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ジャイロXのエンジン載せ替え

2017年 09月26日 03:59 (火)

涼しく成ったので質問のメールや電話が増えてきています。
日中は作業しているので電話には殆ど出られません。
電話の場合は、風呂に入ってご飯を食べた後がゆっくり話せます。
メールの返事で寝るのは深夜ですので、遅い時間でも大丈夫ですよ。

問い合わせが一番多いのはジャイロの駆動系。
ブログを読んでいるけど同じように成らないとのこと。
でも、聞いてみるとLカバーの中だけなんです。

エンジンで作られたパワーは回転運動に変えられて車体を前に進めます。
つまり、回転運動するパーツは殆ど駆動系ってことです。
(例外はフライホイールぐらいかな?)
ですので、ピストンピンに着いているスモールエンドベアリングからタイヤまで
全て駆動系ってことです。
駆動系のフリクションロスを低減化するにはクランクからタイヤまで
見直す必要があるわけです。

チューニング技術の向上で2個一エンジンを含めてジャイロで90km/hオーバーで
走れる車両は結構あります。
ところが、80km/hで巡航できる車両は僅かです。
それは駆動系のフリクションロスの差です。

ジャイロはギアボックス内が複雑で駆動輪が2つですからギアボックスとタイヤによる
フリクションロスが他の車種よりも大きい。
このフリクションロスをいかに低減するかがジャイロ駆動系チューニングの課題です。

たとえばold_kpさんのブログで高速走行した3台。
old_kpさんのXはモンキーホイール?キューピーさんのも同等の太さのタイヤです。
斉藤さんのスタイロだけ太いタイヤですが、私のジャイロXと同じホイールで
タイヤも銘柄は違いますが同じサイズなんです。

つまり、駆動系が熱ダレしないで高速を巡航出来るギリギリの太さが
私のジャイロに着いているサイズなんですよ。
それでもモンキーホイールよりフリクションロスが大きいので
それを少しでもカバーするためにギアボックス内に気を使っているんです。

エンジンチューニングでパワーが上がっても、プーリーやベルトは原付ですので
熱ダレしやすく成ります。
この熱ダレを押さえられないと高速巡航は難しいです。

そして、もう一つは燃費です。
高速は給油がサービスエリア(SA)しか行えません。
SAは約100kmごとに有りますので、5ℓタンクのジャイロXは最低20km/ℓ以上の
燃費じゃないと走れないんです。

つまり、パワー、駆動系のフリクションロス、燃費を備えた車両のみ高速巡航が可能です。
街乗りでタイヤを太くしている人は、高速巡航は難しいですが、他の工夫をすることで
熱ダレを最小限に抑えることは出来ると思います。
記事後半ではエンジンの載せ替えをやりますが、今回は余分な冷却はしていないんです。
クーリングファンは純正だし、Lカバーには冷却用の穴あけなどしていません。
これで行けるかどうかはまだ判りませんが、どうなるのか楽しみです。

それでは本題です。
フロントサスのブッシュが届くまで、重い腰を上げてエンジンを載せ替えることにしました。
今回は2stオイルも変えるのでオイルを抜くことにします。
丁度、メーターのオイルランプが点灯し始めた時です。

P_20170921_135651.jpg

200ccぐらい抜けるのかなぁ~って思っていたら500cc弱も残っていました。
結構、残りが有るのに点灯するんですね。

フロントはブッシュが入っていないので不安定な状態ですから余分に馬を掛けて
エンジンを降ろします。

P_20170921_132020.jpg

パーツをサクサク外して、ケーブル類・ホース類・配線を外します。

P_20170921_141632.jpg

汚いエンジンですね~
台風8号の後なのでシリンダーも錆びてます。

P_20170921_133607.jpg

このエンジンは春に関東まで走行した物で8000kmぐらい走っています。
状態は近いうちにチェックしましょう。

エンジンハンガーのボルトを緩めてエンジンを載せ替え、ケーブルやホースを繋いだら
2stオイルを入れてオイルポンプのエア抜きを行います。

P_20170921_155554.jpg
P_20170923_101414.jpg

このオイルですが、混合・分離兼用のオイルです。
分離専用のオイルに比べて粘度が高いのでオイルポンプを使用する場合は
オイルポンプの増量を行うか、ガソリンタンクにも少し入れてあげる必要があります。

ここで、今回の腰上についての詳細を書きますね。
ベースは新品のマロッシ68ccシリンダーです。
これをハイパワー、高圧縮でも焼けないように加工して、尚且つ初心者から
上級者までトラブル無く使えるようにというコンセプトで試作したシリンダーです。

マロッシのシリンダーは焼き付きを防止するため、純正シリンダーよりも
ピストンクリアランスが広めに取ってあります。
ピストンクリアランスとはピストンとシリンダーの隙間のことで
シリンダー内部の直径と、ピストンの外径の差です。
たとえばシリンダーが40.00mmでピストンが39.92mmならクリアランスは8/100mmです。
マロッシは丁度、このぐらいですね。

