2017年 07月31日 01:03 (月)
秋に向けて新たな仕様にするため、サブエンジンのシリンダーを外しました。
このエンジンは、この春に松山⇔御荘湾のツーリングを行って
帰りは高速道路を約1時間、ほぼ全開走行を行ったエンジンです。
駆動系は熱ダレしないよう考えて作り込み、ギアは2丁アップハイギア、
腰下には2mmロングクランクを入れ、腰上は75マロ、
PEキャブレターと自作エアクリ、ハイパーリバイブという仕様でした。
この仕様でも楽に90km/hオーバーで走れたのですが、煮詰めていけば
もっと速いエンジンに成りそうなのでリチューンしてみようかと思います。
ジャイロのメーターは、90km/hまで表示出来ません。
何故、90km/hオーバーって言い切れるか?
実は最近の大型トラックって速度リミッターが装備されていて90km/hまでしか出ないんです。
だから、高速に乗る時は新し目の大型トラックが来るのを待って、後を着いていけばOK。
これで着いて行ければ90km/hです。簡単、確実でしょw
まずはピストンピンからチェックしてみます。

このエンジンはロングクランクで12mmピン仕様なので、
75マロ付属のピストンが使えませんでした。
そこで他社の12mmピン仕様のピストンを代用したのですが、全く問題無いですね。
10mmのピストンピンはマロッシを高圧縮で組むと持たないと聞きますが、
10mmのピストンピンよりも純正のニードルベアリングの方が先に壊れます。
ですので、ピンに焼きが入ったり変摩耗した場合は2stオイルの性能不足です。
ピンの強度は10mmと12mmでは違いますが、硬度自体は変わりません。
12mmピンでも2stオイルの性能が悪ければ油膜が切れて焼きが入ったりしますよ。
このピンの状態から、二次圧縮13kg/㎠で一時間全開でも全く問題無いですね。
もちろん、ピストンも良い状態で、コーティングが良い感じで剥がれていました。
次にシリンダーですが、排気ポートの内部だけは拡大しましたが、ポートの大きさや
位置は手付かずでした。
そこで、ホーニングして改めてポートの高さを確認します。



排気ポート周辺の縦傷はエキスカやった時の傷ですね。
黒くコーティングで埋まっていますから問題無いです。
ポートの高さですが、左側の第一掃気ポートを基準にすると右側が下がっていますね。
そして、第一ポートより第二ポートは0.3mmほど低く成っています。
第三ポートに限っては、「これでしっかり機能してるの?」って思うぐらい下がってます。
75マロは49mmボアですからシリンダーの内壁を1mm削ってあるわけです。
1mm削ると、これだけポートはズレてくるってことですね。
このポートの高さを揃えて、排気と掃気のクランク角を修正したら
まだパワーアップできそうですよね?
これだけポートがズレていて90km/hオーバーだったので、
どれだけ変わるか?楽しみです。
P.S ポートの高さの計り方について質問があったので少し書きますね。
ピストンリングを一本シリンダー内に装着します。
この時に合口がポートに掛からないように注意してください。
そして、リングの入っていないピストンで押していけば、リングは平行に入っていきます。
そして、ポートの位置に来たら赤鉛筆でクルっと線を引くだけです。
簡単でしょ?
油分が有るとインクを弾くので、パーツクリーナー等でリングとシリンダーを
綺麗にしてから行ってくださいね。
それでは本題です。
このエンジンは、この春に松山⇔御荘湾のツーリングを行って
帰りは高速道路を約1時間、ほぼ全開走行を行ったエンジンです。
駆動系は熱ダレしないよう考えて作り込み、ギアは2丁アップハイギア、
腰下には2mmロングクランクを入れ、腰上は75マロ、
PEキャブレターと自作エアクリ、ハイパーリバイブという仕様でした。
この仕様でも楽に90km/hオーバーで走れたのですが、煮詰めていけば
もっと速いエンジンに成りそうなのでリチューンしてみようかと思います。
ジャイロのメーターは、90km/hまで表示出来ません。
何故、90km/hオーバーって言い切れるか?
実は最近の大型トラックって速度リミッターが装備されていて90km/hまでしか出ないんです。
だから、高速に乗る時は新し目の大型トラックが来るのを待って、後を着いていけばOK。
これで着いて行ければ90km/hです。簡単、確実でしょw
まずはピストンピンからチェックしてみます。

