PE20仕様の75マロ
2017年 08月20日 04:42 (日)
まず、前回のリードバルブの続きです。
2stのエンジン特性はポートタイミングとマフラーの性能で変化します。
純正の2stスクーターは乗り易く、扱い易く造られています。
ところが、チューニングが進むにつれて乗りにくい車両に成っていきます。
これはエンジン特性が変わってくるからです。

青い線が純正の出力特性、赤い線がチューニングした後の出力特性です。
赤い線は途中でパワーの谷が出来ていますね。
これが2stエンジンを乗りづらくする原因なんです。
そして、緑の〇はリードバルブが作動して一次圧縮で吸気を行っている回転域です。
黄色い〇がチャンバーやポート加工でパワーアップする領域です。
ですので、パワーバンドを高回転にするほど、この谷は大きく成ります。
この谷を出来るだけ小さくしてあげて純正の出力曲線に近い形にすれば
乗り易くチューニング出来る訳です。
その為には、緑の〇を少しでも高回転寄りに広げてあげて
黄色い丸に近づけてあげるれば良いですよね。
今までの樹脂製リードバルブは大きくは開きますが、追従性が悪く
5000rpmぐらいで開きっぱなしに成り、一次圧縮に頼る吸気は
パワーバンドが上がったエンジンでは出力特性に谷が出来ていました。
ノーマルエンジンのパワーバンドは6000rpmぐらいからで谷は殆ど感じられませんが、
私のエンジンはハイリバと75マロでパワーバンドは7000rpmからです。
樹脂製リードバルブでは谷が出来てしまいます。
このリードバルブをカーボンにして一次圧縮に頼る吸気を500rpmでも、1000rpmでも
上げてやればパワーの谷が出来ずに純正に近い扱いやすいエンジンに成る訳です。
これで解かったと思いますが、私がカーボンリードバルブに拘る理由は
高回転での吸気量を落とさずに一次圧縮が機能する回転域を上げるためです。
もちろん、耐久性は純正の樹脂製に劣ると思います。
ですが、今回の破損はバックファイヤーによるもので、樹脂製であっても
恐らく壊れていたと思われます。
本来の耐久性はまだ未知数ですが、ショッピングサイトで今年販売を始めてから
今まで破損の報告はまだありませんね。
データが欲しいので壊れた人は報告して貰えれば助かります。
このカーボンリードバルブですが、ストリートでは、今のところ絶賛いただいています。
一部の車種用にはショッピングサイトで販売していますが、
リードバルブベースに合わせて作ることも可能ですので興味があれば
ご相談ください。
今後はシンコーメタルに送って競技車両で試してもらいたいと考えてます。
そのバックファイヤーの原因ですが、高圧縮チューニングに合う点火時期を
探るために社外CDIをテストしています。
テストした点火時期が、二次圧縮14.5kg/㎠には早すぎたってことですね。
テスト結果ですが、別の機会にブログで書く予定です。
それでは本題です。
2stのエンジン特性はポートタイミングとマフラーの性能で変化します。
純正の2stスクーターは乗り易く、扱い易く造られています。
ところが、チューニングが進むにつれて乗りにくい車両に成っていきます。
これはエンジン特性が変わってくるからです。

