ジャイロX後期エンジンのレストア 3
2016年 03月30日 23:56 (水)
今日は伊予黒鯛會のOさんと一緒に釣りに行きました。
毎年、この時期にしか釣れない場所で私は一度も竿を出したことが無く
一度行ってみたかったんです。
潮が悪く、釣果は無しだったのですが、釣り場のレパートリーが増えて良かったです。
前日に餌をジャイロに乗って買いに行ったのですが、まだ少しジェッティングが
ズレているようです。
思い切ってMJを90番から82番に落としてから出掛けました。
走り始めて、すぐに「加速しない!パワーが無い!」と気づきました。
だって45km/hしか出ないんです。
まあ、考えてみれば82番じゃ薄いはずですよね。
応急でニードルクリップを一番下まで下げてニードルを上げました。
これで下の加速は良く成ったのですが、上は薄いはずですからハーフスロットルで
帰ってきましたよ。
まあ、セッティングで手抜きをして10番づつ下げていったのが悪いんですけどね。
帰ってきてMJを95番にしたかったのですが、95番が使用中。
余っているジェットが有ったので95番を作りましたよ。
早速、取り付けようとしたら・・・・
キャブ本体を止めるネジをバカにしてしまいました。
ここはネジキリ易いので注意していたんですが
朝急いで変えた時に斜めに入っていたんですね。
仕方がないので、補修します。


ここですね。
クイックメタルを入れて、固まらないうちに3mmの太さで穴を開けておきます。

一日経ったら、M4×0.7でタップを切り直せば完成です。
道具が無い人はM4の5mmほど長いボルトナットのセットを買って、
上下で締めるようにすれば使えます。
ついでに、PJ用の穴も広がってきたので補修しておきました。

ここはシリコン液体ガスケットなどでOKですね。
それでは本題です。
毎年、この時期にしか釣れない場所で私は一度も竿を出したことが無く
一度行ってみたかったんです。
潮が悪く、釣果は無しだったのですが、釣り場のレパートリーが増えて良かったです。
前日に餌をジャイロに乗って買いに行ったのですが、まだ少しジェッティングが
ズレているようです。
思い切ってMJを90番から82番に落としてから出掛けました。
走り始めて、すぐに「加速しない!パワーが無い!」と気づきました。
だって45km/hしか出ないんです。
まあ、考えてみれば82番じゃ薄いはずですよね。
応急でニードルクリップを一番下まで下げてニードルを上げました。
これで下の加速は良く成ったのですが、上は薄いはずですからハーフスロットルで
帰ってきましたよ。
まあ、セッティングで手抜きをして10番づつ下げていったのが悪いんですけどね。
帰ってきてMJを95番にしたかったのですが、95番が使用中。
余っているジェットが有ったので95番を作りましたよ。
早速、取り付けようとしたら・・・・
キャブ本体を止めるネジをバカにしてしまいました。
ここはネジキリ易いので注意していたんですが
朝急いで変えた時に斜めに入っていたんですね。
仕方がないので、補修します。


ここですね。
クイックメタルを入れて、固まらないうちに3mmの太さで穴を開けておきます。

一日経ったら、M4×0.7でタップを切り直せば完成です。
道具が無い人はM4の5mmほど長いボルトナットのセットを買って、
上下で締めるようにすれば使えます。
ついでに、PJ用の穴も広がってきたので補修しておきました。

ここはシリコン液体ガスケットなどでOKですね。
それでは本題です。
前回の記事で、不動期間が長かった可能性が高いと推測したところまででしたね。
それでは、駆動系を開けてみます。

予想的中です。
駆動系はもちろん、キックギアもサビサビでした。
そういえば出品のコメントに「キックの戻りが悪いのでグリスを塗って頂ければ
動きが良くなるかと思います」って書いてありましたね。
駆動系を外そうとしたらクラッチとクラッチアウターの間から
物凄い量のカスが出てきました。
プライマリー側も、この状態です。

ね、ディーラー整備では清掃は一切しないんです。

外した駆動系はこんな感じです。
ディーラー整備ですから当然、すべて純正でした。
チェックは後回しにしてフライホイール側へ行きましょう。
強制ファンを外して、フライホイールナットを緩めます。
通常、フライホイールは専用工具を使って{バキッ!}と音がするような外れ方をしますが、
なぜか「スルッ」と抜けました。
廃車寸前もしくは、解体業者のどちらかで外した形跡がありますね。
理由はすぐに解かりました。