このエンジンはロングクランクで12mmピン仕様なので、
75マロ付属のピストンが使えませんでした。
そこで他社の12mmピン仕様のピストンを代用したのですが、全く問題無いですね。
10mmのピストンピンはマロッシを高圧縮で組むと持たないと聞きますが、
10mmのピストンピンよりも純正のニードルベアリングの方が先に壊れます。
ですので、ピンに焼きが入ったり変摩耗した場合は2stオイルの性能不足です。
ピンの強度は10mmと12mmでは違いますが、硬度自体は変わりません。
12mmピンでも2stオイルの性能が悪ければ油膜が切れて焼きが入ったりしますよ。
このピンの状態から、二次圧縮13kg/㎠で一時間全開でも全く問題無いですね。
もちろん、ピストンも良い状態で、コーティングが良い感じで剥がれていました。
次にシリンダーですが、排気ポートの内部だけは拡大しましたが、ポートの大きさや
位置は手付かずでした。
そこで、ホーニングして改めてポートの高さを確認します。



排気ポート周辺の縦傷はエキスカやった時の傷ですね。
黒くコーティングで埋まっていますから問題無いです。
ポートの高さですが、左側の第一掃気ポートを基準にすると右側が下がっていますね。
そして、第一ポートより第二ポートは0.3mmほど低く成っています。
第三ポートに限っては、「これでしっかり機能してるの?」って思うぐらい下がってます。
75マロは49mmボアですからシリンダーの内壁を1mm削ってあるわけです。
1mm削ると、これだけポートはズレてくるってことですね。
このポートの高さを揃えて、排気と掃気のクランク角を修正したら
まだパワーアップできそうですよね?
これだけポートがズレていて90km/hオーバーだったので、
どれだけ変わるか?楽しみです。
P.S ポートの高さの計り方について質問があったので少し書きますね。
ピストンリングを一本シリンダー内に装着します。
この時に合口がポートに掛からないように注意してください。
そして、リングの入っていないピストンで押していけば、リングは平行に入っていきます。
そして、ポートの位置に来たら赤鉛筆でクルっと線を引くだけです。
簡単でしょ?
油分が有るとインクを弾くので、パーツクリーナー等でリングとシリンダーを
綺麗にしてから行ってくださいね。
それでは本題です。
2017年 07月26日 13:07 (水)
前回説明した通り、ブログに「拍手」機能を付けたことで、残す記事と
整理して限定記事にすることの判断基準にすることをお知らせしました。
お盆休みを利用して記事を整理する予定ですのでご了承くださいね。
そして、非公開でもコメントが残せるように成ったのですが、
拍手からのコメントには返事が出来ないんです。
だから、質問や問い合わせはブログのコメントやメール、掲示板を
利用して頂ければ助かります。
拍手コメントで「親父さんのジャイロはツーリング仕様で何回転まで回りましたか?」
ってコメントがありましたので、今回はこれについて記事を書いてみます。
エンジンの回転数はエンジンを制作する時にピークパワーが出る回転数を
考える必要があります。
これは使用するタイヤやギア比、駆動系を考えて一番効率よくパワーが使えるには
どうしたら良いか?を計算して決めています。
回答から先に言うと、7000rpmで最大トルク、7500rpmで最大出力が発生するように
ポート位置を調整して組んでありますので、オーバーレブで回っても8000rpm強です。
皆さんがマロッシを組んでWRやキャブセッティングして出すピークパワーや
最高回転数よりも少し低く設定してあるんです。
多分、皆さんがマロッシを組むとパワーバンドが7500~8500rpmで9000rpm前後
回るのではないでしょうか?
では何故、パワーバンドを落として組まなければならないのか?
その理由は後半で説明しましょう。
整理して限定記事にすることの判断基準にすることをお知らせしました。
お盆休みを利用して記事を整理する予定ですのでご了承くださいね。
そして、非公開でもコメントが残せるように成ったのですが、
拍手からのコメントには返事が出来ないんです。
だから、質問や問い合わせはブログのコメントやメール、掲示板を
利用して頂ければ助かります。
拍手コメントで「親父さんのジャイロはツーリング仕様で何回転まで回りましたか?」
ってコメントがありましたので、今回はこれについて記事を書いてみます。
エンジンの回転数はエンジンを制作する時にピークパワーが出る回転数を
考える必要があります。
これは使用するタイヤやギア比、駆動系を考えて一番効率よくパワーが使えるには
どうしたら良いか?を計算して決めています。
回答から先に言うと、7000rpmで最大トルク、7500rpmで最大出力が発生するように
ポート位置を調整して組んでありますので、オーバーレブで回っても8000rpm強です。
皆さんがマロッシを組んでWRやキャブセッティングして出すピークパワーや
最高回転数よりも少し低く設定してあるんです。
多分、皆さんがマロッシを組むとパワーバンドが7500~8500rpmで9000rpm前後
回るのではないでしょうか?
では何故、パワーバンドを落として組まなければならないのか?
その理由は後半で説明しましょう。
2017年 07月24日 17:37 (月)
梅雨も明けて、本格的に暑く成ってきましたね。
皆さん、熱中症に成らないよう気を付けてくださいね。
マッハ350ssのシリンダーが腰上オーバーホールで入ってきました。