このクリアランスをピストンが高温に成って熱膨張しても抱きつかないように広げます。
今回はホーニングで3/100mmほど広げました。

ピストンはバリ取りを行い、ピストンピンの焼き付き防止加工。

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ピストンリングギャップも高温対応用に調整。

P_20170908_095006.jpg

シリンダー側は排気ポートを樽型加工。

P_20170908_174524.jpg
ポートの高さや幅を変更していないので排圧マフラーからチャンバーまで
幅広く対応します。
前回の75と同じ加工ですので全回転数でのトルクアップが見込めます。

そして掃気ポートは高さを揃えてフルポート加工。
吸気の角度を変更して、より多くの混合気を燃焼出来るように加工してあります。

P_20170908_174512.jpg

そして最後に広げたシリンダーとピストンにドライコーティングして
リング鳴りやピストンの首降りが最小限に成るようにしてあります。

この加工で排圧マフラーとの組み合わせで二次圧縮12kg/㎠、
チャンバー仕様なら10kg/㎠まで上げての運用が可能かと思われます。
この数値はシリンダーの焼き付き限界では無く、純正のスモールエンドベアリングの
破綻限界です。
マロッシの別売りスモールエンドベアリングも破綻限界は純正と大差無いと考えています。
ちなみにマロッシ付属のピストンピンは高性能2stオイルを使えば15kg/㎠程度まで
問題無く使用できます。

エンジンを載せ替え終えたら、丁度良いタイミングでフロントサスのブッシュが届きました。

P_20170923_091935.jpg

今回は耐摩耗プラスチックで作ったのですが、サススプリングを硬くすると
路面のゴツゴツ感がダイレクト過ぎるのでウレタンブッシュも追いかけで注文しました。
このサスペンションですが、ジャイロには最高ですね!
本来はリア用なのでスプリングレートが高いのですが、伸び側の減衰力が調整可能なので
ギャップで跳ねることも無く、タイヤを路面に押し付けます。
フルブレーキングでも必要以上にサスが伸びないので安定して、ブレーキロックしても
ドライ路面ならコケルことは無いですね。
走行中に手放ししても安定していますから、ハンドルに力を入れる必要が無いので
疲れません。

そして今回のエンジンですが、シリンダー側は1mm厚の銅製クーリングガスケットに
マロッシ付属のヘッドガスケットをプラスした状態で二次圧縮が冷間時で8kg/㎠
(純正ノーマル時は8.5kg/㎠)、キャブセッティングはSJ48、MJ118で初始動。
一時間のアイドリングで温度がかなり上がりました。

P_20170923_114544.jpg

クーリングファンとシリンダーヘッドは純正なので冷却は純正と同じですが
68マロッシにしては、かなり温度が高めですね。
温度が高いということはエネルギー量が大きい証拠ですから、アイドリングでも
掃気ポート加工の効果が見て取れます。
SJも小さいようですが、強化ファンを入れないと冷却が追い付かない気がします。
ちなみに前回の75マロはシンコーメタルのデトネリング入りヘッドに強化ファンで
アイドリング時は90~95℃でした。

走行してみると、45km/hぐらいしか出ません(笑)
まあ、セッティングする前はこんなもんです。
少し走ってはキャブセッティングを何度か変更して現在はSJ50、MJ95、PJ40で慣らし中です。

もちろん、駆動系もリセッティング。
最初はWRの重さは42g、ステージ6のウインナーSPは最弱でしたが、
今はWR40.5g、SPも少し硬くしました。
これでも60km/hを超えないとパワーバンドに入らないので
慣らし後に変更しないと駄目ですね。

ちなみに慣らしは最低500km。
これで80%ぐらいの初期歪みは落ち着きます。
完全に歪みが取れるのは1000kmほどは掛かります。

とりあえず最初の100kmは60km/hまでで大人しく(笑)走ります。
私のエンジンは2丁UPハイギアが入っているので、
皆さんの場合は-20km/hで考えてくださいね。

500km走ったら仕様変更してチューニングを煮詰めて行きたいと思います。

テーマ : カスタム
ジャンル : 車・バイク

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2017年09月29日 08:54

おはようございます
新しいエンジンが始動始まったんですね

一つ質問なのですが、オイルポンプの吐出量は調べたり出来るものなんでしょうか?
先日、規制後のエンジンについて教えていただき、オイルポンプは増量したのですが

Re: タイトルなし

2017年09月29日 23:53

ウルトラマンボーイさん、こんばんは。

新しいエンジンと言うより、新商品のテストですねw

オイルポンプの吐出量ですが、細かい方は加工前と加工後を
比較したりして調べるようですが私はやりませんね。

大事なのは使うオイルがエンジンにダメージが無いよう、
質と量を供給出来ているか?です。
新しいオイルに変えた時は、まずはそのまま使用して6000rpmぐらいまで(中回転)
の走行後に腰上を開けて、ピストンとシリンダーの状況を確認します。
不安があるようなら、全域で増量を行います。
大丈夫そうなら、アクセル全開時だけ増量するなど工夫すれば良いわけです。

増量も一度に削らず、走行テストをしながら少しづつ行えば
削り過ぎを防げますからね。