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エンジンチューニングの考え方

2018年 07月25日 18:44 (水)

いや~今年も暑いですね~
世間一般では異常気象なんて言われていますが、私の意見は少し違って
気象変化だと思っています。
私の子供の頃は35℃の日は「10年に一度の暑さ」って言われていましたが、
今では猛暑日と言う名がついて、毎年当たり前のように到達する気温ですからね。

去年、亡くなった父の一周忌を7月上旬に予定していたのですが、施設に居る母の
外出許可が下りないんです。
熱中症を危惧して気温が少し下がるまで外出禁止になったようです。
それで一周忌は延期。
法事を延期するなんて前代未聞ですよね。
親類から何か言われる前に、電話で事情を説明して回りましたよ。

話題を変えますね。
毎年のことですが、この時期は質問や問い合わせが多く成ります。
オーバーホールや商品についてのお問い合わせはメールを頂ければありがたいのですが
このブログのリンク欄には「2st原付スクーター掲示板」も用意してあります。
質問やセッティングなどの話題は同じような悩みを持っている方が多いので
掲示板を利用して頂ければと思います。

当店は基本的にはレストア店です。
ショッピングサイトにはオーバーホールの料金を記載していますが、
腰下・ギアボックス・オイルポンプしか載せていません。
理由は、今はレストアブームで個人でレストアを楽しむ時代です。
ですので出来るだけお客様個人で行って頂きたいのですが、上記の3点は
素人が行うと性能が著しく低下したり、専門工具が必要だったり、
時には壊してしまうリスクがあるので行わない方が良い部分です。
他の箇所は失敗してもやり直したり部品を再購入すれば良いのですが、
リカバリー出来ないところだけ載せてあります。

もちろん、他の部分もレストア・オーバーホールは可能ですのでメールや電話で
お問い合わせいただければと思います。

一時的に中断している焼き付きテストですが、サブエンジンに取付けてあります。

P_20180723_062533.jpg

毎回、ピストントップとヘッドの燃焼室は綺麗に掃除して着けているのですが、
今は良い溶剤が出ているので意外と簡単に落ちます。
ギアは2丁UPからノーマルに変更して、キャブレターは中期のディオキャブです。
サブエンジンは混合仕様なのでオイルポンプのギアフリクションが無くなりますが、
純正のアクセルケーブルだとアクセルワイヤーの戻りが悪いので
アクセルワイヤーも自作で作り直すことにしました。
これは次回のブログに書きますね。

それでは本題です。

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ジャンル : 車・バイク

マロッシ焼き付きでの2stオイルテストpart2

2018年 07月21日 10:01 (土)

私達は日本の道路交通法に準ずる形で2stスクーターを楽しんでいます。
でも中には、それを良く思っていない人もいます。
たとえばミニカーのヘルメット問題。
もちろん、自分で安全を確保するためにヘルメットを被っている人も多いですよ。
法律って穴や矛盾があるのは仕方ないんです。

先日、20年ぶりぐらい?に路線バスに乗ったんです。
空いていたので座席に座るとシートベルトが見つからない。
運転手さんに「シートベルトは何処ですか?」って聞いたら付いていないって言われました。
何とシートベルトが無いんですね。
観光バスはシートベルトが有り、座席数の人数しか乗車出来ない。
つまり立ち乗り禁止なんです。
でも路線バスはシートベルトどころか立ち乗りもOK。
こんな矛盾もあるんです。

ミニカーのヘルメットは自主的に被って安全を確保できますが、路線バスでは
シートベルトをしたくても着いてないんですね。
皆さんはどちらを先に対処するべきだと思いますか?
でもね、一番大事なのは普段から余裕を持って安全運転を心がけることですよ。

私も普段の運転で80km/hで巡航するのは高速道路ぐらいです。
次のジャイロの仕様でも高速道路でのテストもする予定です。
50ccで高速に乗るのは30年以上前ですから楽しみです。

そうそう!私のジャイロは軽二輪登録で普段、街乗りでは車に煽られることは殆どありません。
でも、お客様の車両でセッティング出しで走行をしていると、ミニカー登録車や黄色ナンバーだと
煽られることが多いですね。
ボアアップするなら軽二輪登録をお勧めします。

駆動系のセッティングでWRの装着方法について質問があったので少し書きますね。
違う重さのWRを装着する時に、どう入れれば良いのか?