全てのシリンダーに0.5mmオーバーサイズのピストンが入っています。
ピストントップのカーボンの着き方が、それぞれ違いますね。
右は燃調が濃い、真ん中は薄い、左は良いようです。
まずは真ん中のシリンダー&ピストンをチェックしてみます。


この黒い部分ですが、シリンダーとの摩擦で「焼き」が入っています。
焼きが入ると、この部分だけ硬く成りますので、補修が必要に成ります。
具体的にはダイヤモンドヤスリを使って焼きが入ったカ所を削り落とします。

シリンダー側も同様に焼きが入ってました。
写真は削った後です。
ピストンクリアランスを計ると、狭っ!
全てのシリンダーを計ってみたのですが、みんなクリアランスが狭い。
だから、冷却が弱い真ん中が最初に抱きついて焼きが入った訳です。

この縦の2本線ですが、ピストンリングの跡です。
リングギャップを計ってみると、バラつきはありますが、0.5~0.55mmです。
前回、適切なリングギャップのことを書いたと思いますが、これも狭すぎ。
各シリンダーをホーニングして適切なクリアランスまで広げて、リングギャップを
0.75mmに調整しました。
ピストンクリアランスは狭いし、リングギャップは未調整、ポートの処理もしていない。
内燃機屋さんもピンキリですからね~
シリンダーをボーリングするとポートの位置が変わります。
このシリンダーはどうかな?


上の2枚の写真は同じシリンダーの左右をシリンダーヘッド側から撮った写真です。
左の1番掃気ポートの高さに合わせて赤鉛筆で平行に線を書いたのですが
2番ポートが下がっているのが分かりますね。
そして、右側の方が全体的にポートが低い。
どんなシリンダーでも砂型の合わせ面の関係で左右のポートの高さが
違う場合があります。
これを修正することによって、吹き出しのタイミングが同じに成り、
パワーアップが見込めます。

全てのシリンダーのポートの高さを揃えました。
ついでに吸気ポートと排気ポートを適切な角度で面取り。
よく掃気ポートを面取りする人が居ますが、面取りするのは
ピストンリングやピストンが引っかかる可能性がある、大きな吸気と排気ポートのみ
掃気ポートはバリ取りのみにしないとパワーダウンの元です。
後はコーティングして終了ですが、ピストンをコーティングする時に1つだけ
ピストンが違うことに気が付きました。

1つだけピストンに「B」の刻印。
多分、他のピストンより0.01mmぐらい大きいのでしょう。
幸いシリンダーは気持ち大きくホーニングしてあるので
このピストンだけコーティングを薄く仕上げました。
当店に入庫して来る腰上は、他に出せば必ずボーリング&オーバーサイズピストンに
交換を勧められるレベルです。
当店ではボーリングを行うこと無く、安値で補修&調整できます。
旧車の腰上オーバーホールについて料金などの詳細はホームページに
記載しました。
それでは本題です。
皆さん、熱中症に成らないよう気を付けてくださいね。
マッハ350ssのシリンダーが腰上オーバーホールで入ってきました。

全てのシリンダーに0.5mmオーバーサイズのピストンが入っています。
ピストントップのカーボンの着き方が、それぞれ違いますね。
右は燃調が濃い、真ん中は薄い、左は良いようです。
まずは真ん中のシリンダー&ピストンをチェックしてみます。


この黒い部分ですが、シリンダーとの摩擦で「焼き」が入っています。
焼きが入ると、この部分だけ硬く成りますので、補修が必要に成ります。
具体的にはダイヤモンドヤスリを使って焼きが入ったカ所を削り落とします。

