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ジャイロにマロッシを装着する前に

2018年 02月20日 02:50 (火)

「コジコジさん」のコメント欄への質問からでしょうか?
ここ数日、ジャイロに社外CDIを装着する質問が増えています。

ジャイロ用の社外CDIは発売されていません。
ですので、ディオ用の物を流用するのが一般的ですが、デメリットも多いんです。
まず、社外CDIは純正と比べて電圧が低いのでプラグの火花が弱く成ります。
その中でも比較的スパークが強いのはデイトナ製で、私の使っているZEROはかなり弱いです。

実際、ライブディオZXのエンジンを使っている二人にZEROのCDIを勧めたところ、
ウオタニ、プラグキャップ、コードの点火系を強化してある「福岡のAさん」は
「メチャクチャ効果がありました」と報告がありましたが、点火系がノーマルな
「松山のタクトZXさん」は効果無しということでデイトナのCDIに変えました。
もちろん、私のジャイロは点火系もチューニング済みです。

そして、最も注意しないといけないのが、ZXとはエンジン特性が違うということです。
ライブディオZXは回転でパワーを出していくタイプのエンジンです。
ですので、点火時期は上死点前14度が純正CDIの点火時期です。
これ、ホンダの2stスクーターの中では一番遅い点火タイミングです。
ちなみに、縦ディオの点火時期は上死点前17度です。

そしてジャイロの点火時期は上死点前18度(前期は20度?)です。
つまり、ライブディオ系と比べると4度早い点火時期です。
点火時期は純正の場合、遅いほど高回転型エンジン、
遅いほどトルク型エンジンに成っているってことです。

まあ、点火時期が早い車種のジャイロに、点火時期が一番遅いライブディオの
CDIを流用すること自体が無茶なんです。

ライブディオの社外CDIは基本的に純正より進角してあります。
たとえば、POSHのデジタルCDIはライブディオに取り付けると
マップ1は8度進角、マップ2は6度進角、マップ3は4度進角、マップ4は純正と同じ。
それぞれ22度、20度、18度、14度です。

これをジャイロに着けた場合、一番進角するマップ1は8度進角で26度に成ります。
二次圧縮7~8kg/㎠なら丁度良い点火時期ですが、高圧縮12kg/㎠なら
一つ間違えるとデトネーションを起こしてエンジンが終わってしまいます。

ちなみに私の今の二次圧縮9kg/㎠で点火時期は31度。
お客様には絶対に勧めることが出来ない危ない点火時期です。
普通のチューニングショップならテストもしないような点火時期。
エンジンを壊す覚悟が要ります。
でも、今回はSPシリンダーのテストですからね。
こんな点火時期だと高回転は一切回りません。

ちなみに去年のスリミは二次圧縮13kg/㎠で点火時期は23度でした。
これでもかなりデンジャラスです。
点火時期が早すぎるとデトネーション=異常燃焼が発生します。
イメージとしては手榴弾をシリンダー内で爆発させた感じ。
当然、焼き付きどころか、ケースにも穴が空いてエンジン終了です。

じゃ~ジャイロに最適な点火時期は?
以前、kpさんがブログに書いていましたね。
http://oldkp.jugem.jp/?day=20100206
これは排圧マフラーでの最適な点火時期です。
ポッシュのCDIがあれば二次圧縮10kg/㎠まで最適な点火時期が選択出来そうですね。
(ウオタニなど点火系の強化は行った方が良いです)
チャンバータイプのマフラーではチャンバー効果の効く少し前から遅角していく
CDIが必要に成ります。

それでは本題です。
前回はマロッシシリンダーの熱対策について書きました。
今回は実際にマロッシシリンダーを取り付けるために必要な作業や
用意する物などを説明したいと思います。

今までホンダのスクーターはヤマハと違って2stオイルの性能が低いと書いてきましたが、
オイルポンプにも大きな欠点があります。
ヤマハのオイルポンプはクランクケース内に専用のスペースがあり、
外的圧力に影響されませんが、ホンダのオイルポンプはクランクと同室内にあります。

オイルポンプはエンジンが始動している時は常に一次圧縮の圧力を受けています。
つまり、オイルポンプ内に圧縮された混合気が入る可能性があるんです。
ポンプには圧縮漏れを防ぐためにポンプシャフトにオイルシールが取り付けられていますが、
劣化してくると、混合気がポンプに入り込んで気泡としてオイルポンプのホースに入ります。

特にボアアップすると一次圧縮は純正時より高く成るのでポンプ内に入り易い。
するとクランクケースに送られるオイル量が減ってオイル切れで焼付くことが多いんです。
慣らし中に焼付くケースはこれが過半数を占めているのでは?

また、エンジン停止時にはオイルシールからオイルが漏れて
ケース内にオイルが溜まってしまいます。
オイルシールの寿命は3万km又は10年程度ですから、
ボアアップ時にはオイルポンプのオーバーホールが必至です。

オイルポンプはオイルシール以外にシャフトの減りにも注意が必要です。
シャフトが減っているとオイルシールが新品でもホースに気泡が入ってしまいます。
当店ではシャフトの摩耗状態によってはドライコーティングで補修しています。
もちろん、純正オイルでは性能不足ですので高性能2stオイルも用意しましょう。

よく問い合わせがあるポンプの増量ですが、オイルの性能不足を量で補うのは
お勧めしません。
私もやってみましたが、白煙が多く成るのとマフラーのサイレンサーが
すぐに駄目に成ります。排圧マフラーだと詰まってしまうのでは?
今は足りない分はタンクに入れてますね。

そして組み付け時に必要なのが二次圧縮の設定。
二次圧縮は高圧縮が最近の流行ですが、キャブレターやマフラーによって
限界が変わります。
純正キャブなら8kg/㎠、ディオキャブなら9kg/㎠、PE20なら11kg/㎠、そ
れ以上ならPE24って感じです。

二次圧縮は圧縮比とは違います。
必ず安いので構わないのでコンプレッションゲージを購入してください。
このコンプレッションゲージは結構個体差が大きいので、ボアアップする前に
純正の数値を計っておいて基準にすると良いでしょう。
ちなみに私の使っているコンプレッションゲージはノーマルシリンダーで8.5kg/㎠です。
ブログの数値はこれが基準に成っています。

後は組み付け前のシリンダーとピストンの処理ですが・・・・・
確かにバリ取りや面取りなどが必要な場所もあります。
でも、これはボアアップキットの性能自体が変わってしまうほど重要な作業なんです。
だから、素人はやらない方が速いエンジンに成る。
でも、耐久性が心配に成りますよね。

そこで、必要な処理を行って、最低限のパーツが入ったボアアップスタートキットを
発売しようと思っています。
内容はポン付け可能にしてあるマロッシシリンダーキットの他に
  • 二次圧縮調整用ヘッドガスケット(0.2mm/0.3mm/0.5mm/0.8mm)
  • 脱着が容易なG型ピストンピンクリップ(1個)
  • 純正スモールエンドベアリング
  • 強化クーリングファン
  • オイルポンプオイルシール(キャノピー中・後期、X・UP後期用)
この辺りを考えています。

キャノピー前期・X/UP前・中期のオイルシールも有りますが、年式が古いとシャフトも
減っていることが多いのでオーバーホールに出して頂いた方が良いですね。

問い合わせが多い素マロも購入可能ですが、ショッピングサイトにはアップしていません。
ちなみに、素マロは税込14,000円です。

次回はボアアップキットを組んでからのセッティングについてです。

テーマ : カスタム
ジャンル : 車・バイク

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