青い線が純正の出力特性、赤い線がチューニングした後の出力特性です。
赤い線は途中でパワーの谷が出来ていますね。
これが2stエンジンを乗りづらくする原因なんです。
そして、緑の〇はリードバルブが作動して一次圧縮で吸気を行っている回転域です。
黄色い〇がチャンバーやポート加工でパワーアップする領域です。
ですので、パワーバンドを高回転にするほど、この谷は大きく成ります。
この谷を出来るだけ小さくしてあげて純正の出力曲線に近い形にすれば
乗り易くチューニング出来る訳です。
その為には、緑の〇を少しでも高回転寄りに広げてあげて
黄色い丸に近づけてあげるれば良いですよね。
今までの樹脂製リードバルブは大きくは開きますが、追従性が悪く
5000rpmぐらいで開きっぱなしに成り、一次圧縮に頼る吸気は
パワーバンドが上がったエンジンでは出力特性に谷が出来ていました。
ノーマルエンジンのパワーバンドは6000rpmぐらいからで谷は殆ど感じられませんが、
私のエンジンはハイリバと75マロでパワーバンドは7000rpmからです。
樹脂製リードバルブでは谷が出来てしまいます。
このリードバルブをカーボンにして一次圧縮に頼る吸気を500rpmでも、1000rpmでも
上げてやればパワーの谷が出来ずに純正に近い扱いやすいエンジンに成る訳です。
これで解かったと思いますが、私がカーボンリードバルブに拘る理由は
高回転での吸気量を落とさずに一次圧縮が機能する回転域を上げるためです。
もちろん、耐久性は純正の樹脂製に劣ると思います。
ですが、今回の破損はバックファイヤーによるもので、樹脂製であっても
恐らく壊れていたと思われます。
本来の耐久性はまだ未知数ですが、ショッピングサイトで今年販売を始めてから
今まで破損の報告はまだありませんね。
データが欲しいので壊れた人は報告して貰えれば助かります。
このカーボンリードバルブですが、ストリートでは、今のところ絶賛いただいています。
一部の車種用にはショッピングサイトで販売していますが、
リードバルブベースに合わせて作ることも可能ですので興味があれば
ご相談ください。
今後はシンコーメタルに送って競技車両で試してもらいたいと考えてます。
そのバックファイヤーの原因ですが、高圧縮チューニングに合う点火時期を
探るために社外CDIをテストしています。
テストした点火時期が、二次圧縮14.5kg/㎠には早すぎたってことですね。
テスト結果ですが、別の機会にブログで書く予定です。
それでは本題です。
「ジャイロの仕様変更(part2)」でトラブルを直した私のジャイロですが、
お盆を利用して、釣りを兼ねて往復160km程度のプチツーリングに行ってきました。
何とか無事に帰って来ましたが、常時オーバーヒート気味でした。
ヘッド温度計を装着しているので腰上を焼いてしまうリスクは少ないのですが、
ガスを濃い目にしてあるにも関わらず、峠の上りでは途中で休憩を
入れなければいけないぐらいまで温度が上昇してしまいました。
一部、高速も走ったのですが75km/h以上で走行するとヘッド温度が170℃を
超えてしまうので、巡航は無理と判断して一区画だけで降りました。
そして燃調を濃くしたため、燃費も悪い。
20km/ℓぐらいですかね?
PE24からPE20に変更したメリットを生かすこと無く、
デメリットだけが目立つ結果に成ってしまいました。
もちろん、このままでは終わりません。
これじゃ~PE20は街乗り専用に成っちゃいますからね。
各部の見直しです。

まずは二次圧縮を計りましたが、これじゃ~冷やしきれないはずです。
12.5kg/㎠ですが、ロングリーチプラグヘッドですので+2kg/㎠が本当の数字です。
14.5kg/㎠じゃ純正の約2倍近い数値ですからね。
ちなみに春にPE24仕様で高速走行時には13kg/㎠でしたから
混合気量の少ないPE20じゃ、これより圧縮を低くする必要がありそうです。

ヘッドガスケットを厚くして実質12kg/㎠に調整しました。
そして、キャブセッティング。
MJが125 ⇒ 115番に下がりました。
圧縮を2.5kg/㎠下げただけでMJが10番下がった訳ですね。
セッティングでエンジンを回したので、ついでにギアオイル交換を行いました。

今回初めてベルハンマーを入れてみます。
量はオイル360mℓに対して30mℓ。
すぐには体感できる物では無いのでしばらく使ってからレポートしますね。
そしてWRの重さを変更するためLカバーを開けます。

