NSR50の腰上レストア
2020年 12月29日 00:57 (火)
半年ほど別世界に行っていて、なかなかブログの更新が出来ずにいました。
悪戦苦闘しながら何とか頑張ってます。
私はコロナ渦でこの1年が本当に短く感じました。
いつもならジャイロで数千kmは走行しますが、給油も多くて月一程度です。
それでも面白いデータが取れましたよ。
今年から始めたガンコートですが、こんなに効果が高いと思っていませんでした。
どのぐらいの違いがあるのか?と言うとシリンダーヘッドに取り付けてある温度計で
30~40度程度低く成りました。
私のジャイロの今の仕様はフルポートの68ccマロッシシリンダーを
二次圧縮11kで組んであります。
通常よりも燃焼室は高温に成るので150℃ぐらいでリング鳴りが収まって
220℃程度まで快適に走行出来ます。
過去に235℃オーバーを記録しても焼き付きなど無い高圧縮仕様です。
それが今は街乗りで130℃オーバーがやっと。
信号待ちではすぐに120℃付近まで落ちてしまいます。
快適に走行できる温度まで上がらない。
つまり、オーバークールって言う現象が出ています。
スゲー冷える。
そこでこんな状態で乗ってみました。

ちょっとコンビニまで往復しました。
温度はあっという間に200℃オーバー。
まあファンレス、カバーレスじゃ当たり前ですよね。

次にこの状態。
ファンとサイドのカバーを装着してシリンダーカバーを外して走行してみました。
すると、150~170℃程度で快適に走行出来ました。
前回、紹介したストパチューンのデモカーも気温が20℃を下回ったぐらいから
エンジンが温まらなく成ったので、冷却ファンをKOSOからUSP製に交換しました。
オーナーさん曰く、回転抵抗が減ってレスポンスが上がったそうです。
ガンコートは流石、米軍ご用達の塗料です。
最新技術は軍事兵器に使われるとは聞いていましたが・・・・
ストパチューン等のライトチューニングまでならシリンダーヘッドに
施工するだけでも焼き付き防止効果は高いと思いますよ。
今はレストアブームで水冷、空冷問わずエンジン塗装が流行っています。
でも、塗る塗料によって放熱効果が大きく違ってきます。
例えばこの車両。
この方はCBR250のエンジンをゴリラに載せたのですが、見た目重視で
ヘッドを結晶塗装しました。
ところが、走行してみると車重も路面抵抗も減っているはずなのに
エンジンがオーバーヒート気味。
結局、オイルクーラーまで装着しました。
もちろん、こんなカスタムも有りですよ。
否定している訳じゃありません。
私的には「ちょっと違うかな~エンジン可哀そう」って思ってます。
アドバイスするなら、オイル交換で良いオイルを通常の2倍に
頻度を増やしてあげた方が良いですよ。ぐらいかな?
そうそう、最近こんな話を耳にしました。
68マロッシを越後屋さんの銅ガスケットで二次圧縮調整して組む。
ここまでは良いのですが圧縮漏れ防止の為なのか、
液体ガスケットを併用するってことです。
これはやめた方が良いと思います。
空冷エンジンの殆どはシリンダーの熱を放熱性能が良いアルミ製のヘッドに
逃がすため、アルミや銅のガスケットを使用しています。
そこに液体ガスケットを塗るとヘッドに熱が逃げなく成ってしまいます。
すると焼き付きリスクは大きく成ってしまう。
アルミの熱伝導率は240ぐらい?鉄は85ぐらい?液体ガスケットは・・・・
パソコンに使われている熱伝導グリスでさえ2~10程度です。
液ガスは1を切ると思います。
エンジンの場合、熱伝導率イコール冷却性能と置き換えて考えて良いと思います。
それでは本題です。
悪戦苦闘しながら何とか頑張ってます。
私はコロナ渦でこの1年が本当に短く感じました。
いつもならジャイロで数千kmは走行しますが、給油も多くて月一程度です。
それでも面白いデータが取れましたよ。
今年から始めたガンコートですが、こんなに効果が高いと思っていませんでした。
どのぐらいの違いがあるのか?と言うとシリンダーヘッドに取り付けてある温度計で
30~40度程度低く成りました。
私のジャイロの今の仕様はフルポートの68ccマロッシシリンダーを
二次圧縮11kで組んであります。
通常よりも燃焼室は高温に成るので150℃ぐらいでリング鳴りが収まって
220℃程度まで快適に走行出来ます。
過去に235℃オーバーを記録しても焼き付きなど無い高圧縮仕様です。
それが今は街乗りで130℃オーバーがやっと。
信号待ちではすぐに120℃付近まで落ちてしまいます。
快適に走行できる温度まで上がらない。
つまり、オーバークールって言う現象が出ています。
スゲー冷える。
そこでこんな状態で乗ってみました。