これで、この車両の経緯が判りました。
この車両はツーオーナー車ですね。
大企業(たぶんヤクルト)で使われた車両を次のオーナーがディーラーで中古購入、
でも、ほとんど乗らずに2~3年放置。
久しぶりに乗ろうとしたらバッテリーが死んでいたので、バイク屋に持ち込み。
バイク屋は発電系を疑って開けたけど、コイルがこんな状態じゃ、
クランクシャフトオイルシールが駄目!
これじゃ~腰下オーバーホールしないと使えないってことでお金が掛る。
オーナーさんと相談の上廃車にしたんですね。
ツーオーナーのエンジンですが、二人目はほとんど乗っていないので
実質、企業払い下げのエンジンで、その後放置と同じ状態のはずです。
では腰上を見てみましょう。

シリンダーヘッドのカーボンの付着も無く、ピストンヘッドも良い状態ですね。


シリンダーには傷も無く、ピストンもリング交換で充分使えます。
腰上は全く問題無しです。
次にファイナル&デフを開けてみましょう。

ギアオイルは真っ黒でしたが、量はしっかり入っています。
流石、ディーラー整備エンジンですね。


左右のファイナルシャフトのシールベアリングとドライブシャフトベアリングは
交換した方が良さそうですが、デフギア両サイドのベアリングは傷んでいません。
私のジャイロの方がベアリングのガタが有りましたからね。
そして、ジャイロでは重要なカウンターシャフトの受け部です。


写真は片側ですが、両側とも傷みが無く良い状態です。
これなら、良いオイルを入れておけばチューニング&デカタイヤでも
良い走りが出来そうです。
二人目のオーナーが距離を走っていれば、腰上やギアの状態も
これほど良くなかったでしょうからラッキーですね。
最後に腰下をバラしました。
左右のオイルシールはもちろん駄目!
ベアリングもこんな状態。
[広告] VPS
これだけ音が出てるとベアリングボールが割れるのは時間の問題です。
まあ、ここは私の所は専門ですから、何の心配も要りませんね。
そして外したクランクですが、精度が微妙だったんです。
ダイヤルゲージで計って駆動系側が13/100の振れ、フライホイール側が
5/100の振れですから、6.5/100mmと2.5/100mmの精度です。
70~80km/h程度なら問題無く使えるレベルですが、私が修正してみました。
[広告] VPS
左右共に4/100の振れですから2/100mmの精度に成りました。
これなら100km/hぐらいまでのチューニングなら全く問題無いですね。
一通りバラして各部をチェックしましたが、ここ数年で一番良いエンジンですね。
高値で落札した甲斐がありましたよ。
このエンジンが3万円以下なら安い買い物です。
主要部品は全て再利用可能、交換は消耗部品だけですからね~
部品の見積もりはすぐに出てしまうので、今回はベースのレストア価格とオプション価格で
お客様に合った形で出せるようにしましょうかね。
それでは、駆動系を開けてみます。

予想的中です。
駆動系はもちろん、キックギアもサビサビでした。
そういえば出品のコメントに「キックの戻りが悪いのでグリスを塗って頂ければ
動きが良くなるかと思います」って書いてありましたね。
駆動系を外そうとしたらクラッチとクラッチアウターの間から
物凄い量のカスが出てきました。
プライマリー側も、この状態です。

ね、ディーラー整備では清掃は一切しないんです。

外した駆動系はこんな感じです。
ディーラー整備ですから当然、すべて純正でした。
チェックは後回しにしてフライホイール側へ行きましょう。
強制ファンを外して、フライホイールナットを緩めます。
通常、フライホイールは専用工具を使って{バキッ!}と音がするような外れ方をしますが、
なぜか「スルッ」と抜けました。
廃車寸前もしくは、解体業者のどちらかで外した形跡がありますね。
理由はすぐに解かりました。


これで、この車両の経緯が判りました。
この車両はツーオーナー車ですね。
大企業(たぶんヤクルト)で使われた車両を次のオーナーがディーラーで中古購入、
でも、ほとんど乗らずに2~3年放置。
久しぶりに乗ろうとしたらバッテリーが死んでいたので、バイク屋に持ち込み。
バイク屋は発電系を疑って開けたけど、コイルがこんな状態じゃ、
クランクシャフトオイルシールが駄目!
これじゃ~腰下オーバーホールしないと使えないってことでお金が掛る。
オーナーさんと相談の上廃車にしたんですね。
ツーオーナーのエンジンですが、二人目はほとんど乗っていないので
実質、企業払い下げのエンジンで、その後放置と同じ状態のはずです。
では腰上を見てみましょう。

