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腰下の点検

2018年 01月05日 21:15 (金)

正月も終わって受験生にとってはラストスパートの時期です。
チューニングは受験生が志望校を決めるのと似ています。
今の実力より少し良い学校を受験するには、
得意な教科を少し偏差値を上げれば合格出来ます。
でも、よりレベルの高い学校を受験し合格するには苦手な教科の
偏差値も上げないと受からないんです。

2stスクーターも同じで、少し速くするには、そのエンジンの良い所を伸ばす
チューニングを行えば良いが、より速い車両にするには欠点も
良くしていかないと駄目なんですね。

それには、現在の自分のマシーンの良い所と悪いところを把握していることが重要です。
もちろん、交換するパーツにもメリット・デメリットがあるので、
よく検討してから購入した方が良いと思います。
私のブログではパーツ交換でもメリットとデメリットを出来るだけ書くようにしていますが、
ブログ上で全て書くことはありませんから、無駄遣いしないよう相談してくださいね。

今は二輪パーツ専門店やネットでいろんな物が簡単に手に入ります。
でも、本当に良いパーツはその中の一部なんです。
中には装着すると遅く成る物や調子が悪く成る物も多くあります。
それは人間の心理を利用しています。

たとえば普段、買い物をする時に小型店舗より大型スーパーにお客は集まります。
カップラーメンのコーナーに行けば本当に多彩な物があるんです。
でも、全てが美味しい訳では無く、売れ筋のカップラーメンは一部です。
じゃ~美味しいラーメンだけ置いたらどうなるか?
品ぞろえの良い店舗にお客は移ってしまうんです。
不思議ですよね~
不味いラーメンも置かないと売れ筋商品も売れないんですよ。
「いろんな商品から選びたい」っていう人間の心理ですね。

そして、自分の車両に合ったパーツを選ぶことも重要です。
エンジン特性によって合うパーツ合わないパーツも有りますので
動作の仕組みを理解しておく必要があります。

それでは本題です。
今回は腰下の点検についてです。
クランクケースにはクランクシャフトが収められています。
どんな役割をするのか?というと腰上で作られた上下方向の運動エネルギーを
回転運動のエネルギーに変換するのが腰下部分です。

回転自体はクランクシャフトよりもセカンダリーのドライブシャフトの方が高いのに
ケース左右のベアリングはエンジンの中で最も強度がある物が使われています。
それだけ上下運動を回転運動に変換するのには負担が掛かるってことです。
この左右のベアリングとクランク自体に組まれている大腿部のニードルベアリング
そして、ピストンを装着する部分の小端部のニードルベアリングがどのくらい消耗しているか?
この4つのベアリングの消耗を見極めるのが今回の腰下点検です。

そしてもう一つ、クランクシャフトのネジレや歪みによる精度の低下も大事ですが
測定には専門の機具が必要に成りますので今回は省略します。

上記の4つのベアリングは2サイクルオイルによって潤滑が行われています。
ですので、ベアリングの消耗は主にこのオイルの油膜切れで進みます。
つまり、潤滑能力が高い高性能オイルなら油膜切れが起こらなければ
殆ど傷まないと言えます。
それでも急な衝撃や金属疲労もありますので、永久に使える訳ではありません。

寿命は原付ホンダ車の場合、5~10年、10000~20000km程度。
これはメーカーが廃車にする目安と同じです。
つまり、腰下の寿命が来たら買い換えてくださいってことですね。
オイル自体もこれを基準に性能が決められているってことです。
この基準はノーマル車両での数値ですから、チューニングはもちろん
社外CDIでオーバーレブさせて使うような場合、寿命は極端に短く成ります。

現在、私のジャイロは50ccのチューニング仕様に成っています。
ホンダ純正の2サイクルオイルを使ったとしたら、腰上は焼付かず軽快に走りますが
腰下は5000km持たないでクランクまで終わってしまうでしょう。
今のオイルはワコーズのV2Rの混合仕様ですが、50000kmぐらいは持つと思います。
つまり、車両のパワーに合った油膜切れを起こさない2サイクルオイルを使用すれば
10倍ぐらい寿命が延びてしまうんです。

さて、チェックの方法ですが、まずはクランク小端部。
腰上を外せば直接確認可能です。

P_20180113_204222.jpg

ベアリングとピストンピンを装着して⇒方向にガタが無いか確認します。
少しでもガタがあれば駄目!
ベアリングやピンだけでなく、装着部も摩耗している可能性が高く、
コンロッド交換が必要です。

続いて大腿部。

P_20180113_204249.jpg

これも小端部と同様に腰上を外せば確認が可能です。
写真では分かり易いよう外したクランクを使っています。

横の青の⇒方向は遊びがあるのでガタが多少あります。
赤い⇒方向にガタがあればアウト!
クランクピンとベアリング、コンロッドの交換が必要です。
ライブディオ系はアッセンブリー部品しか無いのでクランク交換ですね。
ジャイロは部品は有りますが、分解組立・芯出しの工賃を考えると
新品で台湾クランクを入れた方が安上がりです。

上記2つのベアリングはニードルベアリング。
装着部にガタが出てはいけない部分に使われています。

次に左右のベアリングですが、ベアリング内部のボールが減るとガタが増えます。
ニードルベアリングと違い、初めからある程度の遊び(ガタ)を設けてあります。
直接ベアリングの確認するには特殊な機具もしくは、ケースを割らないと
いけないのですが、オイルシールからの一時圧縮漏れで推測することが出来ます。
ガタが大きく成るとオイルシール中央部の穴が広がって
そこから一時圧縮が漏れるわけです。

駆動系側は一時圧縮が漏れるとプーリーのランププレート裏側に
漏れた混合気が噴出します。
プーリーはエンジンが掛かっている時は常に回転していますので、漏れた混合気は
遠心力で殆ど飛んでしまいます。
確認するには、ランププレートの裏をティッシュで拭きます。
少しでも汚れていたら一時圧縮漏れを疑います。
もちろん、組み付け時に綺麗にしておくことが判断の条件に成ります。
駆動系のセッティングで何度もLカバーを開ける時に確認すれば良いですね。

一次圧縮の漏れはオイルシールの劣化でも発生しますが、オイルシールが
劣化するぐらいの年月が経っていれば腰下はオーバーホール時期です。
ちなみに私のエンジンは何度もクランクを入れ替えていますが、
一度ケースを開ければベアリングは交換しますが、オイルシールは再利用しています。

問題は右側です。
フライホイールは特殊工具が無いと取り外しが出来ないので、
外せる方だけ確認が出来ます。
こちら側のオイルシールは少し奥に装着されているため、装着部出口付近に
漏れた一次圧縮のオイルが付着します。
そのオイルに冷却ファンから空気と一緒に入ってきた埃がオイルに着きます。
つまり、オイルシール装着部の手前に湿った埃が溜まっていれば一次圧縮が
漏れている可能性が高いわけです。

161117_233758.jpg

昔の記事の写真を見つけましたの張っておきます。
ちなみに私のエンジンの写真も載せておきますね。

P_20170617_110808.jpg

もちろん、クランクの精度が落ちて軸がブレている場合でもオイルシール中央部の
穴は広がり一次圧縮が漏れます。
クランクの精度は特殊な機具が無いと計れませんが、オイルポンプを外して
ポンプのギアに変摩耗があれば、かなりクランクの軸がブレていると判断可能です。

テーマ : バイクの修理・整備
ジャンル : 車・バイク

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