シリンダー側も同様に焼きが入ってました。
写真は削った後です。
ピストンクリアランスを計ると、狭っ!
全てのシリンダーを計ってみたのですが、みんなクリアランスが狭い。
だから、冷却が弱い真ん中が最初に抱きついて焼きが入った訳です。

この縦の2本線ですが、ピストンリングの跡です。
リングギャップを計ってみると、バラつきはありますが、0.5~0.55mmです。
前回、適切なリングギャップのことを書いたと思いますが、これも狭すぎ。
各シリンダーをホーニングして適切なクリアランスまで広げて、リングギャップを
0.75mmに調整しました。
ピストンクリアランスは狭いし、リングギャップは未調整、ポートの処理もしていない。
内燃機屋さんもピンキリですからね~
シリンダーをボーリングするとポートの位置が変わります。
このシリンダーはどうかな?


上の2枚の写真は同じシリンダーの左右をシリンダーヘッド側から撮った写真です。
左の1番掃気ポートの高さに合わせて赤鉛筆で平行に線を書いたのですが
2番ポートが下がっているのが分かりますね。
そして、右側の方が全体的にポートが低い。
どんなシリンダーでも砂型の合わせ面の関係で左右のポートの高さが
違う場合があります。
これを修正することによって、吹き出しのタイミングが同じに成り、
パワーアップが見込めます。

全てのシリンダーのポートの高さを揃えました。
ついでに吸気ポートと排気ポートを適切な角度で面取り。
よく掃気ポートを面取りする人が居ますが、面取りするのは
ピストンリングやピストンが引っかかる可能性がある、大きな吸気と排気ポートのみ
掃気ポートはバリ取りのみにしないとパワーダウンの元です。
後はコーティングして終了ですが、ピストンをコーティングする時に1つだけ
ピストンが違うことに気が付きました。