写真は開けた直後ですが、WRに着いているコーティングが少ないですね。
プーリーを簡易スプレーでリコーティングしてWRを全体で1.5g重くしました。
加速は前より悪く成りますが、巡航回転数を押さえられます。
キャブのMJが小さく成ったことと、WRを重くしたことで燃費が伸びるでしょう。
実は明日、21日に釣りに行くため往復で250kmぐらい走ります。
道中は高速道路無料区間があるので再度、高速走行にチャレンジする予定です。
PE20は24に比べてキャブセッティングが凄く楽です。
PJも不要でアクセル全開までセッティングが出せます。
高圧縮でのハイチューニングでは季節によってキャブセッティングが
必要に成りますから、セッティングが楽なPE20にするのはメリットが大きいんです。
そしてマフラーからの音量が、また小さく成りました。
チャンバータイプのマフラーは音量が大きいと思われがちですが、違います。
私のジャイロに乗ったことのある人には解かると思いますが、
触媒無しの排圧マフラーよりも音量は小さいです。
春にスリミに参加した時に、音が静かで高性能と謳っているマフラーと比較しましたが
私のハイリバの方が静かでした。
でも、ハイパーリバイブは普通に装着すると台湾マフラーより
少し音は大きいぐらいです。
音を小さくするには、吸気から燃焼、排気までのトータルチューニングが必要です。
お盆を利用して、釣りを兼ねて往復160km程度のプチツーリングに行ってきました。
何とか無事に帰って来ましたが、常時オーバーヒート気味でした。
ヘッド温度計を装着しているので腰上を焼いてしまうリスクは少ないのですが、
ガスを濃い目にしてあるにも関わらず、峠の上りでは途中で休憩を
入れなければいけないぐらいまで温度が上昇してしまいました。
一部、高速も走ったのですが75km/h以上で走行するとヘッド温度が170℃を
超えてしまうので、巡航は無理と判断して一区画だけで降りました。
そして燃調を濃くしたため、燃費も悪い。
20km/ℓぐらいですかね?
PE24からPE20に変更したメリットを生かすこと無く、
デメリットだけが目立つ結果に成ってしまいました。
もちろん、このままでは終わりません。
これじゃ~PE20は街乗り専用に成っちゃいますからね。
各部の見直しです。

まずは二次圧縮を計りましたが、これじゃ~冷やしきれないはずです。
12.5kg/㎠ですが、ロングリーチプラグヘッドですので+2kg/㎠が本当の数字です。
14.5kg/㎠じゃ純正の約2倍近い数値ですからね。
ちなみに春にPE24仕様で高速走行時には13kg/㎠でしたから
混合気量の少ないPE20じゃ、これより圧縮を低くする必要がありそうです。

ヘッドガスケットを厚くして実質12kg/㎠に調整しました。
そして、キャブセッティング。
MJが125 ⇒ 115番に下がりました。
圧縮を2.5kg/㎠下げただけでMJが10番下がった訳ですね。
セッティングでエンジンを回したので、ついでにギアオイル交換を行いました。

今回初めてベルハンマーを入れてみます。
量はオイル360mℓに対して30mℓ。
すぐには体感できる物では無いのでしばらく使ってからレポートしますね。
そしてWRの重さを変更するためLカバーを開けます。