ちょっとコンビニまで往復しました。
温度はあっという間に200℃オーバー。
まあファンレス、カバーレスじゃ当たり前ですよね。

次にこの状態。
ファンとサイドのカバーを装着してシリンダーカバーを外して走行してみました。
すると、150~170℃程度で快適に走行出来ました。
前回、紹介したストパチューンのデモカーも気温が20℃を下回ったぐらいから
エンジンが温まらなく成ったので、冷却ファンをKOSOからUSP製に交換しました。
オーナーさん曰く、回転抵抗が減ってレスポンスが上がったそうです。
ガンコートは流石、米軍ご用達の塗料です。
最新技術は軍事兵器に使われるとは聞いていましたが・・・・
ストパチューン等のライトチューニングまでならシリンダーヘッドに
施工するだけでも焼き付き防止効果は高いと思いますよ。
今はレストアブームで水冷、空冷問わずエンジン塗装が流行っています。
でも、塗る塗料によって放熱効果が大きく違ってきます。
例えばこの車両。
この方はCBR250のエンジンをゴリラに載せたのですが、見た目重視で
ヘッドを結晶塗装しました。
ところが、走行してみると車重も路面抵抗も減っているはずなのに
エンジンがオーバーヒート気味。
結局、オイルクーラーまで装着しました。
もちろん、こんなカスタムも有りですよ。
否定している訳じゃありません。
私的には「ちょっと違うかな~エンジン可哀そう」って思ってます。
アドバイスするなら、オイル交換で良いオイルを通常の2倍に
頻度を増やしてあげた方が良いですよ。ぐらいかな?
そうそう、最近こんな話を耳にしました。
68マロッシを越後屋さんの銅ガスケットで二次圧縮調整して組む。
ここまでは良いのですが圧縮漏れ防止の為なのか、
液体ガスケットを併用するってことです。
これはやめた方が良いと思います。
空冷エンジンの殆どはシリンダーの熱を放熱性能が良いアルミ製のヘッドに
逃がすため、アルミや銅のガスケットを使用しています。
そこに液体ガスケットを塗るとヘッドに熱が逃げなく成ってしまいます。
すると焼き付きリスクは大きく成ってしまう。
アルミの熱伝導率は240ぐらい?鉄は85ぐらい?液体ガスケットは・・・・
パソコンに使われている熱伝導グリスでさえ2~10程度です。
液ガスは1を切ると思います。
エンジンの場合、熱伝導率イコール冷却性能と置き換えて考えて良いと思います。
それでは本題です。
PaniCrewのかっさんの紹介でNSR50のドライコーティング依頼が入りました。
そう!おっさんチャンネルじゃなく「かっさんチャンネル」のかっさんです。
これまで水冷は中型車が多かったのですが、初めての50ccエンジンの補修依頼です。
50ccは価格の安いボアアップキットが出ているので補修する人は少ないんですね。
届いた腰上がこれ!


