FC2ブログ

11月 « 2018年12月 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31  » 01月

マロッシ焼き付きでの2stオイルテスト

2018年 07月15日 11:40 (日)

スクーターチューニングには大きく分けて2種類、駆動系チューニングと
エンジンチューニングがあります。
駆動系チューニングはギア比を変えたり、エンジンパワーを効率良くリアタイヤに伝えることが
目的ですが、エンジンチューニングはパワー自体を増やすことが目的です。

パワーを出す方法は?
これ、単純で簡単なのですが、分かっていない人が多いんです。

たとえば、皆さんは学校で掛け算の基本の九九を習ったと思います。
3×3=9 です。
この九九が全て覚えられても意味が分かっていなければ、その先に待っている割り算や
数学を勉強しても意味が無いんです。
3×3=9は(1+1+1)+(1+1+1)+(1+1+1)ですよね。
馬鹿みたいですが、これが九九の基本です。

話しを戻してパワーを出す方法ですが、「爆発の力を上げる」これだけです。
2stスクーターは単気筒エンジンですから、シリンダーの燃焼室内の爆発力を
上げればパワーアップします。

この爆発力を上げるために様々なパーツを購入して取り付ける訳ですが、
取付けるだけでは爆発力は上がりません。
一番簡単な方法は一度に出来るだけ多くの混合気を爆発させることです。
ターボやスーパーチャージャーは強制的に多くの混合気を燃焼室に入れる装置ですね。
これにより660ccの軽自動車が1000ccのファミリーカーよりパワーを出すことが出来ます。

つまり、ボアアップして燃焼室の質量を増やしても、混合気の量が増えていなければ
殆どパワーアップしません。
逆に50ccのままでも90ccと同じ量の混合気を燃焼室で爆発させれば、
90ccと同じパワーが出せます。

ポート加工も考え方は同じです。
出来るだけ吸排気の効率を良くするために加工しても混合気が多く入っていなければ
パワーアップしないんです。
ポートタイミングの変更はエンジン特性を変更するもので直接パワーアップするものでは
ありません。

エンジンチューニングでパワーを上げるには燃焼室の爆発力を上げる。
これを常に考えながらパーツ選びやセッティングを行えばパワーは上がり、
快適な走行が出来るように成ります。

秋に向けての私のジャイロの仕様変更ですが、上記で書いた
「50ccで90ccのパワーを出す!」です。
シリンダーは50ccの純正のままで加速から最高速まで原付二種スクーターに負けない
走りが出来るように仕上げます。

それでは本題です。
オイルは2stスクーターには欠かせないファクターの一部です。
そしてエンジンの性能が上がるにつれオイルの性能も良くしなければいけません。
近年のオイルですが、殆どのメーカーが2stオイルの開発を止めています。
そこで、4st用のオイル開発ですが、レースの最高峰のF1ではオイルを燃焼させて
パワーを出すことに力を入れています。
つまり、2stと同じ使い方がされているんです。

どのくらいオイルを燃やしているかと言うと、1レースで約4kgだそうです。
1レースで使う燃料は約200kg。
これは燃料の流量を一時間あたり100kgの制限されていることと、二時間レースに
時間制限されていることからです。
燃料200kgでオイルの燃焼が4kgなら比率は50:1。
つまり2stのレース車両と同じぐらいオイルを燃やしているんです。
そして、これによりパワーを出しているんですね~
私のジャイロのオイルにF1のオイルを使ってみたいですよ。

上記のことから表向きは2stオイル開発は終わっていても最先端では
行われていると私は考えています。
そこで、今回の実験を行うことにしたわけですが、残念ながら(当然)
F1用のオイルは入手出来ませんでした。
そこで、old_kpさんに相談したところシンコーメタルオイルのテスト許可と
新品のマロッシ3セットを提供して頂くことが出来たので今回のテストが実現しました。

