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腰下オーバーホールの要点

2016年 01月29日 02:12 (金)

前回出した問題ですが結構、同じような症状で悩んでいる人が多いんですね。
ちょっとビックリしました。

実は、意地悪問題だったんですよ~
長い信号待ちからの出足でボコつく時は、アクセルを開けた時の挙動では無く、
長いアイドリングの時の燃調が濃いんです。
アイドリング時に濃いガスが送られてプラグがカブり気味に成っていたってことです。
アイドリングは負荷が掛かりませんから、多少濃くても薄くてもアイドルスクリューで
調整すればアイドリングは安定します。
ところが、アクセルを開けて負荷が掛かるとプラグが濡れているのでミスファイヤーで
ボコつく訳です。

そして、停止時にアイドリングが落ちて来ないですが、
これも、直前までの燃調の状態が影響しています。
走行時の燃調が薄い時にこの症状が出ます。
もっと酷い時には、アクセルをオフにしても1~2秒回転が下がらない。
つまり、アクセルオフ時のタイムラグが出来る。
これは、雪の中で病院に行った記事の通り、早急に濃くしなければいけません。

ところが、ノーマル車両でも、古くなると同じような症状に悩ませられることがあります。
原因はこいつです。

160128_175239.jpg

フロートバルブです。
使っていない期間が長かったり、15年以上も使用していると、このバルブのゴムの部分が
劣化してキャブレター内の油面が上昇してしまいます。
油面上昇で上記と同じ症状が出るんですね。

走り出せば、油面が下がるので問題が出ないのですが、ガソリンを微量しか使わない
アイドリング時は油面が上がってガスが濃くなってしまいます。
停止時には、油面が少しづつ上がってアイドリングが落ちていってしまうんですね。

フロートバルブは完全に駄目になればオーバーフローで気が付きますが、
通常では傷んでいても気が付きづらいパーツですので、トラブルが出る前に
変えておいても良いと思います。
中古のディオキャブを買った人は交換必至です。

キャブの記号を控えてバイク屋に行けば今ならまだ、注文できるはずです。
価格はジェット類より多少高めで2000円ぐらいします。
永く乗りたいと思っている人は予備に買っておくのも良いですね。
製造は終わっていますので、そのうち手に入らなくなります。

え~、私の場合はフロートバルブは交換済みですので、ジェット交換で対処します。
SJが濃いということなので、エアスクリューの戻しを確認してみました。
締めこんだ状態から1と3/4回転戻しでしたので、エアスクリューの調整では
不十分と感じて、SJを40番から35番に落としました。
そして、MJを120番に上げて、その辺を試乗。

症状は全く出ないので、方向性は正しかったですね。
MJ120番では被るかな?って思ったのですが全く心配ないようです。
それどころか、125番でも行けそうな気がしますので、今度
長い距離の試走で判断します。
出足がボコつくからってMJを下げてしまうと焼き付きリスクもありますから、
出足だけで判断すると危険ですね。

SJですが、社外ではアンダーサイズが売っていません。
ホンダ純正の他車種のSJを使うのが良いでしょう。
ちなみに、ライブディオの中期が38番、ジャイロの前期が35番です。

今回の私のジャイロは寒い日にヘッドを交換して、少し圧縮を下げたのですが
計っていなかったので、今日改めて計ってみました。

160128_120004.jpg

ガラスの映り込みで、針が見えなくなってしまうので斜めから撮っていますが、
正面から見ると9.6kg/㎤でした。
これでも、通常よりもかなり高めですね。
エアクリーナーの穴の調整も有ると思いますが、SJはかなり小さ目の35番、
MJはかなり大き目の120番とかなり両極端なセッティングですよね。

セッティングって、ちょっとの仕様の違いでこんなに変わってしまうんです。
「何番だと大きそう」なんて固定観念を持っていたらセッティングが難しく成ります。
マフラーは決まっているので排気は調整できませんから、エアクリーナーからの
空気の量、キャブレターからのガスの量、燃焼室内の効率調整(ベースガスケットによる
ポート高の変更)この3つで一番パワーが出るところを見つけるのが、
本当のセッティングだと私は思います。

このマロッシシリンダーを使いこなすのはもう少し時間が掛かりそうですね。

それでは本題です。
本当なら、ライブディオZX前期エンジンのオーバーホールを記事にする予定でしたが、
記事の前半が予定より長く成ってしまいましたので、オーバーホール前の
考え方について書くことにしました。

腰下オーバーホールの最大の目的は、シリンダーで作られたエネルギーを
いかにパワーロス無く、駆動系に伝えられるように部品を交換したり調整することです。
そして、上記の調整でエンジン全体の寿命も伸ばしてあげる。

部品交換はそれほど難しいものでは無く、専門工具とある程度の知識や経験があれば
出来る作業です。
組み込む部品もクランクとベアリング、左右のオイルシールとエンジンの中で
一番部品数が少ないのではないでしょうか?