シリンダーヘッドのカーボンの付着も無く、ピストンヘッドも良い状態ですね。


シリンダーには傷も無く、ピストンもリング交換で充分使えます。
腰上は全く問題無しです。
次にファイナル&デフを開けてみましょう。

ギアオイルは真っ黒でしたが、量はしっかり入っています。
流石、ディーラー整備エンジンですね。


左右のファイナルシャフトのシールベアリングとドライブシャフトベアリングは
交換した方が良さそうですが、デフギア両サイドのベアリングは傷んでいません。
私のジャイロの方がベアリングのガタが有りましたからね。
そして、ジャイロでは重要なカウンターシャフトの受け部です。


写真は片側ですが、両側とも傷みが無く良い状態です。
これなら、良いオイルを入れておけばチューニング&デカタイヤでも
良い走りが出来そうです。
二人目のオーナーが距離を走っていれば、腰上やギアの状態も
これほど良くなかったでしょうからラッキーですね。
最後に腰下をバラしました。
左右のオイルシールはもちろん駄目!
ベアリングもこんな状態。
[広告] VPS
これだけ音が出てるとベアリングボールが割れるのは時間の問題です。
まあ、ここは私の所は専門ですから、何の心配も要りませんね。
そして外したクランクですが、精度が微妙だったんです。
ダイヤルゲージで計って駆動系側が13/100の振れ、フライホイール側が
5/100の振れですから、6.5/100mmと2.5/100mmの精度です。
70~80km/h程度なら問題無く使えるレベルですが、私が修正してみました。
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左右共に4/100の振れですから2/100mmの精度に成りました。
これなら100km/hぐらいまでのチューニングなら全く問題無いですね。
一通りバラして各部をチェックしましたが、ここ数年で一番良いエンジンですね。
高値で落札した甲斐がありましたよ。
このエンジンが3万円以下なら安い買い物です。
主要部品は全て再利用可能、交換は消耗部品だけですからね~
部品の見積もりはすぐに出てしまうので、今回はベースのレストア価格とオプション価格で
お客様に合った形で出せるようにしましょうかね。
コメントの投稿
No title
2016年03月31日 12:51
Re: No title
2016年03月31日 22:11
GUCCIさん、こんばんは~
やっぱり~!みんなキャブセッティングでやるんですよ。
中古で購入した時にネジを切り直してから使うのが良いんです。
でも、こんな情報どこにも書いていないですから仕方ないです。
PJはチューブの長さでも変わってきますから、
多少なりとも変わると思います。
エンジンは購入前からどんなエンジンか?ある程度は分かって入札していますからね。
開けて自分の予想通りか?が問題なんですよ。
オークションの写真と商品説明でエンジンを見分けるのが一番難しく、
見分けられるようになるまで、5年以上かかりましたよ。
後はフルノーマルで仕上げるか?少し手を入れるか?考えどころです。
やっぱり~!みんなキャブセッティングでやるんですよ。
中古で購入した時にネジを切り直してから使うのが良いんです。
でも、こんな情報どこにも書いていないですから仕方ないです。
PJはチューブの長さでも変わってきますから、
多少なりとも変わると思います。
エンジンは購入前からどんなエンジンか?ある程度は分かって入札していますからね。
開けて自分の予想通りか?が問題なんですよ。
オークションの写真と商品説明でエンジンを見分けるのが一番難しく、
見分けられるようになるまで、5年以上かかりましたよ。
後はフルノーマルで仕上げるか?少し手を入れるか?考えどころです。
キャブのネジは私もなめていますwww
長ボルトでナイロンナットで対処しています。
PJはエアクリに近い方に付けていますね。
私はキャブに出来るだけ近い位置に付けました。
その距離によって番手も変わってくるのでしょうか?
エンジンの推測、素晴らしいです!
当たりエンジンで良かったですね!
ここまで全て検証するのは、
エンジンを何回も開けている経験と知識を
持っておられるからだと思います。
長文ブログお疲れさまでした!