写真は開けた直後ですが、WRに着いているコーティングが少ないですね。
プーリーを簡易スプレーでリコーティングしてWRを全体で1.5g重くしました。
加速は前より悪く成りますが、巡航回転数を押さえられます。
キャブのMJが小さく成ったことと、WRを重くしたことで燃費が伸びるでしょう。
実は明日、21日に釣りに行くため往復で250kmぐらい走ります。
道中は高速道路無料区間があるので再度、高速走行にチャレンジする予定です。
PE20は24に比べてキャブセッティングが凄く楽です。
PJも不要でアクセル全開までセッティングが出せます。
高圧縮でのハイチューニングでは季節によってキャブセッティングが
必要に成りますから、セッティングが楽なPE20にするのはメリットが大きいんです。
そしてマフラーからの音量が、また小さく成りました。
チャンバータイプのマフラーは音量が大きいと思われがちですが、違います。
私のジャイロに乗ったことのある人には解かると思いますが、
触媒無しの排圧マフラーよりも音量は小さいです。
春にスリミに参加した時に、音が静かで高性能と謳っているマフラーと比較しましたが
私のハイリバの方が静かでした。
でも、ハイパーリバイブは普通に装着すると台湾マフラーより
少し音は大きいぐらいです。
音を小さくするには、吸気から燃焼、排気までのトータルチューニングが必要です。
コメントの投稿
チューニングは1回に付き1ヶ所
2017年08月22日 21:22
Re: チューニングは1回に付き1ヶ所
2017年08月22日 22:01
ジャビットさん、こんばんは!
ジャイロは商用車なので、昔から高いですね。
チューニングパーツは仕様によって相性が有ったり、体感出来ないものもあります。
たとえば2stオイルですが、安い物と高い物では、ライトチューニングでは体感出来ません。
でもベアリングを始め、各部の消耗は確実に減少しますのでオーバーホールの時期は確実に伸びます。
15,000kmの寿命が30,000kmの倍に伸びても、乗ってる人は体感出来ないんですね。
今回のリードバルブの場合、ステンからカーボンに変えた訳ですから
低・中回転時の追従性は殆ど変りませんが、カーボンは高回転時は大きく開きます。
ですので、チャンバー&ボアアップなど高回転で多くの混合気を必要とする車両なら
確実に体感出来ますが、排圧マフラーぐらいだと体感出来ないでしょうね。
私も仕様変更時には、まとめて変えることが多いです。
1つのパーツの性能を把握するなら1度に1か所でしょうが、
吸気系の性能を総合的にチューニングするなら、有りだと思いますよ。
ただ、関係の無い駆動系も一緒にやったりは、しない方が良いですね。
ジャイロは商用車なので、昔から高いですね。
チューニングパーツは仕様によって相性が有ったり、体感出来ないものもあります。
たとえば2stオイルですが、安い物と高い物では、ライトチューニングでは体感出来ません。
でもベアリングを始め、各部の消耗は確実に減少しますのでオーバーホールの時期は確実に伸びます。
15,000kmの寿命が30,000kmの倍に伸びても、乗ってる人は体感出来ないんですね。
今回のリードバルブの場合、ステンからカーボンに変えた訳ですから
低・中回転時の追従性は殆ど変りませんが、カーボンは高回転時は大きく開きます。
ですので、チャンバー&ボアアップなど高回転で多くの混合気を必要とする車両なら
確実に体感出来ますが、排圧マフラーぐらいだと体感出来ないでしょうね。
私も仕様変更時には、まとめて変えることが多いです。
1つのパーツの性能を把握するなら1度に1か所でしょうが、
吸気系の性能を総合的にチューニングするなら、有りだと思いますよ。
ただ、関係の無い駆動系も一緒にやったりは、しない方が良いですね。
No title
2017年08月23日 01:15
やんちゃ親父さま、こんばんは。
カーボンリード良いですよ!
純正タイプですと、
高回転側でトルクが増します。
よって私は夏場でもMJの番手を上げました。
ビッグリードタイプですと、
PE24との組み合わせですが、
パワーバンドに入ると、素晴らしい加速を体感できます。
フラットキャブだとどうなるんでしょうね?
やんちゃ親父さん、TMキャブやってみませんか?w
二台目キャノピーは
4stキャノピー用のフロントブレーキにしようと思っています。
やんちゃ親父さんの車体の効き具合、
コストを考えると、最良の選択でしょう。
ジャイロ3台所有ってアホですかね?www(笑)
カーボンリード良いですよ!
純正タイプですと、
高回転側でトルクが増します。
よって私は夏場でもMJの番手を上げました。
ビッグリードタイプですと、
PE24との組み合わせですが、
パワーバンドに入ると、素晴らしい加速を体感できます。
フラットキャブだとどうなるんでしょうね?
やんちゃ親父さん、TMキャブやってみませんか?w
二台目キャノピーは
4stキャノピー用のフロントブレーキにしようと思っています。
やんちゃ親父さんの車体の効き具合、
コストを考えると、最良の選択でしょう。
ジャイロ3台所有ってアホですかね?www(笑)
Re: No title
2017年08月23日 23:47
GUCCIさん、こんばんは~
いろいろやりたいことが沢山あるので困りますねw
雨の日に長い距離乗らないのであれば4st用のブレーキで十分だと思いますよ。
二台目キャノピーですが、うちで秋に発売する予定のマロッシ入れてみませんか?
焼けない、ハイパワー、低燃費を目指した高圧縮仕様のマロッシを目指してます。
いろいろやりたいことが沢山あるので困りますねw
雨の日に長い距離乗らないのであれば4st用のブレーキで十分だと思いますよ。
二台目キャノピーですが、うちで秋に発売する予定のマロッシ入れてみませんか?
焼けない、ハイパワー、低燃費を目指した高圧縮仕様のマロッシを目指してます。
ヤフーのトピックスにジャイロのマイナーチェンジ記事があったんですが、内容より定価にビックリです。
一番安いジャイロXでも40万近いんですね。水冷4stの電子制御だからなんですかね?
業務用にしか売る気ないんかな、個人が買う価格ではないですよね。
カーボンリードバルブ、普通に使えてます。ただ、ノーマルのステンレス製と比べてどうかとかは、私にはわかりませんでした。
交換時にキャブの番手変えたりしたのでリードバルブ変更の違いを体感できませんでした。すいません。
面倒くさがり屋なもんで、まとめて弄るのは違いが分からんから駄目ってわかってるのですが…