NSRのシリンダーはアルミシリンダーだとばかり思っていましたが、鉄なんですね。
今まで知りませんでした。
ぇっちんさんが他のお客様に聞いてもらい、シルバー塗装がNSR、NS-1、CRMで
黒塗装がMBX、NS50F、MTXではないか?とのことでした。
NSRのシリンダーには前期、中期、後期があって、黒塗装のシリンダーのポートは
NSRの前期シリンダーとほぼ同じとのこと。
出来るだけNSRの性能を引き出したいと考えて手持ちのシリンダーを
送ってもらうことにしました。
届いたのは、どこぞのボアアップキット
状態はこんな感じ。




えっ!傷が酷いって?
確かに錆と傷がかなり入っていますが、この程度なら難しい補修じゃないんです。
それよりも気に成るのはシリンダー背面側の輝きです。
明らかに排気ポート側よりも背面側の当たりが強いことが判ります。
こっちの方が厄介なんです。

そこでボアゲージでシリンダー上部と下部の前後、左右を計ってみると・・・・
上部の前後と左右はこれ!

46mmジャストでした。


ところが下部は左右は46.01mm、前後は45.97mmでした。
僅か0.03mm狭いだけですが、腰下にはこんなに影響が出ます。
ボーリング精度が悪いのか?熱が入って歪んだのか?は分かりませんが
ピストンとの摩擦で簡単に焼き付いてしまいます。
下部をホーニングして0.03mm広げる手もありますが、同時に左右方向も
同じだけ広がってしまうので、やるならボーリングです。
ポートを診ても安い中華か台湾シリンダーですから、そこまでする価値は無いですね。
ということで、ポート位置や形状は全く参考に成らなかったので
その辺りは弄らずに、排気・吸気効率を少し上げる加工を行って補修しました。
そうそう!ピストンは純正新品のAピストンが同梱してありました。
NSRの腰上はA、B、Cの3種類あって、そのアルファベットの記号を
合わせる必要があります。
補修シリンダーはBシリンダーでした。
AはBより0.01mm大きいそうです。
マロッシシリンダーと逆ですね。
それを加味して、シリンダーをホーニングしてあります。


冷却水の通路の錆はサンドブラストで落とし、シリンダー外側も一緒に
ガンコートシルバーを施工してあります。
NSRはラジエターの容量がギリギリで、オーバーヒート気味の車両が殆どです。
ガンコートを施工しておけば、まず通常の走行ではオーバーヒートすることは無いでしょう。
NSR50系は冷却性能を考えるとボアアップは無理があります。
大きいラジエターに交換するのが定番ですが、ガンコートを施工する選択肢も
有るのでは???
これは4輪の話しですが気分転換にYouTubeを観ていたらドリ車が
オーバーヒート気味で大きいラジエターに交換する動画がありました。
軽量化のためにシートを取り払い、ドアの内張りまで剥がし、ボンネットも
カーボンにしているのに、ラジエターを重くする?
ガンコートで解決出来るのでは?って思うのですが
私の所では大きな物を焼く窯が無いんですよね~
そう!おっさんチャンネルじゃなく「かっさんチャンネル」のかっさんです。
これまで水冷は中型車が多かったのですが、初めての50ccエンジンの補修依頼です。
50ccは価格の安いボアアップキットが出ているので補修する人は少ないんですね。
届いた腰上がこれ!


NSRのシリンダーはアルミシリンダーだとばかり思っていましたが、鉄なんですね。
今まで知りませんでした。
ぇっちんさんが他のお客様に聞いてもらい、シルバー塗装がNSR、NS-1、CRMで
黒塗装がMBX、NS50F、MTXではないか?とのことでした。
NSRのシリンダーには前期、中期、後期があって、黒塗装のシリンダーのポートは
NSRの前期シリンダーとほぼ同じとのこと。
出来るだけNSRの性能を引き出したいと考えて手持ちのシリンダーを
送ってもらうことにしました。
届いたのは、どこぞのボアアップキット
状態はこんな感じ。




えっ!傷が酷いって?
確かに錆と傷がかなり入っていますが、この程度なら難しい補修じゃないんです。
それよりも気に成るのはシリンダー背面側の輝きです。
明らかに排気ポート側よりも背面側の当たりが強いことが判ります。
こっちの方が厄介なんです。

そこでボアゲージでシリンダー上部と下部の前後、左右を計ってみると・・・・
上部の前後と左右はこれ!