1つだけピストンに「B」の刻印。
多分、他のピストンより0.01mmぐらい大きいのでしょう。
幸いシリンダーは気持ち大きくホーニングしてあるので
このピストンだけコーティングを薄く仕上げました。
当店に入庫して来る腰上は、他に出せば必ずボーリング&オーバーサイズピストンに
交換を勧められるレベルです。
当店ではボーリングを行うこと無く、安値で補修&調整できます。
旧車の腰上オーバーホールについて料金などの詳細はホームページに
記載しました。
それでは本題です。
2017年 07月20日 00:10 (木)
本題に入る前にお知らせです。
ブログに拍手機能を追加しました。
記事の左下にあるピンク色のボタンです。
私のブログは記事が古く成ると、定期的に限定記事にしてきました。
できるだけ新しい情報を発信していきたいのと、ショップブログですので
当店のお客様と一般の方に差をつける意味があってのことです。
ですので、一般の方には観たくても見られない記事が有るわけですが、
今後は記事の書き方や整理の方法を変えていこうと思います。
拍手が多い記事は興味がある人が多いと考え、いつまでも観られるようにしておく。
そして記事を書く際にも、拍手が多い記事に関連することを
積極的に書いていこうと思います。
こうすることで、皆さんが読みたい記事は増えて、いつまでも観られるし
興味が無い記事は、すぐに限定記事に成っていく訳です。
そして、拍手のボタンを押すとコメントが入れられるように成っています。
これはブログコメントと違って、非公開のコメントです。
「こんな記事を書いてもらいたい」とか「ここが分かりづらい」などの
要望を入れて頂ければ、どんなことが知りたいのか?
今後の記事の参考に成ります。
この拍手を読者さんに積極的に使って頂ければ、
皆さんが読みたい記事が増えていくってことです。
前回は、駆動系のセンタースプリングまでやりました。
センタースプリングを柔らかくするとパワーが余分に使えることと、
デメリットとしてベルトが滑りやすく成ったり、再加速が悪く成る。
じゃ~どうしてそう成るのか?
ドライブベルトは、常に緩みの無い状態で回っています。
これはセカンダリー側のセンタースプリングの反発力が利用されているからです。
この反発力を弱めると、ベルトを張る力が弱くなるので滑りやすく成る訳です。
対策としては、駆動系に出来るだけ油分を着けないことです。
次に再加速が悪く成るのはどうしてか?
スクーターの変速はアクセルを開けると、エンジン回転が上がって
プーリー内のウエイトローラーが遠心力で外側に押し出される。
それによって、ベルトが引っ張られて変速していく訳ですが、
アクセルを戻した時は、センタースプリングの反発力を利用してベルトを
元に戻しているんです。
つまり、加速時の変速はプライマリー側が主体、減速時の変速は
セカンダリー側が主体で機能しています。
ですので、センタースプリングを弱くすると、エンジン回転が下がっても高いギアのまま。
高ギア状態なので、再びアクセルを開けても加速しないってことです。
この2つのデメリットを考慮してプーリーを、どう加工して装着すれば良いか?
考えないといけません。
大きいだけのプーリーでは50ccのパワーでは変速出来ないし、
センタースプリングを柔らかくした時のデメリットが消えない訳です。
後半に続く。
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私のブログは記事が古く成ると、定期的に限定記事にしてきました。
できるだけ新しい情報を発信していきたいのと、ショップブログですので
当店のお客様と一般の方に差をつける意味があってのことです。
ですので、一般の方には観たくても見られない記事が有るわけですが、
今後は記事の書き方や整理の方法を変えていこうと思います。
拍手が多い記事は興味がある人が多いと考え、いつまでも観られるようにしておく。
そして記事を書く際にも、拍手が多い記事に関連することを
積極的に書いていこうと思います。
こうすることで、皆さんが読みたい記事は増えて、いつまでも観られるし
興味が無い記事は、すぐに限定記事に成っていく訳です。
そして、拍手のボタンを押すとコメントが入れられるように成っています。
これはブログコメントと違って、非公開のコメントです。
「こんな記事を書いてもらいたい」とか「ここが分かりづらい」などの
要望を入れて頂ければ、どんなことが知りたいのか?
今後の記事の参考に成ります。
この拍手を読者さんに積極的に使って頂ければ、
皆さんが読みたい記事が増えていくってことです。
前回は、駆動系のセンタースプリングまでやりました。
センタースプリングを柔らかくするとパワーが余分に使えることと、
デメリットとしてベルトが滑りやすく成ったり、再加速が悪く成る。
じゃ~どうしてそう成るのか?
ドライブベルトは、常に緩みの無い状態で回っています。
これはセカンダリー側のセンタースプリングの反発力が利用されているからです。
この反発力を弱めると、ベルトを張る力が弱くなるので滑りやすく成る訳です。
対策としては、駆動系に出来るだけ油分を着けないことです。
次に再加速が悪く成るのはどうしてか?
スクーターの変速はアクセルを開けると、エンジン回転が上がって
プーリー内のウエイトローラーが遠心力で外側に押し出される。
それによって、ベルトが引っ張られて変速していく訳ですが、
アクセルを戻した時は、センタースプリングの反発力を利用してベルトを
元に戻しているんです。
つまり、加速時の変速はプライマリー側が主体、減速時の変速は
セカンダリー側が主体で機能しています。
ですので、センタースプリングを弱くすると、エンジン回転が下がっても高いギアのまま。
高ギア状態なので、再びアクセルを開けても加速しないってことです。
この2つのデメリットを考慮してプーリーを、どう加工して装着すれば良いか?
考えないといけません。
大きいだけのプーリーでは50ccのパワーでは変速出来ないし、
センタースプリングを柔らかくした時のデメリットが消えない訳です。
後半に続く。
2017年 07月17日 23:50 (月)
そろそろ秋に向けてジャイロの新しい仕様にしたいと妄想しています。
今度の仕様は高速道路を巡航80km/h!最高速90km/h!
が目標なのですが、何から手を付けて良いか?
分からない方も多いと思いますので、まずは駆動系の考え方から説明したいと思います。
速度はエンジン回転数とギア比から計算が出来ます。
ノーマルジャイロ(後期型)の変速は駆動系の無段階変速と
ギアボックス内の変速比で計算が出来ます。
これは、他のスクーターでも同様ですから覚えておいてくださいね。
ジャイロの駆動系は最大変速時には0.875という変速比に成ります。
たとえばエンジンが8000回転で回っている時、プーリーが着いている
クランクシャフトは1分間に8000万回転回っています。
その時にセカンダリーが着いているドライブシャフトは
8000÷0.875=約9143
つまり、ドライブシャフトは1分間に9143回転回っている訳です。
次のシャフトはギアボックス内のカウンターシャフトです。
ギアボックス内の一次変速は3.416(合ってるかな?)のギア比ですので
9143÷3.416=2676.5
カウンターシャフトは1分間に2676.5回転回っている訳です。
最後にタイヤが装着されているファイナルシャフトですが、
二次変速の変速比は3.538ですので、
2676.5÷3.538=756.5
つまり、エンジンの回転数が8000回転の時に、ファイナルシャフトは1分間に756.5回転
回ってるってことに成ります。
この時の速度を計算してみましょう。
ジャイロのノーマルタイヤは直径37cmぐらいですので0.37m。
タイヤが1周するのに進む距離は
0.37×3.14=1.1618mですね。
1分間に進む距離は 756.5×1.1618=約880m
速度は時速ですので 880×60=52800m 約53km/hって計算です。
つまり、フルノーマルのジャイロは8000rpm回せば53km/h出るってことに成ります。
じゃ~デカタイヤを履いてるとどのぐらいの速度に成るの?
私のジャイロのリアタイヤは純正より外周が大きいので計ってみました。