P_20180711_125851.jpg

プーリーのWRガイドは2つづつの部屋に分かれています。
そこで、プーリーの回転方向で先行する赤い印の所に重い方を入れ
青い方に軽い方のWRを入れます。
そしてWRには表裏がある物もあります。

P_20180715_124702.jpg

どちらが表で、どちらが裏かは知りませんが、右側が緑の面に当たるように
装着しないと遠心力で中のウエイトが飛び出してしまいます。
それでは本題です。

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マロッシ焼き付きでの2stオイルテスト

2018年 07月15日 11:40 (日)

スクーターチューニングには大きく分けて2種類、駆動系チューニングと
エンジンチューニングがあります。
駆動系チューニングはギア比を変えたり、エンジンパワーを効率良くリアタイヤに伝えることが
目的ですが、エンジンチューニングはパワー自体を増やすことが目的です。

パワーを出す方法は?
これ、単純で簡単なのですが、分かっていない人が多いんです。

たとえば、皆さんは学校で掛け算の基本の九九を習ったと思います。
3×3=9 です。
この九九が全て覚えられても意味が分かっていなければ、その先に待っている割り算や
数学を勉強しても意味が無いんです。
3×3=9は(1+1+1)+(1+1+1)+(1+1+1)ですよね。
馬鹿みたいですが、これが九九の基本です。

話しを戻してパワーを出す方法ですが、「爆発の力を上げる」これだけです。
2stスクーターは単気筒エンジンですから、シリンダーの燃焼室内の爆発力を
上げればパワーアップします。

この爆発力を上げるために様々なパーツを購入して取り付ける訳ですが、
取付けるだけでは爆発力は上がりません。
一番簡単な方法は一度に出来るだけ多くの混合気を爆発させることです。
ターボやスーパーチャージャーは強制的に多くの混合気を燃焼室に入れる装置ですね。
これにより660ccの軽自動車が1000ccのファミリーカーよりパワーを出すことが出来ます。

つまり、ボアアップして燃焼室の質量を増やしても、混合気の量が増えていなければ
殆どパワーアップしません。
逆に50ccのままでも90ccと同じ量の混合気を燃焼室で爆発させれば、
90ccと同じパワーが出せます。

ポート加工も考え方は同じです。
出来るだけ吸排気の効率を良くするために加工しても混合気が多く入っていなければ
パワーアップしないんです。
ポートタイミングの変更はエンジン特性を変更するもので直接パワーアップするものでは
ありません。

エンジンチューニングでパワーを上げるには燃焼室の爆発力を上げる。
これを常に考えながらパーツ選びやセッティングを行えばパワーは上がり、
快適な走行が出来るように成ります。

秋に向けての私のジャイロの仕様変更ですが、上記で書いた
「50ccで90ccのパワーを出す!」です。
シリンダーは50ccの純正のままで加速から最高速まで原付二種スクーターに負けない
走りが出来るように仕上げます。

それでは本題です。

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梅雨明けジャイロのメンテナンス

2018年 07月13日 01:32 (金)

週末の豪雨酷かったですね。
私の所も避難準備まで行きましたが、幸い無事でした。
私はこんな異常気象は今後も続くと思っています。
というより酷く成っていくのでは?

私の子供の頃は夏と言えば30℃超える程度でしたが、今は35℃超える猛暑日が
当たり前のように有ります。
昔は猛暑日なんて無かったんですよ。
今後は40度を超える日も出てくるのでは?って思ってますし、
今回以上の豪雨も有ると思います、

今は衛星からの気象データーで何分後に、どのくらいの雨量があるか?分かる時代です。
地震と違って予想が出来るのですから、事前に対策も立てられるはず。
今回の豪雨をきっかけに、国や市町村は対策を施し、個人は自分の住まいが
豪雨の時にどんな状況に成り、どう対処すべきか考えておくべきだと思います。

豪雨が去ると同時に梅雨も明けたのでジャイロで少し走ってきました。
あれ?セッティングしたばかりの駆動系の変速が変です。
タコメーターを見ていると変速回転が500~700rpmほど落ちています。
変速回転数が下がるってことは、変速が早く進んでしまっているということです。
きっと新しいトルクカムのフェイス角度にベルトが馴染んで変速し易く成ったのでしょう。

トルクカムが変わればフェイス面とベルトの当たりも変わるので、想定できたことですが
通常は200rpm程度なのに対して、今回のRRカムは500rpm以上。
トルクカムは立ち溝に成るほどセッティングがシビアに成ります。

そうそう!私は以前から使用しているシンコーメタル製の柔バネを使っています。
これは2stクレア用よりも柔らかく、縮めても硬く成らない特性の柔バネです。
多摩ピットのショッピングサイトには出ていませんが、これもすでに多摩ピットに
届いています。
欲しい方は直接問い合わせてみてくださいね。

