FC2ブログ

02月 « 2021年03月 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31  » 04月

ジャイロX後期エンジンのレストア 2

2016年 03月30日 00:01 (水)

今日は、お客様から依頼があったプーリーや拡大変速加工セカンダリーを
製作していました。
でも、セットで注文する方は少ないんですよ。
セカンダリーを加工できる方は良いのですが、セカンダリーだけ購入する方は
何処のプーリーと合わせるんだろう???

90mmぐらいのプーリーであればセカンダリーは無加工でOKですが
それ以上の大きさのプーリーならセカンダリーも加工する必要があります。
でも、95mm前後のプーリーでポン付けでベルトが外側まで行くプーリーは
うちのプーリーもしくは、シンコーメタルプーリーぐらいなんですよね~

他のプーリーだと外側まで変速させるとベルトが切れて苦情が来るので、
実際の変速域は狭く設計されているんでしょうね。

皆さん、プーリーを選ぶ基準って解かりますか?
上記の変速幅はもちろん、変速特性とローフリクション性能も重要です。
軽量なんて2の次、3の次です。

変速特性は、プーリーフェイスの角度とWRガイドの転がり形状によって決まります。
このプーリーの変速特性に合わせてセカンダリーの変速特性を合わせて
バランスを取っていくことが重要なのですが、これはまたの機会にします。

今日はプーリーのローフリクション化についてです。
プライマリーの変速はプーリーが回転することにより、遠心力でWRが外側に押し出されて
プーリーがドライブベルトを外側に押し上げます。(知ってますよね)
その時にWRは、ローラーガイドとランププレートに挟まれて、物凄い摩擦抵抗に成るんです。
この摩擦抵抗が大きなパワーロスに成っているんです。

このパワーロスで燃費まで悪くなってしまうんですよ。
ですので、通常は専用のグリスを塗って組み付ける訳ですが、
カバーの無いプーリーでは50~100kmも走行すればグリスは遠心力で飛んでしまいます。
グリスが切れればフリクションロスが大きく成りますから、せっかくセッティングしても
グリスが切れたら変速フィーリングは変わってしまう。

グリスがある時、変速時にWRはローラーガイドを転がっています。
でも、グリスが切れると転がらずに滑って移動しているんです。
だから、消耗したWRは一部分だけが平たく摩耗していますよね。
転がっていないから一部だけが摩耗する訳です。

レースと違い、公道仕様では100kmごとに駆動系をバラして
グリスを塗る訳にいきませんので、ノングリスでWRが滑らないで転がるプーリーを
探していた時にシンコーメタルのプーリーに出会ったわけです。

ところがシンコーメタルのプーリーを使用していて3000kmほど走行したら
フィーリングが変わってきたんです。
そこで、WRガイドのドライコーティングを再試行したのですが、
フィーリングが戻りませんでした。
そこでold_kpさんに聞くと、ランププレートのDLC加工が剥がれた為とのことでした。

DLC加工って、ダイヤモンドとグラファイトを結合させたコーティングで、
現在の技術では一番硬いドライコーティングの技術なんです。
そんなに硬いコーティングが剥がれるほどの圧力がランププレートには掛かるんですね。
シンコーメタルプーリーはランププレートが厚く、他社製の1.5倍ぐらいあるんです。
プーリー購入当初は解かりませんでしたが、パワーを掛けても圧力に負けて曲がらないように
考えられた厚みだったんですね。

DLC加工でも持たないなら、コーティングをしてローフリクション化を図るのは
難しいと思い、私はランププレートを鏡面加工することにしたって訳です。
摩擦性能はコーティングより劣りますが、半永久的に使えますからね。

プーリーのフリクション性能はWRの重さでおよそ判断が出来ます。
変速特性がプーリーによって違うので正確ではありませんが、
軽いWRが使えるほどローフリクション設計のプーリーと考えれば良いでしょう。

それでは本題です。
160328_1211645.jpg


今回の梱包は箱に入れていないタイプです。
小さく出来るので送料は安いんですが、破損のリスクもありますね。
早速確認です。

160328_132957.jpg

荷物は破損等無く無事でした。
最近の業者は少しでも高く売れるように見える部分は綺麗にしてありますね。
そして、購入の決め手に成ったサスペンションの確認です。

160328_124339.jpg

全然、ブッシュがヘタっていません。
これはサスペンション自体、交換されています。
折れたりしない限り、純正のサスは交換されることは無い部品です。
何があったんですかね?
スイングアームやエンジンブラケッドなど確認しましたが、問題無かったので
事故での交換では無いようです。

まずはエアクリBOXとキャブレターから外しましょうかね。

160328_135334.jpg

綺麗なエアクリですね。
良く見てみると・・・・・

160328_135214.jpg

フィルターは定期的に交換されています。
でも、汚れた部分はそのままですね。
営業車で定期的にディーラーで整備されていますね。
ディーラー整備は時間で工賃が決まるので、掃除など無駄な作業はしないんです。

160328_133045.jpg

じゃ~なぜキャブレターは綺麗か!って?
これは解体屋さんが販売用に綺麗にしただけです。
先日、紹介したamedioさんのエンジンをレストアした時もキャブレターは
20年分の埃が固まっていましたよね。
このエンジンも同じ状態のはずです。
その証拠はこれ!

160328_142441.jpg

見えない反対側は、しっかり20年分の埃があります。
キャブを簡単に確認してみると・・・・

160328_132758.jpg

う~ん、ピストンバルブに油分がありません。
この状態で走っていたなら、すぐに焼付きますからシリンダーにダメージが有るかも知れません。
解体業者が掃除したなら良いんですが・・・・
とりあえず、オイルポンプを確認してみましょう。

160328_141750.jpg160328_141816.jpg

大変珍しい状態です。
オイルポンプのシャフトって、構造や取り付け場所の関係からも、
まず錆びることが無い部品です。
この状態から推測すると、長期不動だったとしか思えませんね。
セルモーターを見てもギア部に錆がありますからね。
まあ、駆動系を確認すれば判りますね。

160328_142710.jpg

ここまできたら丁度お昼です。
ご飯を食べる前にエンジン番号だけ写真を撮りましょう。

160328_133218.jpg

ジャイロX後期の最終型(NJ50M 4でしょうかね?)ですね。
2004年以降ですから10年ちょっと。
20年分の埃じゃなくて10年分ですね。
2stジャイロでは新しい方のエンジンですね。

この先の作業も終わっていますが、長く成ったので次回に続きます。

テーマ : カスタム
ジャンル : 車・バイク

コメントの投稿

非公開コメント

No title

2016年03月30日 15:37

やんちゃ親父さま、こんにちは!

>軽いWRが使えるほどローフリクション設計のプーリーと考えれば良いでしょう。
なるほど!理解できました!
私の車体2台ともシンコープーリー(ステⅤ)入れてます。
なかなか入手が難しいので、
あっさり手に入ってラッキーでした。

エンジンの後半、非常に楽しみです!
分解・検証の記事は大好きです!

Re: No title

2016年03月30日 21:27

GUCCIさん、こんばんは。

エンジンの分解・検証を理解出来れば、自分がエンジンを購入する時の
ポイントや注意点が判りますからね。
催促されたので、頑張って記事を書きますね(笑)