れてシリンダーが焼きついてしまいます。

さて次は駆動系、今回はやんちゃプーリーを入れます。
ZXの場合、ケース加工は要りませんが

P_20180910_150527.jpg

最大変速時にセルギア本体にベルトが接触します。
なのでセルギア本体を少し研磨します。

P_20180910_150540.jpg

ドライブベルトはまだ新しいので再利用。
セカンダーリーをチェックすると、トルクカムはオイルシールを交換すれば使える。
でも、セカンダリーフェイスはピン穴の状態がイマイチ。
何とか使える状態ですが、長期間の使用には無理がありそうでしたので
オーナーさんと相談してKN補修用を使うことにしました。

P_20180908_131323.jpg

左がKN、右が純正です。
純正の方が少し立ち溝ですね。
さて、どちらを使おうか?
とりあえず組んでベルトの落ち込みを確認してみることにしました。

P_20180908_130912.jpg
P_20180908_131149.jpg

上がKN、下が純正のトルクカムです。
微妙ですが、純正の方が僅かに落とし込めていますね。
次にクラッチの取付け部を比べてみました。

P_20180908_130944.jpg
P_20180908_131225.jpg
これも上がKN、下が純正トルクカムです。
ちょっと写真を撮る角度がかわってしまいましたが、純正の方が
大きく開いているのが判ると思います。

トルクカムの溝は削り過ぎると強度が下がります。
今回は立ち溝で削る量も少なくて済む純正トルクカムを加工することにしました。
加工が終わったらオイルシールのみ新品に交換します。
KNさんでセット販売している純正セットに交換しました。

P_20180908_134155.jpg

センタースプリングですが、いつものようにクレアバネでも良かったのですが、
今回はシンコーメタルの柔バネをお勧めしました。
このバネ、私は4年ほど前から使わせて頂いていますが、市販の中では一番柔らかい。
フリクションロスを最大に軽減できます。
在庫が無くなったら再販するか分からないのでお客様にもお勧めしました。
クレアバネは何時でも購入出来ますからね。

後はプーリー側に0.5mmのシムを入れ、セカンダリーオフセットワッシャーセットを
入れて組み付けて完成です。

横ディオはメットインBOXがありますから、オイルボトルを持ち歩くのも楽です。
ただ、給油時にオイルを入れ忘れないようにしてくださいね。

テーマ : バイクの修理・整備
ジャンル : 車・バイク

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