09月 « 2017年10月 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31  » 11月

大口径プーリーの作り方

2017年 07月20日 00:10 (木)

本題に入る前にお知らせです。
ブログに拍手機能を追加しました。
記事の左下にあるピンク色のボタンです。

私のブログは記事が古く成ると、定期的に限定記事にしてきました。
できるだけ新しい情報を発信していきたいのと、ショップブログですので
当店のお客様と一般の方に差をつける意味があってのことです。

ですので、一般の方には観たくても見られない記事が有るわけですが、
今後は記事の書き方や整理の方法を変えていこうと思います。
拍手が多い記事は興味がある人が多いと考え、いつまでも観られるようにしておく。
そして記事を書く際にも、拍手が多い記事に関連することを
積極的に書いていこうと思います。
こうすることで、皆さんが読みたい記事は増えて、いつまでも観られるし
興味が無い記事は、すぐに限定記事に成っていく訳です。

そして、拍手のボタンを押すとコメントが入れられるように成っています。
これはブログコメントと違って、非公開のコメントです。
「こんな記事を書いてもらいたい」とか「ここが分かりづらい」などの
要望を入れて頂ければ、どんなことが知りたいのか?
今後の記事の参考に成ります。

この拍手を読者さんに積極的に使って頂ければ、
皆さんが読みたい記事が増えていくってことです。


前回は、駆動系のセンタースプリングまでやりました。
センタースプリングを柔らかくするとパワーが余分に使えることと、
デメリットとしてベルトが滑りやすく成ったり、再加速が悪く成る。
じゃ~どうしてそう成るのか?

ドライブベルトは、常に緩みの無い状態で回っています。
これはセカンダリー側のセンタースプリングの反発力が利用されているからです。
この反発力を弱めると、ベルトを張る力が弱くなるので滑りやすく成る訳です。
対策としては、駆動系に出来るだけ油分を着けないことです。

次に再加速が悪く成るのはどうしてか?
スクーターの変速はアクセルを開けると、エンジン回転が上がって
プーリー内のウエイトローラーが遠心力で外側に押し出される。
それによって、ベルトが引っ張られて変速していく訳ですが、
アクセルを戻した時は、センタースプリングの反発力を利用してベルトを
元に戻しているんです。

つまり、加速時の変速はプライマリー側が主体、減速時の変速は
セカンダリー側が主体で機能しています。
ですので、センタースプリングを弱くすると、エンジン回転が下がっても高いギアのまま。
高ギア状態なので、再びアクセルを開けても加速しないってことです。

この2つのデメリットを考慮してプーリーを、どう加工して装着すれば良いか?
考えないといけません。
大きいだけのプーリーでは50ccのパワーでは変速出来ないし、
センタースプリングを柔らかくした時のデメリットが消えない訳です。

後半に続く。
え~前回、ジャイロに大口径プーリーを入れた場合、どこまで速度が出せるか
書きましたところ、「ライブディオZXなら何処まで出るの?」って質問がありましたので
計算してみます。

ZXは回転リミッターが着いているので最高回転数は8000rpmですから
これで計算してみます。
プーリーが8000rpmで回しきって最大変速しているなら、
大口径プーリーの変速比は0.59ですから
ドライブシャフトは8000÷0.59=13560回転で回っているはずです。

ZXのギアボックス内のギア比は、一次側が12/42、二次側が13/45ですので
42÷12=3.500と45÷13=3.461。
これを掛けた数値がギアボックスの変速比に成ります。
3.500×3.461=12.11

ファイナルシャフトは1分間に13560÷12.11=1120回転回っている計算です。
ZXのリアタイヤは90/90-10で外径は約415mmですから、外周は
0.415×3.14=1.30mです。

1.30m×1120回転×60分=87360、約87km/h出る計算です。
これはあくまでも計算上で、しっかりとパワーが出ていて、駆動系の
フリクションロスを軽減させ大口径プーリーを使い切れたらの話しです。

本題に戻りますね。
大口径プーリーを使うためにはセンタースプリングを柔らかくしなければ
いけないことは前半に書きました。
今度はこのプーリーをチューニングしてセンタースプリングのデメリットを
消してあげなければいけないんです。

1つは、油分厳禁の仕様に成りますから通常のようにグリスが使えません。
2stスクーターの初期にはグリス飛散のカバーがプーリー裏側に着いていました。
それでも、長期による使用でグリスが飛んでしまうので現在は採用していません。