46mmジャストでした。


ところが下部は左右は46.01mm、前後は45.97mmでした。
僅か0.03mm狭いだけですが、腰下にはこんなに影響が出ます。
ボーリング精度が悪いのか?熱が入って歪んだのか?は分かりませんが
ピストンとの摩擦で簡単に焼き付いてしまいます。
下部をホーニングして0.03mm広げる手もありますが、同時に左右方向も
同じだけ広がってしまうので、やるならボーリングです。
ポートを診ても安い中華か台湾シリンダーですから、そこまでする価値は無いですね。
ということで、ポート位置や形状は全く参考に成らなかったので
その辺りは弄らずに、排気・吸気効率を少し上げる加工を行って補修しました。
そうそう!ピストンは純正新品のAピストンが同梱してありました。
NSRの腰上はA、B、Cの3種類あって、そのアルファベットの記号を
合わせる必要があります。
補修シリンダーはBシリンダーでした。
AはBより0.01mm大きいそうです。
マロッシシリンダーと逆ですね。
それを加味して、シリンダーをホーニングしてあります。


冷却水の通路の錆はサンドブラストで落とし、シリンダー外側も一緒に
ガンコートシルバーを施工してあります。
NSRはラジエターの容量がギリギリで、オーバーヒート気味の車両が殆どです。
ガンコートを施工しておけば、まず通常の走行ではオーバーヒートすることは無いでしょう。
NSR50系は冷却性能を考えるとボアアップは無理があります。
大きいラジエターに交換するのが定番ですが、ガンコートを施工する選択肢も
有るのでは???
これは4輪の話しですが気分転換にYouTubeを観ていたらドリ車が
オーバーヒート気味で大きいラジエターに交換する動画がありました。
軽量化のためにシートを取り払い、ドアの内張りまで剥がし、ボンネットも
カーボンにしているのに、ラジエターを重くする?
ガンコートで解決出来るのでは?って思うのですが
私の所では大きな物を焼く窯が無いんですよね~
コメントの投稿
No title
2020年12月29日 03:40
Re: No title
2020年12月30日 15:33
NSBさん
Facebookはたまに観ていたのですが、ブログまで書く余裕がありませんでした。
申し訳ありません。
今回のブログも夕方4時頃から書き始めて、終わったのは何と深夜1時。
ブログって結構時間が掛かっちゃうんです。
年末年始は頑張って書きたいと思ってます。
3万kmは凄いですね。
通勤で使う車両はノントラブルで乗りたいでしょうから
日常のメンテをしっかりしているのでしょう。
今後もよろしくお願いします。
Facebookはたまに観ていたのですが、ブログまで書く余裕がありませんでした。
申し訳ありません。
今回のブログも夕方4時頃から書き始めて、終わったのは何と深夜1時。
ブログって結構時間が掛かっちゃうんです。
年末年始は頑張って書きたいと思ってます。
3万kmは凄いですね。
通勤で使う車両はノントラブルで乗りたいでしょうから
日常のメンテをしっかりしているのでしょう。
今後もよろしくお願いします。
液状ガスケット
2021年01月15日 00:56
ありがとうございます!
▼圧縮漏れをしないように液体ガスケットを塗ると熱伝導が極端に悪くなり悪影響がでます
と商品説明で書いてあるんですけど
いつも通り使ってしまうのかもしれませんね😥
▼圧縮漏れをしないように液体ガスケットを塗ると熱伝導が極端に悪くなり悪影響がでます
と商品説明で書いてあるんですけど
いつも通り使ってしまうのかもしれませんね😥
Re: 液状ガスケット
2021年01月16日 11:22
ぇっちんさん
液体ガスケットを使うのが普通に成っているのが恐ろしいです。
私も30年以上、液ガス使ってますけど未だに均一に塗るのが難しいんです。
液体ガスケットを使うのが普通に成っているのが恐ろしいです。
私も30年以上、液ガス使ってますけど未だに均一に塗るのが難しいんです。
小生含め、楽しみにしている方も多々いらしゃるのではないかな!!
親父さんの腰下EG購入し、通勤に乗っているディオも3万K超えそうです(^^)
そろそろ色々と考えなければいけない現状です。トラブルもなく3万K。それも親父さん含め、KPさんと仲間たちのブログで得た知識のおかげだと思います。
片桐ファクトリーの進化楽しみにしてます!!