逆に一番精度が求められる部分です。
クランクは、こだわる人は1000分の数mmまで芯出しを行いますよね。
そのクランク精度を活かすためには、高精度の組み込み技術が必要になります。

高精度で組み込む為の準備ですが、その前に組み込む部品の特徴を知っておく
必要があります。(と言ってもベアリングとクランクだけですけどね)

ご存知の通り、クランクは100分の1mmを大事にするぐらい高精度な物ですから、
ぶつけたり、落したりしないよう注意する必要があります。
スマホより大事に扱ってくださいね。

同時にベアリングもクランクと同様、扱い方に注意が必要なんです。
詳細は下記のURLを参照してくださいね。

NTNのHPより  取り付け前の準備  ベアリングの取付け

衝撃や熱、取扱いの注意から、挿入する前のバリ取りなど書いてありますが、
詳しくは次の記事で書くことにしますね。

160128_225703.jpg160128_225726.jpg

上の写真は、ライブディオ中期エンジンに装着されていたベアリングですが、
ケース装着部に当たる外輪部(アウターレース)にも傷が無く、良い状態で
入れられていたことが解かります。

ベアリングは内輪部のインナーレース、外輪部のアウターレース、ボールベアリングの
3つのパーツで構成されています。
この3つのパーツでシリンダーからの衝撃や振動を吸収しながらスムースに回転するように
装着しなければいけません。
振動や衝撃を軽減するために3つのパーツはピッタリでは無く遊びが設けられています。
ベアリング
上下には、ほとんど遊びはありませんが、横方向には5/100mmづつ
計10/100mmの遊びがあります。
この10/100mmの遊びを保ったままケースに収めるようにすれば、
ベアリングの性能とクランクの性能を最大限に発揮できる訳です。
これをベアリングのセンター出しと言います。

ところが、ほとんどのエンジンはベアリングのセンターが出ていない状態で
装着されています。
バイク屋さんでベアリング交換が行われた場合、ベアリングのインナーレースを引ける
専門工具で装着されます。
ところが、クランクを引ききっている場合が殆どです。
つまり、ベアリングのアウターレースはケースに引っ張られて外側に、
インナーレースはクランクに引っ張られて内側によっている訳です。
図を描くとこんな感じです。
ベアリング到着1
逆に素人さんが市販のクランクインストラーを使ってDIYで交換した場合、
クランクをケースで引いてしまいますので、上の図とは逆のインナーレースが外側に
引っ張られた状態で装着されてしまうんです。
ベアリング到着2
こんな感じですね。
上記の2つのケースではクランク、ベアリング共に本来の性能は発揮できないし、
腰下の寿命も短く成ります。

理想の状態は、クランクをインストールしてケースを閉じた状態で、
ベアリングの遊びが10/100mm出来る状態です。
その状態だと、ベアリングのインナーレースとアウターレースが真っ直ぐに成り、
衝撃や振動を吸収できる訳です。

次回はライブディオZXの前期エンジンで実際に腰下オーバーホールを行って
クランクのインストールとベアリングのセンターを出してみたいと思います。

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キャブ

2016年01月29日 06:14

お疲れ様です。
キャブのクイズ、思い切りハズレてて恥ずかしいなぁ〜深読みしてました。😅一般的にはSJを下げ、MJを上げるですが私の考え方は、MJがアイドリングに与える影響は0では無いとし、MJを下げました。高速域では、焼き付きが恐いのでSJを上げるでした。
でも、自分の考え方の間違いに気付き、フロートバルブの件も知らなかったので、勉強になりました。

こんにちわ!

2016年01月29日 15:38

腰下のベアリングは遊びを作ってインナーレースとアウターレースを真っ直ぐにして本来の機能を発揮し振動などを吸収する意味だと思いますがこれはギアボックス内のベアリングも一緒で5/100mmぐらい遊びを作って圧入した方が寿命が長くなるってことですか?

ご無沙汰しております

2016年01月29日 16:11

やんちゃ親父さん、こんにちは!
体調崩して、バイクにも乗れない日々が続いていましたが、ようやく復調し始め、バイクも再度整備し始めているところです。寒さが戻ってきて関東はまた雪と言われています。松山も雨ですかね?
私も皆さんと同じような症状が出ていたので、キャブセッティングを見直し、最初は42から45に上げましたが余り良くなく40にして様子を見ています。記事を読んで38も試そうかなと思いました。

こんばんは~

2016年01月29日 18:25

Redbom3223さん

停止後、すぐに走り出しても同じ症状ならMJを下げる方向で考えますけど、
アイドリング1~2分後ならSJの影響と考えた方が良いですね。
SJを下げられるってことは、一時圧縮がしっかりしていて、
クランクへの吸気に勢いがあるってことなので調子が良い証拠です。

ライブディオ中期以前のキャブならフロートバルブは交換時期ですね。


山口さん

ボールベアリングは基本的にその考え方でOKですが、
ギアボックス内のベアリングはアウターレースは固定、
インナーレースは差し込むだけの半固定なので、センター出しの
必要が無いんです。

クランクのベアリングもレーシングエンジンではセンター出しが
不要な半固定方式のものもありますよ。
少し前のブログでマロッシのレーシングエンジンを組んでいる動画をアップしましたよね。
あれは半固定なので、クランクインストールに専門工具が必要無いんですよ。
そして、ベアリングも自然にセンターに来ます。


ロードさん

体調が回復して良かったですね。
松山は雨ですが、関東は大雪注意報が出てるようですね。
キャブセッティングは似た症状でも違うセッティングが必要な場合があります。
詳しい症状をメールしてくれれば私も一緒に考えますよ。

No title

2016年01月29日 22:49

フロートバルブも
同じ症状が出るんですね!
参考になりました!

やんちゃ親父さんが、ブログにパーツを書くと
売り切れてしまう現象が起きています!
KOSOプーリー、ハイリバ…
フロートバルブも早く注文しないと
ヤバイかもしれないですね。

こんばんは

2016年01月30日 20:01

GUCCIさん

フロートバルブが傷むと油面が上がり、発進時にボコつきます。
フロートの台座を曲げて油面を調節することも出来ますが、
完全に駄目になればオーバーフローしますので、部品が有るうちは
交換した方が良いですね。

そういえば、ハイリバ売り切れてますね。