プーリーのグリスが無くなるとどうなるのか?
答えは簡単です。
駆動系をバラしたことがある方は見たことがあると思いますが、
ウエイトローラが片減りします。

ウエイトローラーは回転の遠心力でプーリー裏側のガイドを転がりながら
外側に移動して変速を行います。
グリスが切れると転がらずに滑って外側に移動するので、ランププレートとの
摩擦によって片減りする訳です。
これをグリスを使わなくても転がるように加工する必要があります。

2つ目の再加速の件ですが、これまではセンタースプリングの反発力を利用して
ローギア側にベルトを戻していた訳ですが、アクセルを戻した時に
プーリー側も戻り易くしてあげることで、カバーしてあげます。
つまり、センタースプリングに頼らず、プーリー側と協力してローギア側に
戻り易くしてあげる訳です。

これを実現したのが、当店の大口径チューニングプーリーですが、
作るのにかなりの時間が掛かりますし、採算が合わないので滅多に作りません。
ショッピングサイトにアップすると数時間で売り切れてしまいますので
時間と機具がある方は自分で作っていただければと思い、
今回は作り方を教えますね。

ベースにするプーリーはキタコのトゥデイ用です。
でも、そのままでは使えません。
プーリーフェイスが邪魔に成るため最大変速しないからです。

P_20170715_104204.jpg

この段差が邪魔でプーリーが僅かに閉じないんです。

P_20170719_220202.jpg

この隙間を無くすためにプーリーを加工します。

P_20170715_104359.jpg

これはリューターで削ったところです。
フェイスの平らな部分を残さないとフェイスが歪んで回ってしまうので注意が必要です。
この後、ペーパーで仕上げます。

P_20170719_220328.jpg

すると、このように最大変速時にはピッタリくっ付きます。
これで、一応使えるように成りますが、上記で説明した問題を解決しなければ
性能は発揮されません。

次にボスカラーを液体コンパウンドでツルツルに仕上げます。

P_20170715_110619.jpg

この真鍮の部分を加工する訳ですが、絶対にペーパーは使わないこと。
減ってしまうとガタが出るので、削らずにピカピカに磨くことで
少しでも変速しやすくするためです。
プーリー装着時には、プーリーボスも鏡面に仕上げてモリブデンコーティングスプレーを
吹きつければ再加速がかなり変わってきます。

次にプーリーの裏側です。

P_20170719_222956.jpg

加工するのは3カ所です。
まず赤丸の部分ですが、スライドピースが移動する支柱です。
この支柱を1000番のペーパーで磨きます。
先ほどのボスカラーと同様に変速をスムーズにするためです。

次に青丸
ここはWRのストッパーですが、実は変速には影響しない部分です。
ですが、ここを落とすことによってWRに傷が入るのを防ぐことが出来ます。
傷が入るとWRが転がらなくなる可能性が有るためです。
ヤスリやリューターで削った後、1000番程度のペーパーで仕上げます。

の部分はWRが移動するガイドです。
コーティングの足付けに600~800番のペーパーを当てておきます。

ここまでの作業が終われば、プーリーをコーティングする準備に入ります。
コーティングには焼付が必要ですが、低温での焼付なのでオーブンレンジがあれば
家庭で行えます。
その前にプーリーに使われている油分を落とさないといけません。
プーリーとボスカラーの間にはグリスが入っていますが、簡単には落ちません。
私はシリコンリムーバーに一晩、漬けこみます。

プーリーの油分を落としたら、カラーが入っている中心部と外周をマスキングします。
そして、フッ素樹脂コーティングを行います。
フッ素樹脂はモリブデンより硬く、長期に渡りWRの転がりを助けてくれます。
私はこのフッ素樹脂コーティングスプレーを使っています。

P_20170716_104426.jpg

2度噴きすると、こんなふうに真っ白に成ります。
オーブンで焼けば透明に成って見た目では分かりません。
焼く前にマスキングは剥がしてくださいね。

焼き上がったら、冷ましてから再度マスキングをします。
そして、今度は簡易モリブデンコーティングを行います。
私はこのモリブデンドライコーティングスプレーを使っています。
こちらは焼く必要はありません。