実験の内容ですが、オイルの違いで焼付き方や温度が変わるのか?です。
まずは、駆動ベルトを取り外しました。
これなら走行しないで同じ条件で検証が出来るからです。

P_20180711_125814.jpg

そして今使っているオイルがエンジンに行かないようにオイルラインにメクラしました。

P_20180711_131134.jpg

そしてオイルと燃料ですが、オイルポンプをメクラしているので混合です。
実験に使うガソリンは多くないでしょうからペットボトルを使うことにしましょう。

P_20180711_130826.jpg

燃料ラインにメクラしてからペットボトルで給油出来るようにします。

P_20180711_132422.jpg

こんな感じです。
500ccのペットボトルに燃料とオイルを入れれば混合ガソリンを使えますね。

次に新品のマロッシですが、バリで傷が付かないように1000番のペーパーでバリ取りして
組み付けます。

P_20180711_143200.jpg

シリンダーヘッドは温度センサー内蔵の純正ヘッドです。
ガスケットはマロッシ付属の物を使ってポン付けです。
二次圧縮はポン付けですから10kg/㎠前後でしょう。

じゃ~混合燃料を作りましょう。
最初はカストロールのパワー1レーシングです。

[広告] VPS

50:1の混合ガソリンが出来ました。
これでキャブセッティングを薄くしてエンジン回転を上げれば焼付く!
な~んだ、意外と簡単じゃん。

次はアイドリングで1時間。
前のオイルを完全に無くすことと、テストのオイルをシリンダーや
ピストンに馴染ませるのが目的です。
そして、温度を早く上げるためにクーリングファンを取り外しました。

それでは実験開始です。

[広告] VPS

焼けねぇ~
動画は編集して180℃手前あたりからに短くしてあります。
温度は5分足らずで表示MAXの250℃を超えてしまいました。
エンジン回転数は焼き付き時にクランクが傷まないように6000~6500rpmで行いました。
実はエンジンが冷えてから再度繰り返して合計で3回行いましたが駄目。
これで解かったことは、ヘッド温度が上がってもピストンが冷えていれば焼付かない。
逆にヘッドは冷えてもピストンが冷やせなければ焼付くってことです。

翌日はクーリングファンを取り付けて再度実験します。
と、その前にこれを観てください。

P_20180712_114155.jpg

一晩置いた混合ガソリンが紅茶色に変わっています。
化学変化を起こしたのかは分かりませんが、このオイルは混合では
使わない方が良いかも知れません。
混合時はスッと溶けたので混合でも問題無いと思ったのですが・・・・・
色の違いは動画と写真を比較すれば判ると思います。

そして、クーリングファンを着けて、メインジェットを95番まで落としました。
ちなみに今の私のジャイロの仕様では夏場MJは142番です。
冬場は148番程度でしょうね。
これだけ大きなMJを入れて燃焼させてパワーを出しているんです。

結論を先に言うと実験の結果は失敗です。
今度はヘッド温度が180℃を超えません。
むきに成って10000rpmオーバーで回しましたが、温度は上がらず焼付きもせず
しまいには近所から苦情が来る始末。

走行しないで焼付かせることは難しいと判断して実走行で実験することにします。
いや~マロッシって簡単には焼付かないですね~
次回に続く。

テーマ : カスタム
ジャンル : 車・バイク

コメントの投稿

非公開コメント

貴重な実験ありがとうございます。

2018年07月15日 13:13

やんちゃ親父さま
初めて投稿します、さっくるです。いつも楽しく拝見させて頂いております。
無負荷状態ではピストン温度が焼きつくまで上がらないようですね。逆に、駆動系のフリクションの大小で、焼きつき温度が変化しそうな予感です。私もバンバン90で格闘していますが、太足のフリクションはエンジンに負担がかかっていそうです。親父さんの実験で、少なくとも走行状態と無負荷状態では焼きつき温度が異なることがわかりました。
今後の焼きつき理論の解明に興味津々です!

2018年07月15日 21:30

50ccで90ccのパワーですか⁉️
とっても気になります。
完成したらエンジンのレストアしてください(__)

こんにちは

2018年07月16日 18:13

さっくるさん初めまして!

確かに無負荷だとフリクションが少なく簡単にエンジンが回ります。
実は10000rpmオーバーで回すのにアクセルは1/4で済んでしまうのでMJを小さくするより
SJを小さくすべきでした。
そうすれば、もう少し温度は上がったと思いますが、焼付かせるのは難しいかも知れません。


ナスティーさん

今の75マロは125cc程度のパワーが出ているので、50ccで90ccのパワーは問題無く出ると思います。
ただ、マロッシよりもポートタイミングが遅いので今のマフラーでは頭打ちが早い。
タイミングを早くすると二次圧縮が下がってしまうので、その辺りを考慮してエンジンを作れば
50ccでも高速を走れるようなチューニングも出来ますよ。