タイヤに印を付けて、タイヤが一周するまで前に進みます。

一周、126cmでした。
ノーマルのジャイロに私のタイヤを履かせて8000rpmの時の速度は?
1.26×756.5×60=57191m 約57km/hですから4km/hアップするってことです。
じゃ~大口径プーリーを入れたらどうなるの?
当店の大口径プーリーの最大変速時の変速比は大体0.59です。
つまり、8000rpmの時、一分間にドライブシャフトは13560回転回っています。
その時、ファイナルシャフトは11560÷3.416÷3.538=956.5回転の計算です。
純正のタイヤだと956.5×1.1618×60=66675m 約67km/hで
フルノーマルジャイロの時より同じ8000rpmでも14km/hアップが可能ってことです。
ところが、なかなか計算通りに行かないんです。
その理由は後半に続く。
今度の仕様は高速道路を巡航80km/h!最高速90km/h!
が目標なのですが、何から手を付けて良いか?
分からない方も多いと思いますので、まずは駆動系の考え方から説明したいと思います。
速度はエンジン回転数とギア比から計算が出来ます。
ノーマルジャイロ(後期型)の変速は駆動系の無段階変速と
ギアボックス内の変速比で計算が出来ます。
これは、他のスクーターでも同様ですから覚えておいてくださいね。
ジャイロの駆動系は最大変速時には0.875という変速比に成ります。
たとえばエンジンが8000回転で回っている時、プーリーが着いている
クランクシャフトは1分間に8000万回転回っています。
その時にセカンダリーが着いているドライブシャフトは
8000÷0.875=約9143
つまり、ドライブシャフトは1分間に9143回転回っている訳です。
次のシャフトはギアボックス内のカウンターシャフトです。
ギアボックス内の一次変速は3.416(合ってるかな?)のギア比ですので
9143÷3.416=2676.5
カウンターシャフトは1分間に2676.5回転回っている訳です。
最後にタイヤが装着されているファイナルシャフトですが、
二次変速の変速比は3.538ですので、
2676.5÷3.538=756.5
つまり、エンジンの回転数が8000回転の時に、ファイナルシャフトは1分間に756.5回転
回ってるってことに成ります。
この時の速度を計算してみましょう。
ジャイロのノーマルタイヤは直径37cmぐらいですので0.37m。
タイヤが1周するのに進む距離は
0.37×3.14=1.1618mですね。
1分間に進む距離は 756.5×1.1618=約880m
速度は時速ですので 880×60=52800m 約53km/hって計算です。
つまり、フルノーマルのジャイロは8000rpm回せば53km/h出るってことに成ります。
じゃ~デカタイヤを履いてるとどのぐらいの速度に成るの?
私のジャイロのリアタイヤは純正より外周が大きいので計ってみました。

タイヤに印を付けて、タイヤが一周するまで前に進みます。

一周、126cmでした。
ノーマルのジャイロに私のタイヤを履かせて8000rpmの時の速度は?
1.26×756.5×60=57191m 約57km/hですから4km/hアップするってことです。
じゃ~大口径プーリーを入れたらどうなるの?
当店の大口径プーリーの最大変速時の変速比は大体0.59です。
つまり、8000rpmの時、一分間にドライブシャフトは13560回転回っています。
その時、ファイナルシャフトは11560÷3.416÷3.538=956.5回転の計算です。
純正のタイヤだと956.5×1.1618×60=66675m 約67km/hで
フルノーマルジャイロの時より同じ8000rpmでも14km/hアップが可能ってことです。
ところが、なかなか計算通りに行かないんです。
その理由は後半に続く。