このコーティングはシリンダーなどに使うものと異なり、WRやスライドピースで
擦れてすぐに剥がれてしまいます。
プーリー本体にはフッ素コーティングが残り、WRとスライドピースには
モリブデンコーティングが圧着している状態に成ればベストです。

P_20170719_230611.jpg

これでプーリー側は完成です。
次にランププレート側です。

P20170719_231355.jpg

スライドピースの緑の部分は800番のペーパーで角を落とします。
これも、少しでも変速がスムーズに成るようにするためです。
支柱が当たる部分にモリブデンコーティングスプレーを吹いても良いと思います。

青い角の部分はWRに傷が入らないようダイヤモンドヤスリで角を落として
400~800番のペーパーで仕上げます。

そして、赤い部分
ここはWRが移動する際に一番力が掛かる部分です。
WRはガイドを転がり、ランププレートのこの部分を滑っていく訳です。
ここの抵抗を出来るだけ無くすことで性能が大きく変わります。
つまり、最重要な加工ですから手を抜いては性能に影響します。
400番のペーパーから番手を上げていき、7μの液体コンパウンドで仕上げます。
ピカピカに成るまでは丸1日以上掛かります。

ちなみに私が使う時には、さらに細かいコンパウンドで鏡面して自分の顔が
写り込むぐらいにするのですが、
この作業だけで3日以上掛かってしまうんです。
でも効果は大きくて、より軽いWRが使えるように成ります。
WRは遠心力で移動していますから、軽いWRを使うほど変速の戻りが早い。
つまりセンターSPのデメリットを、よりカバーしてくれるってことです。

今までは私がコスト度外視で作ってきましたが、割に合いません。
今後は受注生産に成りますが、少し値上げする予定です。
このチューニングは市販品で出来ますから、余裕がある人はやってみてくださいね。

私のジャイロの駆動系はロングツーリングの後、時間が無くてポン付けしてあります。
ですので、性能が低下していますので近いうちにメンテナンスをする予定です。
次回のブログは私のジャイロの駆動系を例にして大口径プーリーのメンテナンスを
やりたいと思います。

テーマ : カスタム
ジャンル : 車・バイク

コメントの投稿

非公開コメント

ランプレート

2017年07月20日 08:17

こんにちは!私もKOSOプーリーのランプレート磨きに非常に苦労しました。確かに物凄い手間がかかるので2ストガレージ松山のプーリーは激安だと思いました。しかし、これ、限定記事にしなくていいんですか?(笑)
それから2ストガレージ松山のステッカーって作らないんですか?自分のバイクはやんちゃ親父さんが組んだエンジンだよってバイクに貼りたいです‼︎

No title

2017年07月21日 02:00

やんちゃ親父さま、こんばんは。

いや~、夏真っ盛りですね~
こんな時期にキャブなんか弄ってたら
何がベストなのか、さっぱり解りませんね(笑)
夜の街に出かけるのが最良かと思います。
今度、池袋案内してくださいw

こんにちは~

2017年07月24日 14:36

せんべいさん

KOSOプーリーはセカンダリー側の調整がキモです。
プーリーのチューニングは別に限定記事にする必要は無いです。
コストと時間を考えたら買った方が得ですからね。
中途半端に真似しても性能は落ちますしw

私の所は、あくまでもレストアショップですからステッカーは考えて無いですね。
チューニングショップやパーツ製造が主体なら作りますけどね。


GUCCIさん

いや~、マジで暑いですね~
こんな時は、お姉ちゃんとプールにでも行くのが一番です。

池袋は、お水の姉ちゃんとAVの娘しか知り合いは居ないんですw

オーブンレンジ

2017年07月27日 22:06

こんばんわ
そろそろ駆動系のオーバーホールを考えており、やんちゃ親父さまが惜しげもなく披露して頂いたプーリーのコーティングを真似てみようと考えております。
オーブンレンジで焼くということですが、庫内に匂いが残ったりとかしないのでしょうか?
台所に一台しかなく、調理に使えなくなると家庭内に問題が発生するので…

Re: オーブンレンジ

2017年07月28日 18:04

アコダンさん、こんばんは。

オーブンレンジですが、ブログに書いた通り、油分をしっかり落としてあれば
臭いも煙も殆ど出ませんので大丈夫です。

でも、簡単に出来ればうちで売らないんですよw