今回のRRカムのインプレですが、私のマシーンの仕様ではこのバネを使うなら
KNトルクカムの直線やNYCトルクカムの直線の方が合っているようです。
トルクカムの溝形状は、パワーやエンジン特性、プーリー、センタースプリングによって
相性が異なりますから、自分のマシーンに合った物を探して使ってくださいね。
このRRカムは、今まで直線溝のトルクカムを使っていたが、変速後半でパワーが足りず
回転上がりを起こしていた、なんて車両にベストマッチしそうです。

そして、ここまでの立ち溝だとセッティングがシビアですから上級者向けの商品です。
中級者までの方は、新発売の柔バネに直線溝のトルクカムを合わせてみてください。
それで変速後半に回転上がりが出るならこのRRカムを試すようなステップが良いと思います。

それでは本題です。

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RRカム装着と最新のスクーター駆動系

2018年 07月05日 00:50 (木)

昔の2stスクーターの駆動系チューニングと言えば
ハイスピードプーリーの装着でした。
たとえば、ディオの純正プーリーは直径89mmです。
ジャイロのプーリーも同じですね。
でも、ベルトは外側まで回わりません。
大体、外側2mmほど使えていないので両端4mmマイナスして実質85mmプーリーです。
このプーリーを少し大きくして純正より変速幅を増やした物がハイスピードプーリーです。

このプーリーを使うとセカンダリーは、より高回転で回るので最高速がアップする訳です。
時速にして約5~10km程度でしょうか。
これに回転数リミッターのCDIを社外品に変えることで、より高回転まで回すことで
さらに最高速をアップさせるのが昔のチューニングです。

ところが最高出力を6500rpmで発生させるディオを8000rpmを超えて常用させるのは
常にレッドドーンで走らせていると同じですからアッと言う間にエンジンは傷んでしまいます。
純正オイルを使用していれば1万km前後で寿命を迎えます。

それを変えたのがジャイロの駆動系チューニングです。
ジャイロは普通のスクーターに比べてギア比が低く、純正プーリーで60km/hを出すには
8500rpmを超えて回さないと出ません。
そこで、ギア比を出来るだけ稼げるよう考えたのが初期の大径プーリーです。

でも、初期のプーリーは50ccのパワーでは回しきることが出来ず、ボアアップ車専用
と言っても良いプーリーでした。
7.2馬力のノーマルのライブディオZXをシャシダイナモで計測すると5馬力程度だそうです。
腰上で作られたパワーは駆動系で約3割使われてしまう訳ですね。
パワーの損失は主にフリクションロスです。

このフリクションロスを低減して損失するパワーを抑えて、その分変速に使うパワーに
使えるようにした物が現在の大口径プーリーや柔センターSPってことです。
最も変わったのがWRが転がりながら変速する点です。
ブログを読んでいる殆どの人はWRは転がって変速していると思っているのでは
ないでしょうか?
でも実際、プーリー内部でWRは転がっているのでは無く、滑っているんです。
だから、使われたWRの摩耗は片減りしていきます。
ところが、ステージⅤや当店の大径プーリーは均等に減るので直径が小さく成ります。
なので、ドクタープーリーのような異形WRや精度の悪いWRの使用はNGなんです。
WRが滑ると摩擦抵抗が大きく成るので、フリクションロスが大きく成ってしまいますからね。

そしてセンターSPを柔らかくすることでバネを縮めるパワーを減らしてあげる。
駆動系全体でフリクションロスを減らせば、それだけ車両を走らす力に変えられますからね。
ところが、センターSPに柔バネを使うことで弱点が出来てしまいました。
再加速が悪く成ることです。

走行中にアクセルを戻せばエンジン回転は低く成ります。
エンジン回転が下がれば、駆動系も同時に戻らないといけない訳ですが、
センターSPの戻る力も弱いのでセカンダリーがローギアに戻ってくれないんです。
再加速時に適切なギアに落ちていないので再加速が悪く成るんですね。
柔センターSPを使っても素早くギアが落ちるようにするには、WRを軽くする必要があります。
WRが軽いと遠心力が弱くなりますからね。
でも、ギアが素早く戻るところまでWRを軽くすると変速タイミングは高回転に成ってしまいます。
そこで、軽いWRでも変速タイミングが高回転に成らないようにしたのが
立ち溝のトルクカムです。

これが現在の最新の駆動系チューニングですが、
今までは立ち溝のトルクカムは直線だけでした。
ホンダのセンターSPは縮めるほど固くなる性質のバネですので、
直線溝のトルクカムを使うにはパワーが必要でした。
パワーが無いと変速後半で回転下がりが起きてしまいます。
そこで、ホンダ系のセンターSPに合う湾曲の立ち溝形状のトルクカムが
今回のRRカムってことです。

後半に続く

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